【薬剤師監修】プロテインを飲んだらはげる!?科学的に本当なのか徹底解説!
男性の中には「プロテインを飲むとはげる」と聞いたことがある方もいますよね。
これが本当なら、筋トレする方は「はげになるリスク」と戦いながら体を鍛えなければなりません。
この記事でははげとプロテインの関係を明らかにし、科学的根拠のあるおすすめ薄毛対策を紹介します。
【結論】「プロテインではげる」は嘘!
結論から言えば、「プロテインではげる」は嘘です。
後述しますが、いわゆるAGAは男性ホルモンが原因だからです。
つまり、プロテインをいくら飲んでもはげませんし、逆にプロテインを控えてもAGAを発症するとはげてしまいます。
推測ですが、「AGAは男性ホルモンが原因である」という情報から、「プロテインを飲む→筋トレする→テストステロンが増える→はげやすくなる」と誤解された可能性があります。
しかし、これは完全な誤りなので注意してください。
はげ(AGA)とプロテインが関係ない理由
上で結論を示したとおり、はげ(AGA)の原因とプロテインにはなんの関係もありません。
ここではAGAの正しい原因を2つ紹介します。
- AGAは男性ホルモンが原因
- 遺伝的な要因もある
それぞれ具体的に解説します。
AGAは男性ホルモンが原因
AGAの主な原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンです。
DHTは、5αリダクターゼと呼ばれる酵素の作用によってテストステロンが変化したものです。
このDHTが脱毛因子・脱毛タンパクを放出し、毛母細胞にダメージを与えるのです。
プロテインを日常的に飲む方の中には、「筋トレしたらテストステロンが増えるからはげやすくなるんじゃないか」と不安に感じる男性もいますよね。
しかし、AGAの原因はDHTであってテストステロンではありません。
AGAメディカルケアクリニックにおいても、医師の前田祐助先生がこのように解説しています。
また、筋トレでテストステロンが増えることはあっても、DHTの分泌量が増えることはありません。
以上のことから、プロテインを飲んでも筋トレしても「はげるかどうか」にはまったく関係がない、と言えます。
遺伝的な要因もある
さらに、AGAは遺伝的な要因もあります。
具体的に言えば、「母方の祖父がAGAなら自分もAGAになりやすい」と考えてください。
どういうことかというと「AGAになりやすい遺伝子」はX染色体に存在するため、母親を通して遺伝する可能性があるのです。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
プロテインははげ対策におすすめ
むしろ、プロテインははげ対策におすすめです。
なぜなら、髪の生成に必要な「タンパク質」を補給できるからです。
AGAを治療できるわけではないので注意してください。
髪は9割以上が「ケラチン」と呼ばれる成分でできています。
ケラチンは分解されたタンパク質がアミノ酸となり、亜鉛などによって再結合されたものです。
つまり、タンパク質をしっかり摂ることによって髪を生成しやすくなるわけです。
プロテインをはげ対策に役立てるコツ
上で見たとおり、プロテインははげるどころか髪に必要な栄養素をしっかり取り入れられる食品です。
さらにはげ対策に役立てたい場合、以下の点を把握しておきましょう。
- 飲む時間帯
- 飲む量
- 飲む頻度
具体的に解説します。
飲む時間帯
プロテインを飲むおすすめの時間帯は3つあります。
- 運動後45分以内
- 就寝前
- 朝食時
これらはすべて「体がタンパク質を吸収しやすい時間」とされています。
プロテインを販売している森永製菓でも、このように解説しています。
効果的な摂取タイミングは「運動直後45分以内・就寝前・朝食時」、そして食事と同じように考えること、休みの日も摂取することが大切です。
出典:森永製菓
飲む量
飲む量は、タンパク質の目標量を参考にするのが大事です。
厚生労働省では、タンパク質の目標量を以下のように定めています。
身体活動レベルは以下を意味します。
- Ⅰ:低い(デスクワーク)
- Ⅱ:ふつう(デスクワークと歩行が50:50程度)
- Ⅲ:高い(日頃からハードに体を動かす)
つまり、30代の男性で身体活動レベルが「II」なら、「88〜135g」がタンパク質摂取の目標値です。
この目標値を参考にしながらプロテインを取り入れましょう。
飲む頻度
飲む頻度は1日1〜2回がおすすめです。
森永製菓においても、1日1〜2回を推奨しています。
トレーニングをしていない日も、1日1~2回はプロテインを摂取することをおすすめします。
出典:森永製菓
プロテインではげ対策する際の注意点
一方、プロテインのはげ対策には2つの注意点があります。
- 他の栄養素もきちんと取り入れる
- 根本的な解決にはならない
それぞれ解説します。
他の栄養素もきちんと取り入れる
プロテイン以外の栄養素もきちんと取り入れましょう。
タンパク質は亜鉛などのサポートによって、ケラチンに変化するからです。
特に亜鉛は失われやすいうえに、意識しないとなかなか摂取できません。
亜鉛に関してはこちらの記事でまとめています。
根本的な解決にはならない
プロテインをいくら飲んでも、AGA治療にはなりません。
上でも解説したとおり、AGAの原因はタンパク質ではなく「男性ホルモン」だからです。
AGAは進行性なので、治療をはじめない限りどんどん進行してしまいます。
一方で、正しい治療をすることによって食い止められる可能性があるのです。
効果的な治療方法と対策は次で説明します。
プロテインより効果的なはげ(AGA)治療・対策
プロテインだけでははげ(AGA)を改善できません。
はげ(AGA)を本気で改善したい方は、以下の対策がおすすめです。
- フィナステリド・デュタステリドの内服
- ミノキシジル・アデノシンの外用
2つとも解説します。
フィナステリド・デュタステリドの内服
フィナステリド・デュタステリドを内服すれば、AGAの進行を食い止められる可能性があります。
どちらも「5αリダクターゼ」のはたらきを阻害する作用があるからです。
これらはAGA診療を科学的な根拠を用いてまとめた「AGAガイドライン」においても、推奨度A(行うよう強く勧める)とされています。
フィナステリドとデュタステリドはどちらも同じ効果ですが、作用する5αリダクターゼの種類が違うので注意してください。
詳しくはこちらの記事でまとめています。
ミノキシジル・アデノシンの外用
新しい髪を増やしたいなら、ミノキシジル・アデノシンの外用がおすすめです。
これらはどちらも発毛効果が認められている成分だからです。
ただ、アデノシンはミノキシジルほど発毛効果を認められていないので注意してください。
実際に、「AGAガイドライン」の評価はミノキシジルが推奨度Aである一方、アデノシンは推奨度Bです。
ミノキシジルに関しては、こちらの記事をご覧ください。
アデノシンに関しては、こちらの記事でまとめています。
HIXで薄毛分析してみよう
はげとプロテインについてまとめます。
- はげ(AGA)とプロテインはなんの関係もない
- AGAの原因はDHTと呼ばれる男性ホルモン
- プロテインを飲んで筋トレしてもDHTが増えるわけではない
- むしろ、プロテインは効率良く髪に必要なタンパク質を摂取できる
- 一方、根本的な解決にはならないため、薄毛が気になる方はAGA治療を始めるのがオススメ
上で見たように、AGAは早期発見・早期治療が大事です。
ただ、自分ではなかなか「AGAなのかどうか」を判断しづらいですよね。
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