【薬剤師監修】頭皮のかさぶたを剥がしてはいけない理由4選|原因と対処法も
頭皮にかさぶたを発見すると、つい気になって剥がしたくなってしまった経験はありませんか。
私はあります。子供のころ、触って剥がして怒られたものです。
結論を言えば、頭皮のかさぶたを剥がすのはやはり良くありません。
この記事では科学的な根拠をベースに、以下の点を解説します。
- 頭皮のかさぶたは剥がしてはいけない3つの理由
- 頭皮にかさぶたができる4つの原因
- 頭皮のかさぶたを治す4つの方法
健全な頭皮であれば、怪我をしない限りかさぶたはほとんどできません。
かさぶたができる理由を把握して頭皮環境を改善したいなら、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
-
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
最新の投稿
頭皮のかさぶたは剥がしてはいけない
冒頭でも書いたとおり、頭皮のかさぶたは剥がしてはいけません!
その理由は4つあります。
- 肌トラブルが悪化する
- 肌荒れによる抜け毛の増加
- 傷つけてかさぶたが増える
- 薄毛治療の妨げになる
このように頭皮に対してさまざまなリスクがあるため、「剥がしたい」と思ってもやめておきましょう。
肌トラブルの危険性
頭皮のかさぶたを剥がすと、肌トラブルが悪化することがあります。
剥がしたところに雑菌などが入ってしまえば、炎症や湿疹がひどくなってしまう恐れがあるのです。
抜け毛の増加につながる
炎症や湿疹がひどくなると、一時的な抜け毛の増加につながります。
髪に十分な栄養が行き渡らなくなりますし、かさぶたと同時に毛根まで抜いてしまう場合があるからです。
炎症や湿疹は広範囲に渡ることが多いため、ひどくなると、さまざまな部分で薄毛が目立ってしまいます。
逆にかさぶたが増えてしまう
かさぶたを無理に剥がしてしまうと、その部分が余計に傷ついてしまいます。
再びかさぶたができるうえに、周囲に引っかき傷ができる危険性もあります。
そうすると、どんどんかさぶたが増えていってしまうのです。
薄毛治療の妨げになる
頭皮のかさぶたを剥がすのは、薄毛治療の妨げになります。
荒れている頭皮にミノキシジル配合の発毛剤を塗布すると、浸透も悪くなるばかりでなく肌荒れを悪化させてしまう恐れがあるからです。
ヒックスミノキシジル5の添付文書にも次のとおり記載しています。
次の部位には使用しないてください。
(1)本剤は頭皮にのみ使用し、内服しないでください。
[血圧が下がる等のおそれがあります。](2)湿疹あるいは炎症(発赤)等がある頭皮。
[きず等を悪化させることがあります ]出典:ヒックスミノキシジル5
頭皮が荒れたままだといつまで経っても発毛剤が使えず、対策ができないためAGAがどんどん進行してしまう可能性があります。
安心してAGA治療をはじめるためにも、まずは頭皮環境の改善を目指しましょう。
頭皮にかさぶたができる原因
頭皮環境を改善するためには、原因を突き止めるのが大事です。
頭皮にかさぶたができる主は原因は4つあります。
- 皮膚炎
- 脂漏性湿疹
- ドライスキン
- かきむしったりぶつけて傷を負った
皮膚炎
まず、皮膚に炎症が起きているケースです。
炎症はさまざまな原因で発症します。
- シャンプーなどのかぶれ
- 乾燥肌
- 脂漏性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 蕁麻疹など
合わせて下の記事も参考にしてください。
脂漏性湿疹
以下の症状が見られる場合、脂漏性湿疹を引き起こしている可能性が高いです。
- 赤み
- かゆみ
- べたつき
脂漏性湿疹は「マラセチア」と呼ばれる常在菌が異常発生し、皮脂の変性を促し、頭皮を刺激することによって発症します。
マラセチアが発生する詳しい原因や対処法は下の記事を参考にしてください。
ドライスキン
乾燥が原因でかさぶたができるケースもあります。
頭皮は外気にさらされる箇所が多く、乾燥の影響を受けやすいからです。
頭皮だけじゃなく他の部分にも乾燥を感じる場合、ドライスキンを疑いましょう。
また、冬場でなくても、頭皮が乾燥することがあります。
たとえば、次のようなケースが想定されます。
- 使っているシャンプーの洗浄力が強すぎる
- シャンプーの回数が多すぎる
- ドライヤーを当てすぎている
- 常に日光に当たる場所で仕事をしている、など
こういったケースに当てはまる場合、頭皮を保湿しましょう。
詳しくは「頭皮のかさぶたを治すには」で後述します。
かきむしったりぶつけたりして傷になった
炎症が起こっていたり頭皮環境が悪くなったりしていると、かゆみを覚えついついかいてしまっていることも珍しくないはずです。
頭皮を爪で引っ掻くことで傷ができ、かさぶたができてしまうのです。
また、シャンプーをする際に力を入れすぎてひっかいている、という可能性もあります。
頭皮は傷つきやすいので、爪を立ててこすったりかきむしったりするのはやめましょう。
また、怪我をして傷ついてしまった場合でも、自然にとれるまでは触らないようにしましょう。
頭皮のかさぶたを治すには
今まで説明してきたとおり、頭皮にかさぶたができたら早めに治療しましょう。
ここでは頭皮のかさぶたを治す方法を4つ紹介します。
- ミコナゾール配合のシャンプー
- ステロイド剤
- 頭皮の保湿
- 気になる場合は医療機関を受診
ミコナゾール配合のシャンプー
まず、ミコナゾール配合のシャンプーを試してみましょう。
ミコナゾールは脂漏性皮膚炎に効果があると証明されています。
その後、関東の 9 施設でフケ症に対する 0.75%硝酸ミコナゾール配合シャンプーの有用性の検討 -シャンプー基剤を対象とした二重盲検比較試験-を行い、1997 年に真菌誌 38巻 p97-97 に掲載され、抗真菌薬が脂漏性皮膚炎に効果があることを証明できました。
出典:マルホ皮膚科
ミコナゾール配合のおすすめシャンプーは下の記事で紹介しています。
ステロイド剤
ミコナゾール配合のシャンプーを使っても改善しない場合、ステロイド剤を使用してみましょう。
ステロイド剤は炎症の原因である「アラキドン酸」の働きを抑える効果があります。
ドラッグストアなどで購入できるステロイド剤は以下のとおりです。
- メンソレータム メディクイックHゴールド
- ムヒHD
- ベトネベートクリームSなど
ステロイド剤の強さは、下のランク表を参考にしてください。
頭皮の保湿
乾燥で頭皮環境が悪化している場合、しっかり保湿しましょう。
保湿する方法としておすすめなのが頭皮ケアローションです。
頭皮ケアローションにはさまざまな種類があります。
白っぽくならないよう透明なタイプも多く売られています。
- アデノバイタルスカルプエッセンスV
- MARO17 ブラックプラス シリーズ エッセンス
- キュレル 頭皮ローション 120ml、など
中でも「アデノバイタルスカルプエッセンスV」は、アデノシンと呼ばれる成分が含まれています。
アデノシンは「AGAガイドライン」においても発毛促進効果を認められており、「推奨度B:行うよう勧める」と定められているのです。
保湿しつつ髪を強く・太くしたい方は、アデノシン配合の「アデノバイタルスカルプエッセンスV」を使ってみましょう。
気になる場合は医療機関を受診
今まで紹介したことを実践しても治らない場合、早めに医療機関を受診してください。
脂漏性皮膚炎が進行している場合など、市販の薬では治らないケースも少なくありません。
忙しい方は、初診からオンライン診療に対応しているクリニックがおすすめです。
頭皮のかさぶたはAGAと関係ない
頭皮のかさぶたが増えてもはげるわけではない、つまり、AGAになるわけではないので安心してください。
つまり、頭皮環境の悪化によって一時的に抜け毛が増えていただけであれば、心配する必要はありません。
頭皮環境を改善できればヘアサイクルが正常化し、新しい髪が生えてくる可能性が高いです。
なぜ「頭皮環境とAGAは関係がないのか」というと、AGAの原因は男性ホルモンにあるからです。
AGAは5αリダクターゼと呼ばれる酵素がテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変えることで発症します。
逆に言うと、頭皮環境が良くなってもAGAにならないわけではないので注意してください。
場合によっては、すでにAGAがある程度進行している恐れもあるのです。
AGAは進行性なので、治療をはじめない限りどんどん髪が抜けてしまいます。
頭皮のかさぶたを改善するとともに、「自分がAGAなのかどうか」をチェックしてみましょう。
HIXで薄毛診断してみよう
「自分がAGAなのかどうか」をチェックする方法としておすすめなのが、無料の薄毛対策アプリHIXです。
HIXについて紹介する前に、頭皮のかさぶたについて再確認しておきましょう。
- 頭皮のかさぶたをはがすのは良くない
- 肌トラブルになったり抜け毛の増加につながったりする危険性がある
- 頭皮にかさぶたができる原因は炎症や脂漏性皮膚炎など
- 頭皮のかさぶたを治すには、ミコナゾール配合のシャンプーを使う
- それでも治らない場合はステロイド剤やクリニックで診てもらう
HIXは写真を撮るだけで、プロの毛髪診断士とAIが「AGAの可能性があるかどうか」をチェックしてくれます。
無料で使えるため、気になる方はまず使ってみてくださいね。
頭皮のかさぶたに関するよくある質問
最後に、本文をまとめる意味でも頭皮のかさぶたに関するよくある質問をご紹介します。
頭皮のかさぶたってはがしてもいいの?
頭皮にかさぶたができてしまった場合、触っていると気になるため剥がしたくなる人もいるでしょう。
しかし、頭皮のかさぶたを剥がすことで、肌トラブルを引き起こしてしまう可能性や抜け毛の増加、薄毛治療の妨げになるなどの恐れがあるのです。
したがって、頭皮にできたかさぶたは無理に剥がさないようにしましょう。
なんで頭皮にかさぶたができるの?
頭皮にかさぶたができてしまう原因には以下のようなものが考えられます。
- 皮膚炎
- 脂漏性湿疹
- ドライスキン
- かきむしった
頭皮環境を改善するためには、瘡蓋の原因を突き止めることが大切なのでどれが原因何かを見分けましょう。
どうやったら頭皮のかさぶたは治る?
頭皮にできたかさぶたは放っておいて治ることもありますが、すぐに直したい場合は以下の4つの方法を試しましょう。
- ミコナゾール配合のシャンプー
- ステロイド剤
- 頭皮の保湿
- 気になる場合は医療機関を受診
対処に迷った場合は、医療機関を受診することをお勧めします。