ウィスキーはハゲる?

【薬剤師監修】ウイスキーの飲みすぎははげる?AGAの関係と正しい原因を解説

「最近はげてきた気がするんだけど、ウイスキーの飲みすぎは良くないのかな」

ウイスキーを愛する男性なら、このように考えることもありますよね。

この記事ではウイスキーとはげの関係とはげる原因、はげ治療・対策について解説します。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師・医学修士
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。

「ウイスキーははげる」は本当?

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はじめにウイスキーとはげの関係について解説します。

一言で「はげ」といっても、さまざまな原因があります。

  • AGA(男性型脱毛症)
  • AA(円形脱毛症)
  • 老化
  • 一時的な抜け毛の増加など

このうちもっともメジャーなのがAGAです。

「AGAガイドライン」によると、日本人男性の3人に1人が「AGAを発症する」とされています。

25 年前の本邦における男性型脱毛症の統計から,日本人男性の発症頻度は全年齢平均で約 30%と報告されている8).

出典:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

ウイスキーの飲み過ぎはどうかというと、結論を言えば、AGAと関係ありません。

なぜなら、AGAの原因は男性ホルモンや遺伝にあるからです。

詳しくは後述する「【ウイスキーじゃない】はげる原因」を参考にしてください。

ウイスキーの飲みすぎは髪に良くない

AGAとは関係がないものの、ウイスキーの飲み過ぎは髪に良くありません。

その理由は、他のお酒に比べてアルコール度数が高いからです。

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このように、ウイスキーのアルコール濃度はビールの約8倍である40%です。

アルコールは髪の生成に必要な栄養素である「亜鉛」の排泄量を増加させる、とわかっています。

また、アルコールによって亜鉛の排泄量が増加するため、飲酒量が多い人は気をつけましょう。

引用:大塚製薬「栄養素カレッジ」

薄毛を改善したい場合、できればアルコールは控えましょう。

詳しくは下の記事でまとめています。

ウイスキーは飲み過ぎなければリスクが少ない

上述した点をまとめます。

  • ウイスキーはAGAの進行と関係ない
  • 一方で、アルコール濃度が高い
  • アルコールは髪の生成に必要な亜鉛の排泄量を高めてしまう
  • 以上の点から薄毛を改善したいなら控えるべき

ただ、「控えるべき」といっても、ウイスキーを飲みたい人はたくさんいますよね。

そういった方にアドバイスすると、「亜鉛の排泄量を増やす」という前提はあるにせよ、ウイスキー自体は他のお酒よりも健康のリスクが少ないです。

栄養面で見ると、糖質がゼロでカロリーも低いという点で「ビールや日本酒より健康的」と言えるからです。

糖質の摂りすぎは髪に良くない影響を及ぼします。

糖質を大量に摂ると「血糖値スパイク」と呼ばれる現象が起こり、血糖値が一気に低下するのです。

血糖値が一気に低下すると、糖尿病などを発症しやすくなるので気をつけてください。

糖尿病は髪に悪影響を与える危険性があります。

糖尿病は高血圧や脂質異常症を併発している症例も多く、大血管も障害を受け、動脈硬化などを引き起こすリスクが高まります。これらの血管障害により血流が阻害されると、育毛環境にも悪影響を与える可能性があるのです。

出典:AGAタイムス

ただし、「糖質がゼロだから」といって飲みすぎるのは良くありません!

アルコール濃度が高いことに注意して、最低限の飲酒量にとどめておきましょう。

【ウイスキーじゃない】はげる原因

上述したとおり、ウイスキーはAGAの原因になりません。

AGAの原因は大きくわけて2つあります。

  • 男性ホルモン
  • 遺伝

それぞれ詳しく解説します。

男性ホルモン

もっとも大きな原因が「男性ホルモン」です。

具体的に言うと、AGAは5αリダクターゼが男性ホルモンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変えることで発症します。

DHT ジヒドロテストステロン

ウイスキーを飲んでも「5αリダクターゼ」が活発化するわけではありませんし、飲まないからといって抑えられるわけでもありません。

以上のことから「ウイスキーはAGAと関係がない」と言えるわけです。

遺伝

「AGAになりやすいかどうか」は、遺伝の要因が強いと言われています。

上記のDHTは「アンドロゲンレセプター」という受容体と結びついて、脱毛因子や脱毛タンパクを放出します。

アンドロゲンレセプターの感度は、X染色体を通して遺伝するのです。

AGA 遺伝

つまり、このように母方の祖父がAGAだった場合、自分もAGAになる可能性が高いと考えてください。

なお、「AGAになりやすい人の特徴」に関しては、下の記事で解説しています。

ウイスキーとはげ(AGA)治療について

中にはこのように考える方もいますよね。

「ミノキシジルやフィナステリドでAGA治療しているんだけど、ウイスキーを飲んでもいい?」

結論から言えば、飲んでも構いません。

しかし、上記したリスクがあるため、AGAを改善したいなら禁酒がおすすめです。

まとめ

ウイスキーとはげについてまとめます。

  • ウイスキーとAGAは関係ない
  • なぜなら、AGAの原因は男性ホルモンと遺伝にあるから
  • ただ、アルコールは亜鉛を排泄しやすくするため、髪にとって悪影響を与える
  • 特にウイスキーはアルコールが非常に高い
  • 一方でビールや日本酒より「健康的」と言える側面がある

ウイスキーを飲んでもAGAになるわけではありません。

しかし、逆に言うとウイスキーを飲まなくてもAGAになる可能性は大いにあるわけです。

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