【薬剤師監修】亜鉛を多く含む食品トップ3!食べるときの注意点も徹底解説
「亜鉛は髪に良い」というのは、多くの男性がご存知でしょう。
ただ、「摂取したい」と考えてもどういった食品に多く含まれているのか、知らない方も多いはず。
そこで、この記事では亜鉛を多く含む食品のトップ3と注意点を解説します。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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亜鉛が多く含まれている食品
亜鉛は髪に良い影響を与える成分に間違いはありません。
亜鉛は食品により「多く含まれている食品」と「あまり含まれていない食品」で差が大きい成分でもあります。
そこで、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」から100gあたりに亜鉛が多く含まれている食品を紹介します。
「サプリではなく食事から摂取したい」という方はぜひ参考にしてください。
肉類
肉類は全体的に亜鉛が多く含まれています。
例えば、輸入牛肉のリブロースは100gあたりに含まれている亜鉛の量は6.3mgです。
髪の主成分となるタンパク質も豊富に含まれているため、日頃からしっかりと摂取することをおすすめします。
魚類
煮干しだけじゃなく、魚類も亜鉛が豊富です。
例を挙げると、さば節には100gあたり8.4mgの亜鉛が含まれています。
さば節は、しっかり乾燥されており濃縮されているため多く感じますが、焼き魚などの場合は1.0mg前後になるので注意してください。
豆類
豆類も亜鉛が豊富です。
特に多いのが「大豆はいが」で、100gあたり6mgです。
ほかにも、湯葉などにも多く含まれています。
牡蠣(生)
牡蠣(生)の亜鉛含有量は14.5mgです(参考:食品成分データベース)。
燻製・缶詰などの加工品はさらに亜鉛含有量が多く、食品成分データベースによると25.4mg。
オイスターバーなど牡蠣がプチブームになっている昨今、亜鉛を摂取する目的で牡蠣を食事に組み込むのもおすすめです。
ただし、食べ過ぎると逆に亜鉛を過剰摂取してしまう恐れもあるので注意してください。
煮干し(カタクチイワシ)
煮干し(カタクチイワシ)の亜鉛含有量は7.2mgです(参考:食品成分データベース)。
他にも、いかなご、うなぎ、ししゃも、わかさぎなども亜鉛の含有量が多いです。
レバー
レバーの亜鉛含有量は6.9mgです(参考:食品成分データベース)。
ビタミンA、ビタミンB2など、「健康に良い」「髪に良い」とされる栄養素も多く含まれています。
こちらも食べすぎると不調の原因になりますし、十分に火が通っていないレバーを食べるとE型肝炎、サルモネラ、カンピロバクター、寄生虫など食中毒の危険性があります。
レバーの他にも肩ロースや牛肉なども亜鉛の含有量が多いです。
亜鉛が多く含まれている食材を使った料理メニュー
亜鉛を摂取するなら、できれば美味しく取り入れたいですよね。
ここでは亜鉛が多く含まれている食材を使った料理メニューを3つ紹介します。
- 牡蠣ポンバター
- レバニラ炒め
- 煮干しの甘辛佃煮
どれも簡単なので、ぜひ試してみてください。
牡蠣ポンバター
最も亜鉛が多く含まれている食材である「牡蠣」を使った料理です。
レシピは非常に簡単です。
- 牡蠣に片栗粉をまぶす
- バターを敷いたフライパンで2〜3分焼く
- ポン酢をかける
お好みで炒めたもやしを盛り付けたり、青ネギやパセリなどを添えたりしてみてください。
レバニラ炒め
レバニラ炒めは下処理さえ済ませれば簡単です。
- レバーを30分間牛乳に浸す
- 取り出してから片栗粉をまぶし、1分間揚げ焼きして取り出す
- 熱したフライパンににんにく、生姜を入れてもやしとニラを炒める
- レバーを戻し入れて酒、醤油、オイスターソース等で味付けする
下準備は必要ですが、ニラは亜鉛の吸収率を高めるとされるビタミンCが豊富に含まれています。
煮干しの甘辛佃煮
煮干しの甘辛佃煮はおつまみに最適です。
- フライパンに煮干しを入れて中火で乾煎りする
- カリカリになったら取り出す
- フライパンに醤油、みりん、砂糖を入れて混ぜ合わし、煮干しを戻す
- タレが絡むように煮詰める
白ごまを混ぜると完成です。
乾煎りする時間はかかりますが、混ぜ合わせるだけなので手間はほとんどかかりません。
「亜鉛を摂れば髪が増える」は本当?
結論から言えば、「亜鉛をたくさん摂ったから」といって髪が生えてくるわけではありません。
AGA最大の原因は「男性ホルモン」であるため、亜鉛を摂取してもその部分が改善されるわけではないのです。
しかし、「髪に良い影響を与える」というのは事実であり、最近では抜け毛の予防にもつながる可能性がある、と示唆されています。
まずは、それらを具体的に解説していきましょう。
髪の毛の生成を助ける働きがある
亜鉛は摂取したたんぱく質から、髪の生成を助ける働きがあると言われています。
そもそも髪の毛はほとんどが「ケラチン」でできているのですが、このケラチンはたんぱく質が変化したものです。
食事などで体内に取り込まれたたんぱく質が分解されアミノ酸に変化し、再結合することによってケラチンになります。
この「再結合してケラチンを作り出す」際に必要とされるのが亜鉛なのです。
植物もたっぷり水を与えられたとしても日光が当たらないと光合成ができず、大きく育ちませんよね。
それと同じでせっかく「髪の毛の素」となるたんぱく質を十分に摂取できていても、亜鉛が不足していればあまり意味がないのです。
AGAの原因である脱毛を促す酵素の働きを抑える可能性がある
AGAは、テストステロンに「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素が結びついて発症します。
5αリダクターゼが結び付くと、テストステロンは「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換されます。
このDHTが男性ホルモンレセプターと結合すると脱毛因子のTGF-βや脱毛タンパクのDKK1が増加するのですが、これがAGAの原因とされているのです。
英国の研究結果においては、亜鉛がこの「5αリダクターゼ」を減らし、脱毛を促す男性ホルモンを抑える可能性が示唆されています。
亜鉛を多く含む食品を摂る際の注意点
牡蠣や煮干し、レバーなどは非常に多くの亜鉛が含まれていますが、それらを食べる際には注意点もあります。
これらの注意点を把握しておかないと効果が薄れてしまう恐れもあるので気を付けてください。
亜鉛中毒に注意
亜鉛を摂取しすぎると亜鉛中毒を引き起こし、貧血などの症状に見舞われる危険性があります。
ただ、通常の食事で亜鉛中毒になる可能性は極めて低いと考えてください。
サプリメントなどで大量に亜鉛を摂取した場合は注意が必要でしょう。
1日の目安はこちらの記事で解説しています。
亜鉛を摂ったからといって髪が増えるわけではない
冒頭でもお伝えしましたが、亜鉛はAGA最大の原因である「男性ホルモン」に直接作用するものではありません。
英国の研究で「5αリダクターゼを抑制する可能性がある」と言われていますが、あくまで「可能性」です。
AGA・薄毛を改善する場合、医師による診断のもと外用や内服などの治療をおすすめします。
治療方法についてはこちらの記事をご覧ください。
バランスの良い食事が大事
「髪に良いから」と食生活が偏ると、かえって頭皮に悪影響を与えてしまいます。
たとえば、いくら亜鉛を摂取しても、髪の素となる「たんぱく質」を取り込まないと意味はほとんどありません。
また、中にはサプリメントを食事の代わりにしようとする方もいますが、あくまで「健康補助食品」です。
バランスが取れた食生活を心がけ、足りない部分はサプリメントで補給する、という考え方を忘れないでください。
サプリメントについてはこちらの記事でまとめています。