【毛髪診断士監修】薄毛・AGAと運動不足は関係なし!?本当に効果のある対処法も解説

【毛髪診断士監修】薄毛・AGAと運動不足は関係なし!?本当に効果のある対処法も解説

リモートワークや在宅が増えた影響で、運動不足になっている男性は多いですよね。

運動不足になったことから「薄毛になってきたかも」と心配する方も少なくありません。

そこで、この記事では薄毛と運動の関係を明らかにし、おすすめの治療方法を紹介します。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師・医学修士
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。

【結論】薄毛(AGA)の進行と運動は関係ない

結論を言えば、薄毛(AGA)の進行と運動は関係ありません。

一方、運動不足になると一時的な薄毛につながる可能性はあります。

AGAは男性ホルモンが原因

「運動不足だから」といって、AGAが発症・進行するわけではありません。

なぜならAGAの主な原因は男性ホルモンだからです。

具体的に言うと、5αリダクターゼという酵素がテストステロンを脱毛タンパク・脱毛因子を放出するDHT(ジヒドロテストステロン)に変えることで発症します。

AGAのヘアサイクル

中には「運動するとテストステロンが増える。ってことは、逆にはげやすくなるの?」と考える男性もいますよね。

運動や筋トレで増加するのはテストステロンであって、DHTではありません。

運動してもしなくても、5αリダクターゼのはたらきが活発であればDHTを生み出しやすくなるわけです。

以上のことから、薄毛(AGA)の進行と運動は「なんの関係もない」と言えます。

一方で、運動不足は一時的に髪の成長を妨げてしまう可能性がある

一方、運動不足は一時的に髪の成長を妨げてしまう可能性があります。

どういうことかというと、代謝や血行が悪くなり、髪が十分に育ちにくくなるのです。

結果として、抜け毛が多くなってしまいかねないので注意してください。

さらに、「運動のしすぎ」も良くありません。

運動すると髪の生成において重要な役割を果たす「亜鉛」が失われやすくなるのです。

また、過度な運動も亜鉛不足をまねく事があります。

出典:奈良県医師会

亜鉛はタンパク質を髪の主成分である「ケラチン」に変化させるためのサポート的な役割を担っています。

過度な運動によって亜鉛不足になってしまえば、が十分に育たなくなってしまうわけです。

薄毛におすすめな運動は有酸素運動

上で見たとおり、薄毛(AGA)と運動にはなんの関係もありませんが、運動不足が続くと一時的に抜け毛が増える可能性があります。

抜け毛予防におすすめなのが「有酸素運動」です。

おすすめの理由は3つあります。

  • 代謝が良くなる
  • 血行が促進される
  • ホルモンバランスを保てる

それぞれ説明します。

代謝が良くなる

まず、有酸素運動をすると代謝が良くなるため、頭皮やヘアサイクルが正常に保たれやすくなります。

そもそも髪は「成長期」「退行期」「休止期」といった3つのサイクルを経て、「抜ける→生える→抜ける」を繰り返します。

ヘアサイクル

運動不足になると代謝が悪くなるため、ヘアサイクルが乱れて髪が十分に育たなくなる恐れがあるのです。

逆に考えれば、運動によって代謝が良くなるとヘアサイクルも乱れづらくなるため、強くて太い髪が生えやすくなるわけですね。

血行が促進される

有酸素運動すると血行が促進されて抜け毛予防につながります。

髪の生成に必要な栄養素は、血液によって運ばれるからです。

医療法人翠奏会の安田孝志先生もこのように解説しています。

血流が豊かなほど、毛母細胞が受け取る栄養は多くなります。逆に、血流が乏しいほど、毛母細胞が受け取る栄養は少なくなります。

出典:Dクリニック大阪メンズ

ホルモンバランスを保てる

有酸素運動するとホルモンバランスを保ちやすくなり、疲労回復の効果があることから育毛につながると言われています。

しかしそれ以上に、運動で汗をかくことによる爽快感や達成感が自律神経のバランス改善につながり、身体機能のコンディションが高まることによって育毛につながると考えられます。

出典:Dクリニック大阪メンズ

ここで大事なのは、あくまで「育毛である」という点です。

運動には発毛効果はありませんので注意してください。

薄毛対策は運動後のケアも大事

薄毛対策は運動後ののケアも大事です。

特におすすめなのが以下の2つです。

  • 早めに栄養補給する
  • 頭皮環境を清潔に保つ

どちらも詳しく解説します。

早めに栄養補給する

有酸素運動後は早めに栄養補給しましょう。

運動すると髪に必要な栄養素が失われやすいからです。

たとえば、髪の生成に必要な亜鉛は汗とともに体外へ流出します。

亜鉛は汗の中に多く含まれており、発汗量に比例して体外へ流出する量も増加します。また、運動強度が高くなるほど、亜鉛の体内消費量は増加する傾向にあります。

出典:グリコ

また、運動直後にタンパク質を摂取すると「通常時の3倍アミノ酸を吸収しやすい」とも言われています。

さらに、髪の維持に必要なビタミンBは疲労回復効果があることでも知られているのです。

栄養素に関しては、こちらの記事をご覧ください。

頭皮環境を清潔に保つ

有酸素運動後は頭皮環境を清潔に保ちましょう。

頭皮は汗をかきやすいからです。

汗まみれの状態で放置してしまうと、頭皮環境が悪くなり抜け毛が多くなる危険性もあります。

手軽にできて髪の毛にいい有酸素運動の方法

髪の毛にいいとされる有酸素運動の方法はいくつかあります。
そのなかでも、特におすすめなのが以下の3つです。

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • リングフィットアドベンチャー

それぞれ説明します。

ウォーキング

ウォーキングは髪だけじゃなく、健康に対してさまざまな効果があると知られています。
特に、抜け毛の増加につながりかねないストレスを軽減する効果があると報じられています。

歩行やウオーキングといった有酸素運動を続けることは、脳の血液中に快感ホルモンであるβエンドルフィン21の分泌を促す。その結果、α波の増大を引き起こし、精神的な緊張がとけて快感や心理的な健康をもたらすことが指摘されている。

出典:国土交通省|第1章 「歩く」効果・効用とそれを習慣化する方法の整理

ストレスを軽減しても、AGAが治るわけではありません。
ただ、ストレスは間接的に抜け毛の増加などを引き起こす恐れがあります。
ウォーキングを習慣づければストレスが軽減されるため、薄毛の予防につながる可能性があるのです。

ジョギング

ジョギングもウォーキングと同じ有酸素運動の一つですが、よりエネルギー消費量が高いです。
米国運動協議会によると、ジョギングとウォーキングのエネルギー消費量は以下のとおりです。

ジョギング:約13.2kcal/1分あたり
ウォーキング:約7.6kcal/1分あたり
※63kgの人を想定

参考:Women’s Health|消費カロリー量の違いだけじゃない、ランニングとウォーキングの違いとは?

薄毛と直接関係はありませんが、よりエネルギーを消費するためダイエットや生活習慣病の予防につながります。
生活習慣などが改善されると、抜け毛の増加などを抑えることもできるでしょう。
薄毛と生活習慣の関係性は下の記事をご覧ください。

リングフィットアドベンチャー

ウォーキングやジョギングは外に出なければなりません。
外に出られない場合は、室内でリングフィットアドベンチャーなどで運動不足を解消するのがおすすめです。

リングフィットアドベンチャーとは任天堂が発売しているニンテンドースイッチのゲームです。
体にバンドを巻きつけたりリングコンと呼ばれる機器を操作したりして、ゲームの画面と連動して運動することができます。

運動以外におすすめな薄毛対策

運動してもAGAは良くなりません。

AGAを本気で改善したい場合、おすすめの対策は以下の2つです。

  • フィナステリド・デュタステリドの内服
  • ミノキシジル・アデノシンの外用

それぞれ具体的に解説します。

フィナステリド・デュタステリドの内服

フィナステリド(プロペシア)・デュタステリド(ザガーロ)は、AGAの進行を食い止められる可能性があります。

どちらも5αリダクターゼのはたらきを阻害できるからです。

フィナステリド デュタステリド

これらは AGA治療を科学的根拠に基づいてまとめた「AGAガイドライン」においても、推奨度A(行うよう強く勧める)と定められています。

どちらも5αリダクターゼのはたらきを阻害する効果は同じですか、 いくつか違いもあります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ミノキシジル・アデノシンの外用

ミノキシジル・アデノシンを使うと、新しい髪を増やせる可能性があります。

どちらも毛包を活性化させ、成長を促し新し発毛を促進させるからです。

壮年性脱毛症のヘアサイクル

これらのうち、発毛効果が高いのは「ミノキシジル」です。

「AGAガイドライン」においても、ミノキシジルはフィナステリド・デュタステリド同様推奨度:Aなのに対して、アデノシンはBと評価されています。

ミノキシジルに関してはこちらの記事をご覧ください。

アデノシンに関してはこちらの記事でまとめています。

運動不足と薄毛に関するよくある質問

最後に、運動不足と薄毛に関するよくある質問に回答します。
ここで回答するのは以下の3点です。

  • 運動不足でハゲることはある?
  • 運動することで髪の毛にいい影響はある?
  • おすすめの運動方法は何?

それぞれ解説します。

運動不足でハゲることはある?

運動不足でハゲることはありません。
まず、ハゲの最も大きな原因であるAGAと運動不足は関係ないのです。
AGAは男性ホルモンや遺伝が原因であり、運動不足だからといって発症するわけではありません。

だからといって、運動不足になると代謝が悪くなって皮脂が増えたり、ストレスが溜まったりして、 一時的に抜け毛が増える恐れがあります。
日頃から運動不足を解消するのが大事です。

運動することで髪の毛にいい影響はある?

運動で期待される髪の毛へのいい影響は以下のとおりです。

  • 代謝が良くなる
  • 血行が促進される
  • ホルモンバランスを保てる

運動することで代謝が良くなり、髪に栄養が届きやすくなるとされています。
また、血行が促進され、髪の成長も期待できるでしょう。
ホルモンバランスを保つことができ、ストレスの軽減にもつながります。

おすすめの運動方法は何?

上述したとおり、以下の3つがおすすめです。

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • リングフィットアドベンチャー

いずれの場合も習慣づけることが大事です。
無理に「やろう」とするのではなく、毎日10分〜20分など自分ができる楽しめる範囲で続けましょう。

HIXで薄毛分析してみよう

薄毛(AGA) と運動についてまとめます。

  • 薄毛(AGA)の進行と運動は関係がない
  • なぜなら、AGAの原因は男性ホルモンだから
  • ただし、運動不足になると、血行や代謝が悪くなるため一時的に抜け毛が増える危険性がある
  • 抜け毛予防には有酸素運動がおすすめ
  • AGA治療を目指す場合、フィナステリド・デュタステリドの内服やミノキシジル・アデノシンの外用がおすすめ

大事なのは、自分に「AGAの可能性があるかどうか」を把握しておくことです。

ただ、「どうやって把握すればいいかわからない」という方も多いですよね。

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