【薬剤師監修】ミノキシジル15%配合、話題のフォリックスとは?
AGA治療薬として最近話題になっているのが、ミノキシジル15%配合の「フォリックス」です。
しかし、「ミノキシジルが多く配合されている」「クリニックを受診しなくても、個人輸入の代行サイトから入手できる」という点にばかり目が行き、副作用や入手方法などのリスクを把握できていない方も多いです。
そこで、この記事ではそんなフォリックスの効果や注意点などを解説します。
この記事の監修者
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薬局薬剤師としてAGAや頭皮湿疹などの調剤や服薬支援を多数経験
自分自身も薄毛に悩んだ経験から、髪や頭皮の悩みを抱える方に科学的根拠に基づいた予防や治療を提供したいという思いでAGAアプリHIXを開発
AGAアプリHIXを運営する㈱エムボックスの代表取締役
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フォリックスとは
フォリックスとは、高濃度のミノキシジルを配合した海外のAGA治療薬です。
公式サイトによると、このように紹介されています。
フォリックスは、これまでの脱毛症治療で用いられてきた投薬療法に、近年科学に基づき開発された療法を組み合わせた治療薬です。多角的かつ効率的なアプローチで、育毛・発毛へと導きます。
引用:フォリックス
フォリックスにはさまざまなシリーズがあります。
- FOLLICS FR02〈男女兼用〉
- FOLLICS FR05〈男性専用〉
- FOLLICS FR07〈男性専用〉
- FOLLICS FR012〈男性専用〉
- FOLLICS FR015〈男性専用〉
- FOLLICS FR016〈男性専用〉
「02」「15」といった数字は配合されているミノキシジルの濃度を意味し、「02」なら2%で「15」なら15%です。
高いミノキシジル濃度
15%、16%など、フォリックスはミノキシジルの濃度が非常に高い治療薬です。
基本的に国内においては、5%濃度のミノキシジル外用薬しか認められていません。
そのため、高い濃度のミノキシジル外用薬を求めている人にとっては試してみる価値があるでしょう。
しかし、ミノキシジル濃度が10%を超えても5%のものと効果が変わらない、といったデータもあります。
詳しい効果に関してはこちらをご覧ください。
国内未承認薬
フォリックスは国内未承認薬です。
手に入れるためにはフォリックスを扱ってるAGAクリニックを受診して処方してもらうか、もしくは個人輸入代行サイトから個人で購入しましょう。
調べたところ、サイトなどで「フォリックスを取り扱っている」というAGAクリニックは見つからなかったため、最寄りのクリニックに直接確認するのがおすすめです。
後者は非常にリスクが高い行為だと考えてください。
たとえば、個人輸入などで手に入れた海外の商品は「医薬品副作用被害救済制度」が使えず、副作用が発生しても自己責任となります。
また、商品自体が偽物である可能性や、説明文書が理解できないなどのデメリットもあるわけです。
加えて、フォリックスの「FR015」「FR016」などはミノキシジル濃度が非常に高いため、「国内の外用薬より副作用に見舞われるリスクは高い」と言えるでしょう。
実際に、フォリックスの公式サイトでもこのように警告されています。
FR12、FR15、FR16に関しては、ミノキシジルの含有量が非常に多いため、心疾患のある方や降圧剤を服用中の方には推奨いたしません。
引用:フォリックス
使用するかどうかは、後述する「効果」と「副作用」のバランスを十分に把握してください。
以上のことから、HIXとしては、副作用リスクの管理や偽造品入手のリスクの観点から個人輸入は推奨していません。
これからAGA治療を開始しようと考えている場合は、まず国内のミノキシジル濃度5%のものからはじめましょう。
フォリックスの効果
フォリックスの効果でもっとも注目すべき点は、「高いミノキシジル濃度」でしょう。
ミノキシジルには2つの効果が期待できます。
- 毛包を活性化して新しい毛の発毛を促す
- 成長期に小さい毛包を大きく成長させ髪の成長を促す
AGAは、男性ホルモンであるテストステロンが「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素の作用で、抜け毛を促す「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換することが原因とされています。
DHTの作用によって毛が成長する前に抜けてしまい、ヘアサイクルが乱れてしまうのです。
ミノキシジルは新しい毛が生えるのを促進させ、成長を促すことで、乱れたヘアサイクルを正常化させるわけです。
ミノキシジル外用については、科学的な根拠に基づいてAGA治療の方針をまとめた「AGAガイドライン」において推奨度「A:行うよう強く勧める」とされています。
ミノキシジルの外用薬については下の記事でまとめているので、ぜひ参考にしてください。
ここからはミノキシジル濃度別にフォリックスの効果を説明します。
2%、5%の場合
2%と5%はFDAでも認可があり、研究もさかんです。
国内においても、厚生労働省が認めるミノキシジルの最大濃度は5%です。
ただし、ミノキシジル濃度5%なら国内の商品を使ったほうがリスクが少ないため、フォリックスを選ぶメリットはほとんどないといえるでしょう。
7%以上の場合
7%以上の場合、FDAの認可がないためあまり研究されていません。
それどころか、10%と5%では有意差がないといったデータもあります。
After 36 weeks of therapy; 5% topical minoxidil (0.47 ± 0.26) (0.59 ± 0.64) was significantly superior to 10% topical minoxidil (0.05 ± 0.13) (0.45 ± 0.74) and placebo (0.01 ± 0.05) (-0.03 ± 0.08) in terms of change from baseline in total vertex and frontal hair mean count respectively.
出典:NIH
翻訳すると、以下のとおりです。
36週間の治療後、5%ミノキシジル外用薬(0.47 ± 0.26)(0.59 ± 0.64)は、10%ミノキシジル外用薬(0.05 ± 0.13)(0.45 ± 0.74) およびプラセボ(0.01 ± 0.05)(-0.03 ± 0.08) に対してそれぞれ、全頂点および前髪平均数における基準からの変化で著しく優れていました。
以上の化学的観点から、7.5%程度までは効果が期待できる可能性もありますが、10%以上は意味がないと考えられるでしょう。
日本や海外で認可されているミノキシジル濃度が「5%である」という点も、この結論を裏付けるものであるといえます。
フォリックスの副作用
フォリックスは高いミノキシジル濃度が特徴的な治療薬ですが、一方で副作用も無視できません。
一般的に、ミノキシジルはこのような副作用を引き起こす可能性があるとされています。
かゆみ、紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛など
一方、フォリックスの公式サイトにはこのように記述されています。
男性の方に外用としてご使用いただく限り、ほとんどの場合副作用の心配はございません。FOLLICS製品は頭皮・毛包といった局部で多くが吸収され、血管まで届く量が非常に少ないためです。臨床試験においても、製品を使用した方の大半に副作用は確認されておりません。
引用:フォリックス
心疾患や降圧剤を使用している方を除けば、副作用に怯える必要はない、としています。
しかし、上でも説明したようにフォリックスは国内において治療薬として承認されていません。
「ほとんどの場合副作用の心配はない」ということは、「副作用を引き起こす可能性はゼロではない」ということでもあります。
これらの点をしっかり把握しておきましょう。
まとめ
フォリックスについてまとめます。
- フォリックスは高いミノキシジル濃度が特徴的な治療薬
- しかし、国内においては未承認薬
- 手に入れるには処方箋を出してもらい、通販サイトや個人輸入に頼るしかない
- 通販サイトや個人輸入は非常にリスクが高い
- まずは国内のミノキシジル外用薬を試すのがおすすめ