ミノキシジルとは?AGA治療における効果・副作用・注意点をまとめて解説
AGAの治療薬としてもっとも推奨されているのがミノキシジルです。
ただ、ミノキシジルに対して次のように感じる男性も少なくありません。
「AGA治療に対してどのような効果があるの?」
「副作用や注意点が知りたい」
そこで、本記事では以下の点について分かりやすく解説します。
- ミノキシジルの効果や効果が出るまでの期間
- ミノキシジルの使い方
- ミノキシジルの副作用
- ミノキシジルを使う際の注意点など
最後まで読むことでミノキシジルについて科学的根拠に基づいた知識が深まり、「なぜ使うべきなのか」が論理的にわかります。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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ミノキシジルとは?
ミノキシジルの効果や副作用について解説する前に、そもそもどのような医薬品なのか知っておきましょう。
ミノキシジルは1960年代にアメリカで開発された医薬品で、血管を拡張し血液の循環を促す働きがあります。
もともとは高血圧の治療薬として用いられていました。
ところが、ミノキシジルを使用している患者の多くに発毛が見られたのです。
そこで1980年代になって低用量のミノキシジル外用薬であるロゲインが開発され、脱毛症の治療薬として用いられるようになりました。
日本でも1999年にミノキシジル外用薬が製薬会社から販売開始されました。
現在では、よりリーズナブルで同じ効果が期待できるジェネリック(後発医薬品)剤も登場しています。
ミノキシジルの効果と、効果が出るまでの時間
ミノキシジルは厚生労働省によって発毛効果を認められた唯一の成分です。
ただし、使ったからといってすぐに髪の毛が生えてくる訳ではありません。
ミノキシジルの効果があらわれるのは、使用開始から早くて3〜4ヶ月、平均すると6ヶ月程度とされています。
主な効果は以下のとおりです。
- 発毛
- 育毛と脱毛抑制
それぞれ解説します。
発毛
ミノキシジルには発毛効果が認められています。
臨床試験でも「改善効果がある」として、「AGAガイドライン」ではもっとも強く推奨されているのです。
ミノキシジルには、発毛因子の産生を促進する働きがあります。
発毛因子の産生を促進して、ヘアサイクルを正常化させるわけです。
また、ミノキシジルには毛乳頭細胞を増やす効果も期待されています。
毛乳頭細胞には発毛シグナルを出す働きがあるため、ミノキシジルによって発毛が促されるのです。
育毛と脱毛抑制
AGAになるとヘアサイクルが短くなり、やがて毛母細胞の死滅に至ります。
ミノキシジルは髪の成長を促進させ、ヘアサイクルを正常化させる効果が期待できます。
ただし、ミノキシジルはAGAの進行を防ぐものではありません。
進行スピードが早い場合は、フィナステリドやデュタステリドと併用するのがおすすめです。
ヘアサイクルに関しては、下の記事をご覧ください。
AGA治療におけるミノキシジルの活用
ミノキシジルは国内で次のように活用されています。
- 日本では外用薬として使用されている
- 内服薬は未承認・非推奨とされている
それぞれについて解説します。
日本では外用薬として使用されている
AGA治療に効果が期待できる成分として厚生労働省から認可されているのは、以下の3つだけです。
- ミノキシジルの外用
- フィナステリドの内服
- デュタステリドの内服
フィナステリドとデュタステリドに関しては内服タイプの治療薬が認可されていますが、ミノキシジルは外用薬(塗り薬)のみ認可されています。
ミノキシジル外用薬の濃度はさまざまですが、市販薬は5%が限度です。
専門のクリニックでは10〜15%のミノキシジル外用薬が処方されることもありますが、未承認となる点に注意してください。
したがって、副作用などが出ても救済制度が使えず自己責任・自己負担となります。
フィナステリドとデュタステリドに関しては、女性の使用が禁止されています。
ミノキシジルは女性でも利用可能です。
ただ、男性用のミノキシジル発毛剤は使えないので気をつけましょう。
内服薬は未承認・非推奨とされている
ミノキシジルの内服薬は非承認および非推奨とされています。
日本はもちろん、世界中でミノキシジルの内服は許可も推奨もされていません。
冒頭でミノキシジルには血管を拡張する作用があるとお伝えしましたが、その後、血管拡張作用は動脈にしか及ばないことが分かってきました。
そのため、現在ではミノキシジルを高血圧の治療薬として用いることは基本的にありません。
ミノキシジルの内服によって血圧が下がると、反対に脳が血圧を上げるように指令を出すからです。
AGA治療専門のクリニックの中には、ミノキシジル内服薬(ミノタブ)を処方しているところもあります。
しかし、使用にはリスクもあるので注意してください。
下の記事でリスクについて説明しています。
ミノキシジルの副作用
ミノキシジルには発毛効果や、脱毛抑制効果が期待されていますが、一方で副作用のリスクもあります。
主な副作用としては、以下のとおりです。
- 初期脱毛
- かぶれ・発疹・発赤
- 動機・息切れ
- 頭痛・めまい
- むくみ・体重増加
- 肝機能障害
- 心疾患
初期脱毛
副作用ではありませんが、ミノキシジルを使用すると多くの場合、初期脱毛が起こります。
初期脱毛はミノキシジルの使用開始からしばらくして起こる、一時的な抜け毛量の増加です。
初期脱毛が起こるのは、ミノキシジルの使用開始から2週間〜1ヶ月頃です。
その後、1〜2ヶ月すると抜け毛の量が正常に戻ります。
抜ける髪の毛の量には個人差があるだけでなく、初期脱毛が起こらない方もいます。
初期脱毛が起こるのは、ミノキシジルによって新しく生えてきた髪の毛が、もともとあった弱々しい髪の毛を押し出すからです。
つまり、ミノキシジルの使用にともなう初期脱毛は、発毛効果の裏返しでもあるのです。
自己判断でミノキシジルの使用を中止しないよう気を付けましょう。
詳しくは下の記事をご覧ください。
かぶれ・発疹・発赤
ミノキシジル外用薬には、それほど副作用のリスクがありません。
ただ、体質や肌質によっては、肌のかぶれや発疹、発赤(ほっせき)、アレルギー反応などを生じる場合があります。
「リアップX5プラスネオの発毛効果データ」によると、およそ8%の方に何らかの副作用が見られたということです。
ただ、いずれも軽微な副作用であり、ミノキシジル外用薬が安全な治療薬である裏付けともなっています。
ミノキシジルの外用によってかぶれや発疹、発赤などがあらわれる確率は、およそ0.06%〜4.04%程度です。
動機・息切れ
ミノキシジルには、動悸や息切れといった副作用も報告されています。
もともとミノキシジルは高血圧の治療に用いられていた薬なので、服用すると一時的に血圧が下がり、動悸や息切れといった副作用が出やすくなるのです。
外用薬の有効成分も肝臓で代謝されるため、内服薬よりははるかにリスクが低いものの、一定の割合でこのような副作用があらわれると考えられています。
ミノキシジルの服用によって動悸や息切れといった副作用があらわれる確率は、およそ0.2%とされています。
頭痛・めまい
ミノキシジルには頭痛やめまいといった副作用も報告されています。
先述したように、もともとミノキシジルは高血圧の治療薬なので、一時的に血圧が下がるからです。
頭は心臓よりも高い位置にあるため、血圧が下がると脳へと送られる血液の量が減少します。
脳への血流が減少した場合、頭痛やめまいといった副作用が出やすくなるわけです。
ミノキシジルを使用して頭痛やめまいがあらわれる確率は、およそ0.03%〜0.38%とされています。
むくみ・体重増加
ミノキシジルの副作用としては、むくみや体重増加もあげられています。
このような副作用は、主にミノキシジルの内服薬で多く見られます。
ミノキシジルには血管を拡張させる効果があるのですが、その効果は動脈に対してのみあらわれ、静脈に対しては効果がありません。
静脈には心臓へと血液を送り返す働きがあるのですが、動脈だけ拡張して静脈は拡張しないため下肢に血液が滞ってしまいます。
その結果、足を中心としてむくみが出やすくなるわけです。
体重増加の原因はよく分かっていませんが、むくみと関係しているのではないかと考えられています。
肝機能障害
内服タイプのミノキシジルを使用した場合、肝機能障害のリスクが高くなります。
ミノキシジルに限ったことではありませんが、医薬品の有効成分は肝臓で代謝されることも多いからです。
したがって何らかの治療薬を服用した場合、肝臓に負担がかかることはあり得ることです。
ミノキシジル外用薬の成分も肝臓で代謝されますが、内服薬に比べればはるかにリスクは低いといえます。
心疾患
ミノキシジルの内服薬には、心疾患の発症リスクを高める副作用もあります。
高血圧の治療薬として使われなくなったのもそのためです。
したがって高血圧の方はもちろんのこと、狭心症を始めとした持病をお持ちの方は、ミノキシジルの使用に際してかならず医師に相談しましょう。
ミノキシジルとその他のAGA治療薬との違い
ミノキシジル以外の主なAGA治療薬としては、次の2つがあげられます。
- プロペシア
- ザガーロ
プロペシアはフィナステリドを有効成分とする治療薬で、5αリダクターゼという酵素のはたらきを阻害し、AGAの原因であるジヒドロテストステロンの産生を抑制します。
ザガーロはデュタステリドを有効成分とする治療薬です。
プロペシアと同様の働きがありますが、作用する5αリダクターゼの数が増えています。
プロペシアとザガーロは主に抜け毛を予防する働きがあることから、守りの治療薬と呼ばれることがあります。
一方で、ミノキシジルは発毛を促進する治療薬です。
そのため、プロペシアやザガーロに対して、攻めの治療薬と呼ばれることがあります。
「どちらか一方を」といった治療方法ではなく、このように併用するのがおすすめです。
ミノキシジル外用薬がおすすめな人
上述したとおり、ミノキシジル以外にもさまざまな治療方法があります。
薄毛治療は完治を目指すものではなく常に付き合っていくものなので、自分に合った方法を見つけるのが大事です。
ミノキシジル外用薬がおすすめなのは次のような人です。
- 軽度のAGA
- 生え際よりも頭頂部の薄毛が目立つ
- 新しい髪を増やしたい
これらに当てはまる方は、内服薬よりミノキシジル外用薬を使いましょう。
軽度のAGA
症状が軽度な場合、ミノキシジルを使うことで薄毛を改善できる可能性があります。
ヘアサイクルが正常化され、AGAの症状によって髪が抜ける前に新しい髪の発毛が期待できるからです。
一方で、ある程度AGAが進行している場合、ミノキシジル外用薬を使ってもほとんど効果が見られないケースも少なくありません。
このような場合、フィナステリド・デュタステリドなど他の治療方法と組み合わせましょう。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
生え際よりも頭頂部の薄毛が目立つ
ミノキシジルの外用薬は生え際より頭頂部の薄毛に効果を発揮することが多いです。
具体的には次のような薄毛に効果が期待できます。
これらの症状に当てはまる方は、早めにミノキシジルで薄毛治療をはじめましょう。
新しい髪を増やしたい
「AGAの進行を食い止めたい」ではなく「新しい髪を増やしたい」という方におすすめです。
フィナステリド・デュタステリドはAGA治療薬として高く推奨されていますが、発毛効果があるわけではありません。
ただし、ミノキシジルとフィナステリド・デュタステリドは「どちらか一方」ではなく「攻め」「守り」と捉えて両立していくのが大事です。
ミノキシジルを絶対に使用できない人
ミノキシジルを絶対に使用できないのは以下の人です。
- 未成年者
- 妊婦や授乳中の女性
- ミノキシジルでアレルギー反応が出た方
ミノキシジルは成人に見られる抜け毛や薄毛を対象とした治療薬であり、未成年者に対する効果および安全性は確認されていません。
成長段階の男性がミノキシジルを使用した場合、どのような健康被害があらわれるか分かっていないので使用は禁止されています。
妊婦や授乳中の女性がミノキシジルを使用した場合、赤ちゃんの成長に悪影響を与える可能性があります。
妊娠中や授乳中の女性はミノキシジルの使用を控えましょう。
また、ミノキシジルを使用してアレルギー反応が出た場合も注意が必要です。
報告例こそほとんどありませんが、ミノキシジルを使用したあと、アナフィラキシー反応が起こったこともあります。
ミノキシジルの使用には注意が必要な人
ミノキシジルの使用に注意が必要なのは以下の人です。
- 高齢者
- 心疾患を持っている人
- AGA以外の脱毛症が疑われる人
高齢者の方に関しては、ミノキシジルの使用が禁止されている訳ではありません。
ただ、年齢とともに何らかの持病を抱える人もいるため、医師に相談することが重要です。
心疾患を持っている人も注意が必要です。
ミノキシジルを使用した場合、心臓への負担を増す可能性があります。
内服タイプのミノキシジルはもちろんのこと外用薬を使用した場合も、心臓に影響を与える可能性があるので注意してください。
AGA以外の脱毛症が疑われる人も、ミノキシジルの使用には注意が必要です。
とくに自己免疫疾患や甲状腺機能障害による薄毛の場合、ミノキシジルの効果が期待できないだけでなく、副作用のリスクだけが残ってしまいます。
AGA治療にミノキシジルを使用するときの注意点
AGA治療にミノキシジルを使用する場合、次のような点にも注意しましょう。
- 成分によって一般医薬品と医療用医薬品にわけられる
- ミノキシジル関連のトラブルは医師に相談する
- 他の育毛剤や外用薬との併用を避ける
- ミノキシジルを使ったAGA治療は保険適用外の治療になる
- ミノキシジルの個人輸入は危険なので控える
それぞれ解説します。
一般用医薬品と医療用医薬品は効果が違う
AGAの治療にはミノキシジル以外にも、フィナステリドやデュタステリドが用いられます。
フィナステリドやデュタステリドは原則として医師の処方が必要ですが、ミノキシジルはインターネットで購入できるのです。
インターネットで購入できるミノキシジルとしておすすめなのがHIXミノキシジル5です。
国内最大級のミノキシジル濃度であり、非常に安価で購入できます。
詳しくはこちらをご覧ください。
ミノキシジル関連のトラブルは医師に相談する
ミノキシジルはわずかながら、副作用を引き起こす可能性があります。
使用中に何らかのトラブルが生じた場合、かならず医師に相談しましょう。
自己判断でミノキシジルの使用を継続した場合、思わぬ健康被害が起こらないとも限りません。
他の育毛剤や外用薬との併用を避ける
ミノキシジルを使用する場合、他の育毛剤や外用薬との併用を避けるようにしましょう。
併用した場合、ミノキシジルの効果が十分に得られなくなる可能性があります。
頭皮に皮膚炎を発症したなどの理由で他の外用薬を使わなければならない場合、ミノキシジルの利用をいったん中止してください。
なお、ミノキシジルと投与経路や作用機序の異なるフィナステリド・デュタステリドは併用可能です
併用したい場合は、医師に相談しましょう。
ミノキシジルを使ったAGA治療は保険適用外の治療になる
ミノキシジルを使ったAGA治療は、治療にかかる費用はすべて患者さんの自己負担となります。
薄毛は命に関わる病気やケガではないため、原則として健康保険が適用されないのです。
AGAの治療費や保険適用については、下の記事をご覧ください。
ミノキシジルの個人輸入は危険なので控える
「濃度10%以上」などのミノキシジル発毛剤は、原則として医師の処方が必要です。
しかし、例外的に個人輸入で入手する方法があります。
ただ、個人輸入は危険なので控えましょう。
粗悪品や偽物を掴まされる危険性があります。
また、副作用が起こったとしても、国による救済措置が受けられません。
安全にAGAの治療を続けるためにも、個人輸入は避けるべきです。
個人輸入のリスクに関しては下の記事をご覧ください。
ミノキシジル外用薬に関するよくある質問
最後に、ミノキシジル外用薬に関するよくある質問に回答します。
ここで回答するのは以下の3つです。
- いつ頃効果が出るの?
- 使って異常が出たら?
- ミノキシジル外用薬のおすすめは?
それぞれ解説します。
いつ頃効果が出るの?
ミノキシジルの効果が現れるのは一般的に「4ヶ月」です。
そのため、最低でも4ヶ月間使い続けましょう。
ただし、人によって大きく異なるため、4ヶ月〜半年程度の時間を見積もっておくことをおすすめします。
使って異常が出たら?
使用を中断し、医師に相談するのが大事です。
頭皮に異常がある状態で使用すると、かえって症状を悪化させてしまいかねません。
ミノキシジル外用薬のおすすめは?
ミノキシジル外用薬のおすすめは「ヒックスミノキシジル5」です。
「ヒックスミノキシジル5」がおすすめな理由はいくつかあります。
- ミノキシジルの含有率が国内最大の5%
- 料金が1本あたり3,000円とリーズナブル
- 安心の国内製造
ミノキシジルの外用薬にはさまざまな種類がありますが、基本的にすべて成分は同じです。
そもそも発毛効果が認められているのは「ミノキシジル」だけなので、そのほかの成分がどれだけたくさん入っていたとしても大きな差は出ないのです。
成分が同じなら、「値段」「定期配送してくれる」などの続けやすさで選ぶことをおすすめします。
まとめ
「ミノキシジルとは」についてまとめます。
- ミノキシジルには発毛を促進する効果がある
- ミノキシジルにはわずかながら副作用のリスクがある
- 日本では外用薬としてのミノキシジルだけが認可されている
- ミノキシジルには心臓への負担を増す作用があるため要注意
- ミノキシジルを使用する場合、必ず医師の診察を受ける必要がある
ミノキシジルは厚生労働省によって発毛効果が認められた、数少ない有効成分の1つです。原則として頭皮に塗布して発毛を促します。
わずかながら副作用のリスクはあるものの、過度に心配するのはおすすめしません。
冒頭でお伝えしたとおり進行性なので、すこしでもAGAが気になるなら治療をはじめてみましょう。