【薬剤師監修】アボルブとザガーロの違い|AGA治療ならザガーロを選ぶべきな理由
デュタステリドは「AGAガイドライン」において、治療の推奨度A(行うよう強く勧める)とされています。
そんなデュタステリドを主成分とした薬には、「アボルブ」と「ザガーロ」が存在します。
これらは同じデュタステリドの薬ですが、国内においては適応する病気が明確に分けられているので注意してください。
この記事では、アボルブとザガーロを比較し「AGA治療においてはザガーロを使うべき」な理由を説明します。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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アボルブとザガーロについて
まず、アボルブとザガーロそれぞれの薬について簡単に紹介します。
どちらもグラクソ・スミスクライン社が販売しており、主成分も同じデュタステリドですが、効果(適応症)の点において違いがあります。
アボルブとは
アボルブとはデュタステリドを主成分とした薬で、国内においては前立腺肥大症の改善に使われています。
デュタステリドは「5αリダクターゼI型・II型」の働きを阻害するとして、AGA治療にも高い効果が期待できる成分であることは間違いありません。
しかし、アボルブはあくまで「前立腺肥大症の改善」に使われる薬であり、AGA治療としての適応は認められていないので注意してください。
ザガーロとは
ザガーロはアボルブと同じくデュタステリドを主成分とした薬で、国内においてはAGA治療として使われています。
同じく「5αリダクターゼI型・II型」を阻害する効果の薬ですが、こちらはAGA治療薬として承認されています。
2020年からはジェネリック剤の販売も開始されました。
アボルブとザガーロの違い
上で紹介したように、アボルブもザガーロも同じ主成分の薬です。
しかし、適応症が違うなど異なる点も多々あります。
こちらをご覧ください。
アボルブ | ザガーロ | |
主成分 | デュタステリド | デュタステリド |
販売元 | グラクソ・スミスクライン社 | グラクソ・スミスクライン社 |
作用 | 5αリダクターゼI型・II型の阻害 | 5αリダクターゼI型・II型の阻害 |
効果 | 前立腺肥大症の改善 | AGA(男性型脱毛症)の改善 |
規格 | 0.5mg | 0.1mg/0.5mg |
ジェネリック | デュタステリドAV | デュタステリドZA |
添加物 | ジブチルヒドロキシトルエン、中鎖モノ・ジグリセリド、ゼラチン、グリセリン、濃グリセリン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄 | ジブチルヒドロキシトルエン、中鎖モノ・ジグリセリド、ゼラチン、グリセリン、濃グリセリン、酸化チタン、三二酸化鉄、中鎖脂肪酸トリグリセリド、レシチン |
値段 | 30カプセル 7,800円 | 30カプセル 9,000円 |
AGA治療における承認 | 承認されていない | 承認されている |
こちらをもとに解説します。
成分・作用・効果
どちらもデュタステリドを主成分としていますが、添加物がやや違います。
ただ、どちらも体内に潜む「5αリダクターゼI型・II型」を阻害する働きがあるのは同じです。
5αリダクターゼI型はテストステロンを抜け毛作用のあるDHT(ジヒドロテストステロン)に変えてしまうので、デュタステリドはAGA治療薬として強く推奨されているわけです。
アボルブもザガーロも同じデュタステリドの薬ではありますが、それぞれ「前立腺肥大症の治療薬」「AGA治療薬」と適応が分けられています。
つまり、「アボルブはAGA治療薬として承認されていない」ため、AGA治療のためにアボルブを使った場合、自己責任となってしまうので注意してください。
値段
値段はアボルブのほうが安いです。
ただ、「安いから」といってAGA治療でアボルブを服用しようと考えるのはおすすめできません。
その理由は下で詳しく解説します。
なお、どちらもジェネリック剤が存在します。
リスク
発生する可能性のある副作用は同じです。
ただ、繰り返すように「アボルブはAGA治療薬として承認されていない」という点に注意してください。
つまり、アボルブをAGA治療の目的で使ったときに副作用が出てしまうと、「医薬品健康被害救済制度」を受けられないのです。
「医薬品健康被害救済制度」とは、医薬品を正しく服用したにも関わらず健康被害が生じてしまったときに、医療費や年金などの給付を受け取れる制度です。
AGA治療においては、ザガーロで副作用が出た場合はこの制度を受けられますが、アボルブで副作用が出た場合は受けられません。
たしかにアボルブのほうが安いですが、万が一、副作用が出てしまった場合に自己責任となり、かえってたくさんの医療費が必要になる恐れもあります。
アボルブとザガーロに関するよくある質問
最後に、アボルブとザガーロに関する3つのよくある質問に回答します。
- アボルブって何?
- ザガーロって何?
- アボルブとザガーロは何が違うの?
アボルブとザガーロ、両者の違いをしっかりと理解しましょう。
アボルブって何?
アボルブとはデュタステリドを主成分とした薬で、国内においては前立腺肥大症の改善に使われています。
アボルブはあくまで「前立腺肥大症の改善」に使われる薬であり、AGA治療としての適応は認められていないので注意が必要です。
ザガーロって何?
ザガーロはアボルブと同じくデュタステリドを主成分とした薬で、国内においてはAGA治療として使われています。
同じく「5αリダクターゼI型・II型」を阻害する効果の薬ですが、こちらはAGA治療薬として承認されています。
アボルブとザガーロは何が違うの?
アボルブとザガーロの違いをまとめてみましたのでぜひご覧ください。
アボルブ | ザガーロ | |
主成分 | デュタステリド | デュタステリド |
販売元 | グラクソ・スミスクライン社 | グラクソ・スミスクライン社 |
作用 | 5αリダクターゼI型・II型の阻害 | 5αリダクターゼI型・II型の阻害 |
効果 | 前立腺肥大症の改善 | AGA(男性型脱毛症)の改善 |
規格 | 0.5mg | 0.1mg/0.5mg |
ジェネリック | デュタステリドAV | デュタステリドZA |
添加物 | ジブチルヒドロキシトルエン、中鎖モノ・ジグリセリド、ゼラチン、グリセリン、濃グリセリン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄 | ジブチルヒドロキシトルエン、中鎖モノ・ジグリセリド、ゼラチン、グリセリン、濃グリセリン、酸化チタン、三二酸化鉄、中鎖脂肪酸トリグリセリド、レシチン |
値段 | 30カプセル 7,800円 | 30カプセル 9,000円 |
AGA治療における承認 | 承認されていない | 承認されている |
まとめ:AGA治療はザガーロ
アボルブとザガーロについてまとめます。
- アボルブとザガーロはどちらも同じデュタステリドの薬
- しかし、適応症が違う
- アボルブは前立腺肥大の改善
- ザガーロはAGAの改善
同じ成分ではありますが、アボルブはAGA治療薬として認められていないため、万が一の救済制度が受けられません。
このことから、「AGA治療はザガーロを使うべき」なのです。