【薬剤師監修】薄毛はパーマではげる?AGAとの関係性と当てる際のコツ・注意点を解説
パーマをかけると印象ががらっと変わるため、場合によっては薄毛を上手に隠すことができます。
ただ、「パーマをかけるとハゲるのでは」と不安になる方もいるでしょう。
本記事では薬剤師監修のもと、以下の点を解説します。
- パーマをするとハゲるのかどうか
- 薄毛の人がパーマをかけるメリット
- パーマをかけない方がいい人の特徴
記事の後半では薄毛でパーマをかける際の注意点も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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薄毛でもパーマして大丈夫?ハゲる?
薄毛の方の中には「パーマをかけるとはげるんじゃないか」と不安に思う方もいるでしょう。
結論から言えば、パーマが原因でハゲることはありません。
パーマが原因でハゲることはない
なぜパーマが原因でハゲることはないのかというと、いわゆる「ハゲ」の多くはAGAが原因だからです。
AGAは男性ホルモンが最大の原因であるため、パーマによって髪がダメージを受けたとしても薄毛になることはありません。
詳しく説明すると、男性ホルモンの一つであるDHT(ジヒドロテストステロン)が脱毛タンパク質「DKK1」や脱毛因子「TGF-β」を生成し、それが髪にダメージを与えるのです。
DHTはこの図にあるとおり、「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素がテストステロンを変化させて生み出されます。
この「テストステロンが5αリダクターゼの働きによってDHTに変化する」という流れは、パーマと関係がありません。
したがって、薄毛の人がパーマをかけてもAGAによってハゲることはないといえます。
薄毛の人がパーマをかけるメリット
パーマをかけることにはいくつかメリットがあります。
おもなメリットは以下の2つです。
- 髪の毛全体がボリュームアップして見える
- 毎朝の髪の毛のセットが不要になる
髪の毛全体がボリュームアップして見える
パーマをかけることによって、髪の毛全体がボリュームアップして見えます。
基本的に、髪が細い人や少ない人はいわゆる「ぺちゃんこ」になりやすく、より薄毛が目立ってしまいます。
しかし、パーマをかけることで髪に動きがつき、1本の髪が他人からすると2、3本あるように見えるのです。
あまりにも薄毛が進行しすぎている人には逆効果なので注意してください。
進行度は下の記事でまとめています。
毎朝の髪の毛のセットが不要になる
パーマをかければ、髪の毛のセットが不要になります。
すでに動きがついているため、手を加える必要がないのです。
さらに、パーマをかけることで頭皮を清潔に保つことができます。
いつも整髪料を付けてセットしている場合、頭皮にダメージを与えてしまっている可能性があります。
整髪料は洗い残しとなって汚れが溜まったり、毛穴を塞いで髪の成長を妨げたりしてしまいかねません。
パーマをかけることで手間が省けるうえに、整髪料のデメリットを抑えられるわけです。
パーマをかけない方がいい人の特徴
すべての方にパーマのメリットがあるわけではありません。
むしろ、以下の特徴に当てはまる方はパーマをかけないほうが良いでしょう。
- 頭皮に炎症が起きている
- 頭皮にかゆみがある
- 抜け毛の量が多い
頭皮に炎症が起きている
頭皮に炎症が起きている場合、パーマは控えましょう。
より炎症が悪化してしまう恐れがあります。
炎症は一度発症すると、しっかり治療しない限りなかなか治りません。
パーマをかけることで治りにくくなるどころか、脂漏性脱毛症等につながる恐れがあるので注意してください。
以下の特徴に当てはまった場合、炎症が起きている可能性が高いです。
- 頭皮が赤い
- 大量にフケが出る
- 頭皮がヒリヒリする、など
詳しくは下の記事をご覧ください。
頭皮にかゆみがある
頭皮にかゆみがあるのは、頭皮環境が悪化している証拠です。
たとえば、頭皮湿疹等ができた場合、頭皮が常にかゆかったり違和感を覚えたりしてしまうのです。
頭皮湿疹ができる原因の一つは「マラセチア」と呼ばれる常在菌にあります。
皮脂の過剰分泌等が原因でマラセチアが異常繁殖すると、頭皮に湿疹ができてかゆくなってしまうことがあるのです。
こちらも治療しない限り、なかなか治りません。
頭皮湿疹の原因や治療方法等は下の記事でまとめています。
抜け毛の量が多い
抜け毛の量が多い場合、パーマをかけても髪のボリュームが増えないどころか薄毛が目立ってしまいます。
まずはしっかり抜け毛対策するのが大事です。
抜け毛対策するうえで大事なのが「量」より「質」です。
質に注目することで、「何が原因で抜け毛が増えているのか」の目星をつけることができます。
詳しくは下の記事をご覧ください。
薄毛でパーマを当てる際の注意点
パーマはAGAを進行させるものではありませんが、薄毛の方にとってリスクがあるということは上で説明したとおりです。
リスクを最小限に留めるためにも、ここで紹介する注意点はしっかり把握しておいてください。
かけすぎには注意
パーマをかけすぎると頭皮・髪にダメージが蓄積され、炎症を引き起こす可能性が高まります。
AGAを悪化させるものではないとはいえ、場合によってはヘアサイクルが悪化し、一時的に抜け毛が急増してしまう恐れもあるので気を付けてください。
パーマ以外にも、カラーリングやブリーチなども控えるのが賢明です。
これらもパーマ剤と同じように強いアルカリ性なので、髪や頭皮に対して良くない影響を及ぼしてしまいます。
パーマをかけてから1週間程度は、ケアに徹するのがおすすめです。
頭皮にやさしいパーマ剤にする
美容師に相談して頭皮にやさしいパーマ剤を使ってもらいましょう。
基本的に、パーマ剤は大きく分けて2種類あります。
- シス系:パーマが強くない一方、頭皮にやさしい
- チオ系:強いパーマがかかる一方、頭皮に負荷がかかる
頭皮にダメージを与えたくない場合は、シス系のパーマ剤を選ぶのがおすすめです。
ただ、髪質によってはなかなかパーマがかからない場合もあるので、しっかり美容師に相談するのが大事です。
自分の頭皮状態を把握しておく
頭皮状態が悪ければ、パーマをかけるべきではありません。
たとえば、頭皮に怪我をしていたりすでに炎症・湿疹を起こしていたりする場合は極力控えましょう。
ただ、人によっては「自分の頭皮がどのような状態なのかわからない」という方もいますよね。
そんな方におすすめなのがAGA管理アプリのHIXです。
HIXを使えば写真を撮影して送信するだけで、AI・プロの毛髪診断士が自分の頭皮状態を分析してくれます。
詳しい使い方や使用感などはこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
一部分だけポイントでかける
パーマをかける面積が少なければ、それだけダメージを受ける部分も少なくなります。
ポイントでパーマをかける部分としておすすめなのが、前髪(生え際)や頭頂部です。
AGAがそこまで進行していない方は前髪にパーマをかけることで、生え際を上手にごまかせる可能性があります。
生え際部分が後退している場合は、頭頂部にポイントでパーマをかけるのがおすすめです。
その際はサイドとえりあしを切りそろえて、いわゆる「ソフトモヒカン」風にすると薄毛もごまかせますしおしゃれな雰囲気も出せますよ。
パーマをかけたあとはしっかりとケアする
パーマをかけたあとは、アミノ酸系のシャンプーでやさしくヘアケアするのがおすすめです。
頭皮が敏感になっていることが多いため、洗浄力の強いシャンプーを使ってしまうとダメージがさらに大きくなりかねません。
そもそも頭皮の汚れは40度以上のお湯である程度洗い流せるため、シャンプーは洗浄力よりも保湿力を重視するのがおすすめです。
シャンプーでヘアケアしたあとはしっかりと洗い流し、すぐにドライヤーで乾かしましょう。
ドライヤーは髪からできる限り離すようにしてください。
近すぎると頭皮が乾燥しやすくなり、ダメージを与えてしまいます。
詳しいヘアケア方法は下の記事で解説しています。
まとめ
パーマについてまとめます。
- パーマでハゲることはない
- その理由は、ハゲのもっとも大きな原因はAGAであり、AGAと髪のダメージは関係がないから
- AGAの原因はDHTという男性ホルモン
- むしろ、パーマをかけることによってボリュームを増やせる等のメリットがある
- ただし、頭皮環境が悪化している人はパーマNG
パーマをかけてもハゲることはありませんが、逆にいうとパーマをかけなくてもハゲる可能性があります。
AGAは男性なら誰もが発症する可能性がある脱毛症です。
詳しくは下の記事をご覧ください。