【薬剤師監修】帽子ははげる?「頭皮に良くないかぶり方」とかぶり方のコツを解説
帽子をかぶり続けていると「髪に栄養が届かずはげるんじゃないか」と不安になる方も多いですよね。
結論から言えば、帽子をかぶってもはげ(AGA)になるわけではありませんが、頭皮環境を悪化させた結果、抜け毛の原因になることはあります。
この記事では、帽子とはげの関係性について紹介し、おすすめのかぶり方を解説します。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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「帽子をかぶるとはげる」は嘘!
はげ(AGA)の原因と帽子は関係ありません。
「帽子をかぶるとはげる」という情報は、鵜呑みにしないようにしましょう。
はげ最大の原因は男性ホルモン
はげ、つまりAGA最大の原因は男性ホルモンにあります。
具体的に言うと、男性ホルモンであるテストステロンが抜け毛作用のあるDHT(ジヒドロテストステロン)に変わることで進行していくのです。
この「テストステロンをDHTに変える」のは、「5αリダクターゼ」と呼ばれる作用の働きであるとされています。
帽子をかぶらなくても「5αリダクターゼ」の量が多ければAGAになりやすいですし、帽子をかぶる人でも量が少なければAGAになるとは限りません。
このように、「帽子をかぶる・かぶらない」は「はげる・はげない」と直接的な関わりがないので安心してください。
遺伝的な要因もある
AGAには遺伝的な要因もあることが、最近の研究でわかりつつあります。
DHTは、毛乳頭の中に存在する「アンドロゲンレセプター」と結びつくことで抜け毛を促します。
「アンドロゲンレセプターの感度を高くする遺伝子」は女性にあるX染色体から受け継がれるため、母方の祖父母にこの遺伝子がある場合は「AGAになりやすい」と言えるのです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ただし、抜け毛などの原因にはなる可能性も
以上のことから、「帽子はAGAを発症・進行させるものではない」とわかります。
しかし、はげの原因にはならなくても、一時的な抜け毛や薄毛の原因になる可能性があるので注意してください。
これらはAGAと関係がないものの、帽子のかぶり方を見直す必要があります。
なお、「AGAかどうか」はセルフチェックで調べることも可能です。
「セルフチェックしてもよくわからない」という場合は、AGA管理アプリであるHIXを使って分析してみましょう。
HIXを使えば、AI・毛髪診断士が無料で自分の薄毛状態をチェックしてくれますよ。
帽子には頭皮環境を守る効果もある
帽子はハゲないどころか、頭皮環境を守る効果もあります。
ここでは以下2つの効果について解説します。
- 紫外線から頭皮を守れる
- 乾燥から頭皮を守れる
紫外線から頭皮を守れる
紫外線は頭皮にさまざまな悪影響を及ぼしますが、帽子をかぶることで最小限に抑えることができます。
具体的には、次のような影響を未然に防げるのです。
- 光老化
- 乾燥
- 脱色
- 髪へのダメージ
特に、UVカットの加工が施されている帽子がおすすめです。
紫外線が頭皮や髪に与える影響に関しては、下の記事をご覧ください。
【毛髪診断士監修】紫外線が頭皮に及ぼす4つの悪影響!対策や治療法も解説
乾燥から頭皮を守れる
乾燥は頭皮環境を悪化させる原因の一つです。
帽子を被ることで頭皮が空気と触れなくなるので、乾燥の予防につながります。
ただし、「乾燥を防止したいから」といってかぶりつづけるのは良くありません。
こまめに脱がなければ汗で蒸れてしまい、逆効果になります。
頭皮が乾燥する原因・改善方法については下の記事をご覧ください。
頭皮環境に良くない帽子の被り方
「AGAじゃないけど、抜け毛や薄毛が気になる」という方は、頭皮環境に良くない帽子のかぶり方をしている可能性があります。
ここでは要注意な帽子のかぶり方をいくつか紹介します。
頭皮がムレたまま帽子をかぶり続ける
頭皮の環境が悪ければ、AGAの原因にはならないにせよ健康な髪が育ちません。
田んぼの状態が悪ければおいしい作物が育たないように、頭皮環境は髪の健康にとって重要な役割を果たしているのです。
たとえば、こういった状態なら「頭皮環境が良くない」と言えます。
- 赤くなっている
- かゆい
- 大きなフケが大量に出る
- 常にカサカサしている
- 逆に、頭皮がベタベタしている
これらの状態で帽子をかぶり続けると、頭皮環境のさらなる悪化を招いてしまいかねません。
まずはシャンプーを見直したり丁寧にヘアケアをおこなったりして、頭皮環境の改善に努めましょう。
帽子の締め付けがキツすぎる
ヘルメットなど、痛いくらい締め上げている場合も注意してください。
頭皮の血流が悪くなり、十分な栄養が髪に届かなくなっている可能性があります。
帽子が頭皮と密着していると通気性も悪くなるので、きつくしすぎないように調整しましょう。
帽子が汚れている、清潔ではない
帽子が汚れていたり清潔でなかったりすると、頭皮にも悪影響を与えてしまいます。
帽子も服と同じで、使えば使うほど汚れますし雑菌・ばい菌が繁殖しやすくなるので注意してください。
定期的にお風呂場などで洗浄し、清潔に保つようにしましょう。
はげるのを予防する帽子のかぶり方
帽子のかぶり方を見直すと、頭皮環境が改善される可能性もあります。
定期的に帽子をかぶる方は、こちらで紹介する方法を実践してみてください。
帽子をかぶったあとはヘアケア
帽子を被ると頭皮の汗が増えるため、雑菌などが繁殖しやすくなります。
そのまま放置していると頭皮環境の悪化を招きかねないので、帽子をかぶったあとはできるだけ早めにヘアケアしてください。
時間がない場合は、40度前後のぬるま湯で髪を注ぐだけでも構いません。
頭皮の汚れや余計な油脂は、40度前後のお湯で流れ落ちるからです。
こまめに帽子を脱ぐ
できれば1時間に1回程度、帽子を脱ぎましょう。
帽子をかぶりっぱなしにしていると、頭皮がムレやすくなってしまいます。
この場合、帽子は清潔な場所に置き、殺菌スプレーなどをかけて10分程度乾かしてください。
通気性が良い帽子に変える
帽子自体を通気性のあるものに変える、というのもおすすめです。
たとえば、ナイキのベースボールキャップはアイレット(穴)が空けられており、シンプルかつ通気性が高いです。
他にも、ヘルメットをかぶるときなどは「インナー帽子」を着用するのもおすすめします。
ヘルメットと頭皮の間に隙間ができるので通気性が良くなり、ムレの改善につながります。
帽子自体を清潔に保つ
帽子は服と違って付着した汚れや油脂などが見えにくいです。
しかし、体と密着しているわけですから、見えていないようで汚れていることがほとんどです。
放置すると臭いが発生する原因にもなるので、できればしっかりと洗いましょう。
帽子は洗濯機でも洗えますが、洗濯表示や「色落ちしないかどうか」をあらかじめ確認してください。
はげるのが気になるならAGA治療をはじめよう
帽子ははげるのか、についてまとめます。
- 帽子はAGA(はげ)の原因にならない
- なぜなら、AGAは男性ホルモンや遺伝が原因だから
- しかし、一時的な抜け毛の原因になる可能性はある
- AGAなのか一時的な抜け毛なのかはセルフチェックやHIXを使う
- 帽子は1時間に1回程度脱ぎ、洗濯する
帽子を綺麗にしたり丁寧にヘアケアしたりしても抜け毛が収まらない場合、AGAの可能性があります。
AGAは治療しない限り進行が止まらないので、早めに医療機関やクリニックの受診をおすすめします。
帽子とハゲに関するよくある質問
帽子とハゲに関するよくある質問を集めました。
ここでは以下3つの質問に回答します。
- 薄毛の人が帽子をかぶっても大丈夫?
- 女性の場合でも帽子で薄毛になることはないの?
- 薄毛に効果的な帽子はある?
ぜひ最後までご覧ください。
薄毛の人が帽子をかぶっても大丈夫?
問題ありません。
帽子をかぶってもAGAが進行するわけではないので安心してください。
AGAの原因は悪玉の男性ホルモンであるDHTです。
帽子をかぶらなくてもDHTは産生されますし、かぶってもDHTが生まれなければAGAになりません。
ただし、かぶりすぎると頭皮環境の悪化を招き、一時的に抜け毛が増える恐れがあります。
こまめに脱いで頭皮をケアしましょう。
女性の場合でも帽子で薄毛になることはないの?
女性でも頭皮環境の悪化以外で、帽子によって薄毛になることはありません。
女性の薄毛はホルモンバランスの乱れなどで起きるとされているからです。
もっとも、女性の薄毛であるFAGA、FPHLは男性の薄毛と原因や治療方法が異なります。
例えば、AGAはフィナステリドやデュタステリドの服用で高い改善効果が期待できますが、女性には有効性が認められていないのです。
また、ミノキシジル発毛剤も濃度が5%のものは使えません。
誤った治療方法を選択してしまうと、逆効果になる恐れがあります。
詳しくは下の記事をご覧ください。
薄毛に効果的な帽子はある?
科学的に効果が認められた帽子はありません。
AGAによる薄毛の場合、科学的に効果が認められた利用をはじめない限りどんどん悪化してしまいます。
最終的には髪の大部分が失われてしまいかねません。
基本的に毛根は再生しないため、AGAが進行する前に治療をはじめるのが大事です。
AGA治療に関しては下の記事をご覧ください。