【薬剤師監修】サプリメントや食事で薄毛は治りません、でも予防や対策にはとても大切です。
育毛サプリメントを飲んでいるのに、髪が生えてこない!
そのようなお悩み相談を受けることがあります。
正直、いくらサプリを飲んだり食生活を改善したりしても、薄くなった髪が生えてくることはないでしょう。
なぜかというと、栄養不足がAGAの直接的な原因ではないからです。
この記事では、サプリや食事では発毛しない理由と、それらが薄毛対策や髪の成長に必要な理由、おすすめな食生活について解説します。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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薄毛対策にサプリメントは効果がある?
結論から言うと、サプリメントを摂取することで、薄毛対策が万全!!ということはありませんが、適切な栄養を摂取することで、頭皮環境の改善は期待できます。
どういった栄養素を摂取すると、頭皮環境に良い影響を与えられるのかは、後半部分で解説していきます。
薄毛のメカニズム
薄毛になる主な理由は、ヘアサイクルの乱れです。
髪の毛には寿命があります。
通常、1本1本の髪の毛は新たに生えてくると、太く長く成長し、そして抜けていきます。
ところがヘアサイクルが乱れると、成長する前に、つまり細く短い状態で抜けてしまいます。
これが薄毛になるメカニズムです。
ヘアサイクルが乱れる原因
ではなぜヘアサイクルが乱れるのでしょうか?
男性の場合、最大の原因は男性ホルモンです。
男性ホルモンによって、細胞がダメージを受け、脱毛してしまいます。
ただし男性ホルモン以外にもヘアサイクルが乱れる原因はあります。
それが髪の栄養不足や頭皮環境の悪化です。
ヘアサイクルが乱れる原因 | ||
★★★ | 男性ホルモン | DHTの産生により、脱毛を促進する物質が産生され、毛母細胞がダメージを受けて脱毛してしまう |
★ | 環境の悪化 | 頭皮環境の悪化、血流の低下 |
★ | 栄養不足 | タンパク質、ミネラル、ビタミンの不足 |
★ | その他 | 喫煙、運動不足、睡眠不足ストレス |
つまり、最大の原因である男性ホルモンの問題解決なくして、薄毛を治すことはできません。
サプリメントや食事だけでは薄毛が治らない理由はこれです。
食生活改善やサプリメントでの栄養補給はなぜ必要か?
ただし、薄毛の予防や対策にサプリメントが必要ないという訳ではありません。
医薬品などメインとなる対策と組み合わせて、補助的に利用することによって、髪の栄養補給や頭皮の環境改善に繋がり、薄毛を治す効果を高めることが期待できます。
毛髪の成長に必要な栄養素
栄養素の中にも、「薄毛治療に効果が期待できるもの」「期待できないもの」に分かれます。
薄毛治療に効果が期待できる栄養素がこちらです。
- 良質なたんぱく質
- 亜鉛(あえん)
- ビタミンC
- ビタミンB群
良質なたんぱく質
髪の毛の約80%はたんぱく質(ケラチン)でできています。
そしてタンパク質は、人間が体内で生成できない必須アミノ酸からも構成されているため、食事やサプリメントなどからこまめに摂る必要があります。
また、必須アミノ酸の1種であるL-リジンは、海外の研究結果において、フィナステリドやミノキシジルの効果を高めるとの報告もあります。
亜鉛(あえん)
ミネラルの1種である亜鉛は、摂取したたんぱく質から、髪の生成を助ける働きがあると言われています。
また英国の研究結果においては、亜鉛がAGAを促す原因となる5αリダクターゼを減らし、脱毛を促す男性ホルモンを抑える可能性が示唆されています。
亜鉛に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンという繊維状のたんぱく質生成に重要や役割を担い、頭皮環境の改善が期待できます。
またクエン酸の作用を高めることで、亜鉛の吸収を助ける働きも期待できます。
ビタミンB群
たんぱく質の代謝にかかわり、皮膚や粘膜の健康を維持する作用もあります。
特に、ビオチン(ビタミンB7)はたんぱく質の生成に重要な役割を果たすと言われています。
食生活はどのように気をつければいいのか?
これらの栄養素をやみくもに摂取すればいいというわけではありません。
ここでは気をつけるべき食生活のポイントを3点お伝えします。
主菜からたんぱく質とビタミンB2、B6を摂ろう
髪の成長に必要な良質なたんぱく質は、肉や魚、卵、乳製品、大豆製品に多く含まれます。
これらの食材には、ビタミンB群が豊富です。
食材量の目安はこちらを参考にしてください。
たんぱく質補給に必要な1食あたりの食材量 | |
肉や魚 | 75~80g(片手の平に乗るくらい) |
卵 | 1個 |
豆腐 | 1/3丁 |
納豆 | 1パック |
牛乳や乳製品は上の食材にプラスして摂りましょう。
亜鉛を摂って髪の成長を促進させよう
30~69歳の男性に必要な亜鉛は1日10㎎です。
偏食や加工食品に頼った食生活は、亜鉛が不足しやすくなります。
【亜鉛が多い食品】
- 豚レバー
- 牡蠣
- 納豆
- ししゃもやわかさぎ
- 卵
- ごま
亜鉛の吸収を助けるビタミンC
亜鉛は吸収が良くない栄養素です。
ビタミンCと一緒に摂ることで、吸収が良くなります。
ビタミンCが多い食品は?
1日に必要なビタミンCは100㎎です。
果物や野菜に多く含まれます。
赤ピーマン | 大1/2個 |
じゃがいも | 約1個 |
みかん | 約1個 |
いちご | 約6粒 |
このように、足りない部分を補ったり吸収を助けたりと、栄養素がそれぞれの役割を果たしています。
偏らないように気を付けて、食生活を改善させましょう。
薄毛対策とサプリメントに関するよくある質問
最後に、薄毛対策とサプリメントに関するよくある質問をまとめておきます。
ここで回答するのは以下の3つです。
- 薄毛対策にサプリメントは効果がある?
- 髪の毛に必要な栄養素は何がある?
- 食生活では何に気をつけたらいい?
それぞれ解説します。
薄毛対策にサプリメントは効果がある?
サプリメントを摂取することで、薄毛対策が万全!!ということはありません。
しかし適切な栄養を摂取することで、頭皮環境の改善は期待できます。
髪の毛に必要な栄養素は何がある?
薄毛治療に効果が期待できる栄養素がこちらです。
- 良質なたんぱく質
- 亜鉛(あえん)
- ビタミンC
- ビタミンB群
サプリメントを摂取する場合は、上記の栄養素が含まれているかどうかを確認し摂取しましょう。
食生活では何に気をつけたらいい?
頭皮環境に良い影響を与える栄養素を日々の食事で摂取するためには、以下の3点に気をつける必要があります。
- 主菜からたんぱく質とビタミンB2、B6を摂取する
- 亜鉛を摂って髪の成長を促進させる
- 亜鉛の吸収を助けるビタミンCを意識して摂取する
闇雲に栄養素を摂取すれば良いというものではありませんので、上記のポイントを意識した上で最適な栄養素を取り入れていきましょう。