髪の毛を増やすための9つの対策をご紹介!自分にできることから始めよう

【薬剤師監修】髪の毛を増やすための9つの対策をご紹介!自分にできることから始めよう

「薄毛が目立ってきた」
「髪の毛を増やしたい」

男性ならほとんど誰もがこのような気持ちになりますよね。
そこで、この記事では以下の点を解説します。

この記事でわかること
  • 薄毛になってしまう4つの原因
  • 髪の毛を増やすための自分でできる対策6選
  • 髪の毛をふやすための医学的な対策3選

科学的根拠のない「髪の増やし方」を実践しても、効果はほとんど現れません。
この記事を最後まで読めば科学的根拠に基づいた方法がわかり、「どうすれば髪を増やせるのか」という疑問が解決します。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師・医学修士
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。

髪の毛は増やせる?

人によって程度の差はありますが、科学的根拠に基づいた方法を実践すれば、髪の毛は増やせる可能性が高いです。
なぜなら、脱毛に関しては原因やメカニズムがある程度解明されつつあるからです。

たとえばAGAの場合、5αリダクターゼと呼ばれる酵素が男性ホルモンをジヒドロテストステロン(DHT)に変化させることで発症します。
5αリダクターゼのはたらきを阻害すれば脱毛の進行を防ぐことができ、薄毛の改善を期待できるわけです。
特にAGA治療薬として推奨されている「ミノキシジル」の外用は、科学的にも発毛効果が認められています。

ただし、「薄毛」といってもさまざまな原因があります。
AGAでない方がAGAの治療方法を実践しても、かならずしも改善効果があるとは言えません。
まずは「薄毛になってしまう原因」を把握し、自分に合った治療方法を見つけるのが大事です。

薄毛になってしまう原因

髪の毛を増やすためには、薄毛になってしまう原因を把握しましょう。
薄毛になってしまう原因には、主に以下の要因が挙げられます。

  • 生活習慣の乱れ
  • 栄養バランスの偏った食生活
  • 遺伝的要因
  • ストレス

それぞれ解説します。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れはAGAと関係ありません。
しかし、一時的な抜け毛の増加につながる危険性があります。

特に、喫煙は控えてください。
喫煙によりニコチンを摂取しすぎると、血液が収縮してしまいかねません。
血液が収縮すると、髪の毛に必要な栄養が髪の毛まで届きにくくなるのです。

AGAと関係ないものの、喫煙は「薄毛を進行させる」「AGAの症状を加速させる可能性がある」とわかっています。
喫煙と薄毛の関係は以下の記事でまとめています。

栄養バランスの偏った食生活

偏った食生活も、AGAとは関係がありません。
ただ、髪の毛の成長が促進されず薄毛につながる危険性はあります。

AGA治療においても、栄養バランスが偏っていると治療の効果が十分に発揮されない恐れがあるので気をつけてください。
詳しい対処法は次の「髪の毛を増やすために自力でできる対策」で解説しています。

遺伝的要因

AGAは遺伝的な要因も否定できません。
「AGAになりやすい遺伝子」は、X染色体を通じて遺伝すると言われています。
つまり「母方の父」がAGAなら、自分もなりやすい可能性があるのです。

もっとも、遺伝は単に「要因の一つ」に過ぎません。
「母方の父がAGAでない」場合でも、「自分はAGAになる」という可能性はゼロではないのです。
「AGAにならない家系だ」と安心するのではなく、すこしでも薄毛が気になるなら早めに対処しておくのがおすすめです。

ストレス

ストレスはAGAの原因にはなりません。
AGAは5αリダクターゼが男性ホルモンをジヒドロテストステロン(DHT)に変化させることで発症するため、ストレスとは関係ないのです。
「ストレスが溜まっているから」といってはげるわけではないので安心してください。

ただ、今まで紹介した要因と同じく一時的な抜け毛や薄毛治療の妨げになる可能性はあります。
ストレスとハゲの関係に関しては、下の記事でまとめています。

髪の毛を増やすために自力でできる対策

髪の毛を増やす方法として「自力でできる対策」と自分ではできない「医学の力が必要な対策」があります。
AGAの場合、「自力でできる対策」を講じても髪の毛が増えるわけではありません。
なぜならAGAの原因は、上述したとおり男性ホルモンにあるからです。

「AGAかもしれない」と感じる場合、後述する「医学の力が必要な対策」をしっかり実践しましょう。
ただ、ここで紹介する「自力でできる対策」もけっして意味がないわけではありません。
髪の成長にとって大事なことなので、ぜひ以下の6点を実践してください。

  • 生活習慣を改善
  • 適度に運動をする
  • 質の良い睡眠をとる
  • 栄養バランスに気をつける
  • 頭皮マッサージをする
  • ストレスを発散する

すべて具体的に解説します。

生活習慣を改善

まずは生活習慣を見直してください。
生活習慣を見直すことで、頭皮に髪の成長に必要な栄養素が届きやすくなったり血行が良くなったりするからです。

「全国健康保険協会」が推奨する「生活習慣改善10カ条」は以下のとおりです。

  • 適度な運動を毎日続けよう
  • 今すぐ、禁煙を!
  • 塩分は控えめに
  • 油っぽい食事は避ける
  • 主菜は“肉より魚”を心がける
  • 野菜をたっぷりとる
  • お酒はほどほどに
  • 毎食後歯を磨こう
  • 自分に合った方法でストレス解消
  • 規則正しい睡眠で十分な休養を

参考:全国健康保険協会

これらを実践すると健康的な体を作ることができ、頭皮環境の改善が期待できます。
頭皮環境が改善すると、髪の毛の増加につながる可能性があります。

適度に運動をする

髪の毛を健康にするためには、適度に運動をすることが大事です。
定期的にウォーキングなどの運動をすることにより、全身の血液循環を良くして頭皮への血行促進が期待できるのです。

中には「運動するとテストステロン(男性ホルモン)が増えてハゲやすくなる」と考える男性もいるでしょう。
運動してテストステロン値が増えても、AGAが進行するとは限りません。
運動と薄毛に関してはこちらで詳しく解説しています。

質の良い睡眠をとる

ふだんから「質の良い睡眠」を意識しましょう。
質の良い睡眠をとると、髪の生成に必要な成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンには髪の毛を成長させたりダメージを修復したりする効力があり、薄毛を防いでくれるのです。

睡眠で大事なのは「ノンレム睡眠」です。
入眠した1〜2時間後がノンレム睡眠となるのですが、このときに成長ホルモンが分泌されます。

ノンレム睡眠については,成長ホルモンの分泌や記憶の定着,脳内に蓄積した代謝物の除去など,いくつかの生理学的な役割が明らかにされている

出典:公益社団法人日本生化学会

ノンレム睡眠は一晩に4〜5回繰り返します。
睡眠時間が短かったり質が悪かったりするとノンレム睡眠にならず、成長ホルモンが十分に分泌されない恐れがあるわけです。

栄養バランスに気をつける

発毛を促進するためには、栄養バランスに気を付ける必要があります。
髪の毛も体と同じように、食べたものから栄養を補っているからです。

髪に必要な栄養素は以下の3種類です。

  • タンパク質
  • ビタミンB
  • 亜鉛

特に亜鉛は意識しないとなかなか取り入れられません。
亜鉛が多い食べ物はこちらの記事でまとめています。

参考

【管理栄養士監修】亜鉛を多く含む食品トップ3!食べるときの注意点も徹底解説

頭皮マッサージをする

頭皮マッサージ自体は発毛効果を認められているわけではありませんが、「ミノキシジル外用の効果を高める」とされています。
実際に、アンファー株式会社と日本医科大学形成外科の共同研究で次の事実が明らかになっています。

ミノキシジルは発毛促進につながるトリガーとして毛乳頭細胞のカリウムイオンチャネル開口を起こすが、振動圧刺激によっても同様に開口が起こる。ミノキシジル投与と振動圧刺激を同時に行うと相乗的に発毛効果を高める可能性が高いことが見出せた。

出典:PR TIMES

詳しいヘアマッサージのやり方などは以下の記事をご覧ください。

【毛髪診断士監修】ヘアマッサージは発毛促進の可能性あり!おすすめの方法も紹介

ストレスを発散する

ストレスの発散は「受けているストレスの種類」によって変わります。

体に現れる症状の例 ストレスの原因 解消方法
精神的、情動的な反応
(集中力の欠如、不安、恐怖、パニックなど)
欲求不満 認知療法的な解決方法
(気づき・とらわれからの解放、自尊心・怒りの制御)
行動的な反応
(喫煙、飲酒、過食など)
葛藤 行動療法的な解決方法
(自己主張、社会的支援、柔軟性のある行動を学ぶ)
生理学的な反応
(不規則な呼吸、筋緊張、倦怠感、動悸、発汗など)
重圧 生理学的な解決方法
(呼吸法、気分転換、視覚化、瞑想、バイオフィードバック)

参考:一般社団法人藤元メディカルシステム

上述した睡眠や運動を実践してもストレスが緩和されない場合、クリニックなどを受診するのもおすすめです。

医学の力で髪の毛を増やす方法

自分の力だけでは、薄毛を根本的に治療することは困難です。
特にAGAは医学的な治療方法をはじめない限り、どんどん進行してしまいます。

医学の力で髪の毛を増やす主な方法は以下の3点です。

  • AGA治療
  • 増毛
  • 植毛

それぞれ解説します。

AGA治療

日本皮膚科学会が作成しているAGAガイドラインにおいて強く推奨されている治療方法は、以下の3つです。

  • フィナステリドの内服
  • デュタステリドの内服
  • ミノキシジルの外用

フィナステリド・デュタステリドは「5αリダクターゼ」のはたらきを阻害する効果が期待できます。
「5αリダクターゼ」のはたらきを阻害することによってDHTの産出を防ぎ、AGAの進行を食い止めるのです。

ミノキシジルはAGAを食い止めるものではなく、髪の毛を増やす効果があります。
毛母細胞に作用し、髪の成長と発毛を促進させるわけです。

「フィナステリド・デュタステリドの内服」「ミノキシジルの外用」「いずれか一つ」ではなく両方はじめるのが大事です。
ただ、フィナステリド・デュタステリドは医師の診断を受けないと処方されません。
ミノキシジルはドラッグストアや通販で購入することができます。

中でも、「ヒックスミノキシジル5」は1本あたり3,000円と非常にリーズナブルなうえに、アプリでいつでも専門家に相談可能です。
低価格かつ国内最大級のミノキシジル濃度を実現したヒックスミノキシジル5はこちらで紹介しています。

増毛

増毛とは、自分の髪の毛に人工的に作られた髪の毛を編み込んで結んでいく方法です。
髪の毛を増やすわけではなく「増えているように見せかけるだけ」という点に注意してください。

メリットは「即効性があり、すぐに髪がボリュームアップする」という点です。
AGA治療は長い時間が必要ですが、増毛は1回の施術ですぐに効果が現れます。

一方、「定期的なメンテナンスが必要」という欠点があるので注意してください。
また、AGAの治療方法ではないため、薄毛が進行していくとそもそも編み込める「髪の毛自体」がなくなってしまう恐れもあります。

植毛

植毛は「AGA治療で効果がなかった人も髪の毛を増やせる可能性がある」というのがメリットです。

植毛には2種類あります。

  • 自毛植毛術
  • 人工毛植毛術

このうち、人工毛植毛術はおすすめできません。
過去に多くの有害事象が報告されているからです。
「AGAガイドライン」においても「推奨度:D(行うべきではない)」とされています。

自毛植毛術は「推奨度:B(行うよう勧める)」です。
ただし、「AGAガイドライン」では次のように解説しています。

以上のように,国内外における自毛植毛術の膨大な診療実績を考慮し,フィナステリド及びデュタステリド内服やミノキシジル外用による効果が十分でない症例に対して,他に手段がない状況において,十分な経験と技術を有する医師が施術する場合に限り.男性型脱毛症には自毛植毛術を行うよう勧め,女性型脱毛症には行ってもよいこととする.

出典:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

このように、まずはより推奨されている「フィナステリド・デュタステリドの内服」「ミノキシジルの外用」からはじめましょう。

まとめ

髪の毛を増やす方法についてまとめます。

  • 髪の毛を増やすには「薄毛の原因」をしっかり判断する
  • バランスの取れた食生活や睡眠時間の確保など生活環境を整える
  • まずは「フィナステリド・デュタステリドの内服」「ミノキシジルの外用」でAGA治療する
  • 次に「増毛」「植毛」などを検討する

髪の毛はすぐに増えるものではありません。
「フィナステリド・デュタステリドの内服」「ミノキシジルの外用」をする場合でも、半年は様子を見ましょう。