シャンプー時に抜け毛の本数が多い!危険な抜け毛の見分け方と薄毛対策
「最近、シャンプーしたときの抜け毛が気になる」
「何本抜けたらハゲの兆候なんだろう?」
このような不安を抱える男性は少なくありません。
シャンプーで抜け毛が多くなるのは当然であり、大事なのは「本数」ではなく「質」です。
そこでこの記事では、シャンプー中の抜け毛の原因や見分け方、正しい洗髪の手順、頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因&対策などについて詳しく紹介します。
- シャンプー中の抜け毛の原因や見分け方
- 正しい洗髪の手順
- 頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因&対策
最後まで読むと「どこに気をつければいいか」がわかり、具体的な薄毛・抜け毛対策を知ることができます。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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シャンプーでは通常でも1日30~60本の髪の毛が抜ける
あくまで目安ですが、髪は1日で50〜100本抜けると言われています。
そのうち、シャンプーでは1日30~60本の髪の毛が抜けるそうです。
ただ、これはあくまで「そう言われている」というだけで科学的な根拠はありません。
たとえば、髪は「成長期」「退行期」「停止期」という3つのサイクルで生え変わりますが、脱毛の時期である「停止期」の髪が多いと、60本以上抜けることもあります。
大事なのは「抜ける本数」ではなく「抜ける髪の質」なのです。
「どういう髪が抜けたら良くないのか」は記事の中でしっかり説明します。
シャンプー中の抜け毛の原因
続いて、シャンプー中の抜け毛の原因について紹介していきます。
シャンプー中の抜け毛の原因は以下のとおりです。
- 抜け落ちるサイクルにある髪の毛が洗髪で取り除かれる
- 頭皮・髪の毛の健康が損なわれて抜けやすくなっている
- 正しく洗髪ができていない
- 季節的な要因で抜け毛が増えている
- AGAが進行している
それぞれ解説します。
抜け落ちるサイクルにある髪の毛が洗髪で取り除かれる
上述したとおり、髪の毛は成長期→退行期→休止期といったヘアサイクルによって日々生え変わります。
基本的に、毛髪全体は約9割ほど成長期にあたりますが、寿命を迎えると退行期に突入します。
髪を洗う際に、その「寿命を迎えた髪」を取り除くことによって抜け毛が増えるわけです。
シャンプー中は1日の中でもっとも髪の毛を触る時間が長いため、物理的に「髪が抜けやすくなる」のも無理ありません。
頭皮・髪の毛の健康が損なわれて抜けやすくなっている
頭皮・髪の毛の健康が損なわれて抜けやすくなっている場合もあります。
必要な栄養が損なわれていると、髪が充分に成長せず途中で抜け落ちてしまうことがあるのです。
具体的に言うと、次のような原因が挙げられます。
- ストレス
- 偏った食生活
- 過度な飲酒
- 喫煙、など
たとえば、ストレスを感じていると頭皮の毛細血管が収縮して、充分な栄養が届かなくなってしまいます。
食生活に偏りがあれば髪を生成する栄養素を取り入れることができず、成長する前に抜けてしまいかねません。
これらはすべて「AGA」とは関係ないものの、一時的な抜け毛増加につながる恐れがあります。
正しく洗髪ができていない
正しく洗髪ができていない場合、抜け毛が増加することもあります。
たとえば爪を立てて力強く洗ったり洗浄力の強いシャンプーを使用したりすると、頭皮がダメージを受けてしまうのです。
この場合、正しい洗髪方法を実践するだけで抜け毛の量を減らせられる可能性があります。
正しい洗髪の手順については後述していますので、ぜひ参考にしてください。
季節的な要因で抜け毛が増えている
季節的な要因で抜け毛が増えることもあります。
どういうことかというと、秋(9月頃)は「抜け毛の量が多くなる」とわかっているのです。
以下はブラッドフォード大学の研究結果です。
The number of shed hairs reached a peak around August/September, when least follicles were in anagen. At this time the average loss of hairs was about 60 per day, more than double that during the preceding winter.
<DeepLによる翻訳>
抜け毛の数は、毛包がもっとも少なくなる8月から9月頃にピークを迎えました。この時、1日あたりの平均抜け毛は約60本で、前年の冬に比べ2倍以上になっています。出典:NIH
「毛包がもっとも少なくなる」というのは「成長期にある毛包が少なくなる」ことを意味します。
あなたが秋になって「抜け毛が増えた」と心配している場合、そこまで気にする必要はありません。
詳しくは下の記事をご覧ください。
AGAが進行している
もっとも重要視すべきなのが「AGAによる抜け毛かどうか」です。
なぜなら、他の原因と違ってAGAはどんどん進行していくからです。
具体的に言うと、ヘアサイクルがどんどん短くなり、最終的には毛母細胞が死滅して髪が生えなくなってしまいます。
毛母細胞が死滅すれば、どんなに高いお金をかけて治療をはじめても効果は期待できません。
しかし、進行する前に正しい方法で治療をはじめられれば、薄毛の進行を最小限に食い止められる可能性があります。
「AGAかどうか」を見極めるには抜け毛をチェックするのが大事です。
詳しい見分け方に関しては次で説明します。
正常な抜け毛か問題がある抜け毛かの見分け方
ここからは、正常な抜け毛か問題がある抜け毛かの見分け方について紹介します。
正常な抜け毛か問題がある抜け毛かの見分け方は次の3点です。
- 毛根の色・形をチェック
- 髪の毛の細さ・長さをチェック
- 抜け毛の本数をチェック
具体的に解説します。
毛根の色・形をチェック
正常な抜け毛か問題がある抜け毛かどうかは、まず「毛根の色・形」をチェックしましょう。
詳しい見分け方は以下のとおりです。
- 正常な抜け毛:根元に行くにつれて次第に白くなっており、根本がマッチ棒のように丸く膨らんでいる
- 問題のある抜け毛:色が全体的に黒く、形が尖っていたり触るとべたべたしたりする
後者の場合、頭皮環境が悪化し「脂漏性湿疹」などを引き起こしている可能性があります。
また、毛根に老廃物や洗い残しの汚れが付着している場合は色が黒や白濁色で、毛の形はギザギザしているのが特徴です、
汚れが付着している場合は「洗い残しが多い」ということになるため、しっかりシャンプーやリンス・トリートメントを洗い流すように心掛けてください。
髪の毛の細さ・長さをチェック
詳しい髪の毛の細さ・長さの見分け方は以下のとおりです。
- 正常な抜け毛:ある程度の太さ・強さ・長さがある
- 問題のある抜け毛:全体的に弱々しく、細くて短い
後者は髪の毛が成長している途中で抜け落ちてしまったことが原因です。
いわゆる「ミニチュア化」と呼ばれる症状で、「AGAの特徴の一つ」とされています。
詳しくは下の記事でも解説しています。
抜け毛の本数をチェック
本数はそこまで気にする必要ありません。
なぜなら、AGAは一気に髪が抜けるものではなく「徐々に進行していくもの」だからです。
一気に抜け毛の量が増えた場合、AGAではなく円形脱毛症など別の症状を疑いましょう。
AGAと円形脱毛症は似ているようで症状、原因、治療方法が大きく異なります。
円形脱毛症については以下の記事で詳しく説明しています。
正しい洗髪の6ステップ
ここでは正しい洗髪方法について紹介します。
正しい洗髪方法を知っておくことで抜け毛が防げる可能性があります。
手順は以下のとおりです。
- ステップ①洗浄力が強すぎないシャンプーを選ぶ
- ステップ②1~2分しっかり湯洗いを行う
- ステップ③指の腹で頭皮マッサージするようにシャンプーする
- ステップ④リンス・トリートメントはぬるつきが無くなるまで流す
- ステップ⑤洗髪後タオルドライをしたらすぐに乾かす
- ステップ⑥頭皮・髪の毛が乾燥している場合は保湿する
それぞれの手順を解説します。
ステップ①洗浄力が強すぎないシャンプーを選ぶ
まずは洗浄力が強すぎないシャンプーを選ぶようにしてください。
頭皮への刺激を避けたいなら、添加物が配合されていない無添加のシャンプーがおすすめです。
たとえば、次のような成分が含まれているシャンプーはおすすめしません。
- フェノキシエタノール
- メチルパラベン
- プロピルパラベン
- 人工着色料
- 酸化防止剤
- シリコン
特に、シリコンが含まれていると毛穴が塞がってしまうこともあるため、注意が必要です。
市販のアミノ酸シャンプーは洗浄力がマイルドで頭皮や肌にも優しいため、頭皮の乾燥の悩みを持つ人にもおすすめです。
おすすめのシャンプーは下の記事で紹介しています。
ステップ②1~2分しっかり湯洗いを行う
洗髪する時はいきなりシャンプーで洗髪するのではなく、1~2分程度しっかり湯洗いしてください。
基本的に、髪の汚れは「湯洗いである程度落とせる」と言われています。
湯洗いをすることでシャンプーの泡立ちが良くなり、毛根の奥までしっかり洗浄成分が届きます。
熱いお湯で湯洗いしてしまう人も多いですが、必ずぬるま湯を使うようにしてください。
目安としては38〜40℃前後がおすすめです。
ステップ③指の腹で頭皮マッサージするようにシャンプーする
湯洗いが完了したら、次に指の腹を使って頭皮マッサージをするようにシャンプーしましょう。
汚れをしっかり落とそうとゴシゴシ洗ってしまう人が多いですが、それでは頭皮を傷つけてしまいます。
また、髪の毛をこすり洗いする場合も摩擦が生じてしまい髪の毛にダメージを与えてしまうことも多いため、指の腹で頭皮マッサージするように心掛けてください。
シャンプーを髪につける際も、原液をつけるのではなく手のひらで泡立てるのがおすすめです。
ステップ④リンス・トリートメントはぬるつきが無くなるまで流す
次に、リンスとトリートメントはぬるつきがなくなるまで流してください。
リンスとトリートメントは頭皮につくと油分が残ってしまい、頭皮トラブルが起きてしまうことも多いです。
また、リンスやトリートメントが毛穴に詰まってしまうと髪の毛の成長に悪影響を与えてしまうことにもなります。
リンスとトリートメントに具体的な違いはなく、髪の毛の表面をコーティングして保護する役割を果たします。
ステップ⑤洗髪後タオルドライをしたらすぐに乾かす
シャンプーとリンス・トリートメントをしっかり洗い流したら、タオルドライをしてすぐ乾かすようにしてください。
濡れたままの状態で放置してしまうと髪の毛のキューティクルが剥がれてしまい、傷んでしまいます。
せっかくのトリートメント成分も流れ落ちてしまうため、早めに乾かすようにしてください。
タオルドライをして表面の水分をしっかり取ったら、根本からしっかり乾かしましょう。
8割程度乾いたら、毛先を乾かすようにしてください。
先に毛先を乾かしてしまうとダメージやパサつきの原因になってしまいます。
ステップ⑥頭皮・髪の毛が乾燥している場合は保湿する
最後に、頭皮・髪の毛が乾燥している場合はしっかり保湿してください。
頭皮や髪の毛が乾燥していると頭皮のターンオーバー(新陳代謝)が乱れ、抜け毛の原因になってしまいます。
ホホバオイルなどを用いてしっかり保湿しましょう。
なお、これらはあくまで「AGA以外で抜け毛が認められるとき」の対策です。
AGAは男性ホルモンが原因なので、いくら正しく洗髪しても改善しません。
下の記事を参考にして、科学的に根拠がある方法で治療しましょう。
頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因&対策
続いて頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因と対策について紹介します。
頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因と対策は以下のとおりです。
- 偏った食生活
- 頭皮に負担をかけるヘアスタイル
- 睡眠不足による自律神経の乱れ
- ストレスにより老化の加速
- 飲酒・喫煙による血行不良
- 紫外線による炎症
- 間違ったヘアケア
- 過度な洗髪や洗い残し
大事なのがこれらはすべて「AGAの原因と対策ではない」という点です。
あくまで「頭皮環境が悪化したことによって抜け毛が増えた場合」の原因・対策であるという点に注意してください。
AGAの治療方法は記事の最後で詳しく解説します。
偏った食生活
偏った食生活は頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因になります。
特に、糖分の多い食事は血行不良を招いてしまい、髪の毛の成長に必要な栄養が行き渡らなくなる恐れがあるので気をつけてください。
また、アルコールの過度な摂取も体内の栄養成分が吸収されてしまうため、髪の成長を妨げてしまう恐れがあります。
他にも、高カロリーの食事やファストフードなども頭皮の皮脂を分泌させて毛穴のつまりの原因になってしまうため、注意が必要です。
食生活を改善するには、以下3つの栄養素を取り入れられる食生活を目指しましょう。
- たんぱく質
- ビタミンB
- 亜鉛
髪の毛はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。
タンパク質を積極的に摂取するように心掛ければ、頭皮・髪の毛の健康状態を改善できます。
そんなタンパク質をケラチンに変えるサポートをするのが「亜鉛」です。
亜鉛に関しては下の記事で詳しく解説しています。
頭皮に負担をかけるヘアスタイル
頭皮に負担をかけるヘアスタイルも、頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因の一つです。
たとえば、次のようなヘアスタイルは頭皮に負担を与えてしまいます。
- カラーやパーマを繰り返す
- ワックスやスプレーなどのスタイリング剤を長時間使用する
- ヘアバンドなどで無理やり髪を固定する
頭皮に負担がかかってしまうと、抜け毛が多くなってしまいかねません。
特にパーマ剤やブリーチなどを使うと、短い期間で大きな負担をかけてしまいます。
詳しくは下の記事をご覧ください。
睡眠不足による自律神経の乱れ
睡眠不足による自律神経の乱れも、頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因として挙げられます。
髪の毛や肌の成長に必要なホルモンが十分に分泌されない可能性があるからです。
具体的に言うと、人間は「レム睡眠」「ノンレム睡眠」を繰り返します。
成長ホルモンは「ノンレム睡眠」時に分泌されることが明らかになっています。
ノンレム睡眠については,成長ホルモンの分泌や記憶の定着,脳内に蓄積した代謝物の除去など,いくつかの生理学的な役割が明らかにされている
出典:公益社団法人日本生化学会
ノンレム睡眠の回数を増やすためにも、十分な睡眠時間を確保しましょう。
ストレスにより老化の加速
ストレスも頭皮・髪の毛の健康状態を悪化させてしまいかねません。
どういうことかというと、ストレスによって自律神経が乱れたり血行の促進が悪くなったりする恐れがあるのです。
自律神経が乱れると、睡眠の質に悪影響を与えてしまいます。
また、血行の促進が悪くなると、髪に十分な栄養素が行き渡らなくなる危険性があります。
ストレスを100%なくすことはできません。
できるだけストレスを溜めすぎないよう、定期的に発散するようにしましょう。
飲酒・喫煙による血行不良
飲酒・喫煙による血行不良も頭皮・髪の毛の健康状態悪化を招きます。
飲酒で摂取したアルコールは分解されて体内に吸収されますが、その際に髪の成長に必要な栄養素が使われてしまうのです。
喫煙もタバコに含まれるニコチンが血管を収縮し、血の流れが悪くなってしまいます。
詳しくは下の記事をご覧ください。
紫外線による炎症
紫外線を浴びすぎると頭皮の光老化が進行し、頭皮の血行不良になってしまいます。
特に外仕事の人は、紫外線が影響して髪が抜けやすくなってしまう危険性もあります。
手軽にできるケアは以下のとおりです。
- 髪の毛用のUVカットスプレーを使用する
- 帽子をかぶる
- 日傘を使う
詳しい紫外線の影響についてはこちらの記事で解説しています。
間違ったヘアケア
間違ったヘアケアも頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因です。
たとえば、以下のようなヘアケアはおすすめしません。
- 洗髪時にゴシゴシ頭を洗う
- 体質に合わない育毛製品を使用する
- ブラシで頭をトントン叩く
やりすぎると頭皮環境が悪化し、抜け毛が増加する恐れがあります。
正しい洗髪の仕方は次の手順を参考にしてください。
- ステップ①洗浄力が強すぎないシャンプーを選ぶ
- ステップ②1~2分しっかり湯洗いを行う
- ステップ③指の腹で頭皮マッサージするようにシャンプーする
- ステップ④リンス・トリートメントはぬるつきが無くなるまで流す
- ステップ⑤洗髪後タオルドライをしたらすぐに乾かす
- ステップ⑥頭皮・髪の毛が乾燥している場合は保湿する
過度な洗髪や洗い残し
過度な洗髪や洗い流しも、頭皮・髪の毛の健康状態が悪化する原因です。
シャンプーは1日1回だけで問題ありません。
何度もシャンプーしていると髪に必要な油分まで取り除いてしまい、かえって乾燥しやすくなってしまいます。
洗い残しがある場合、汚れが毛穴に詰まったり酸化して頭皮環境が悪化したりする恐れがあります。
1分程度時間をかけて、しっかり洗い流しましょう。
AGAの兆候がある場合は早めに受診を!
上述した原因や対策は、あくまで「頭皮環境が悪化したことによって抜け毛が多くなった場合」です。
AGAの兆候がある場合、早めにAGAクリニックや医療機関を受診しましょう。
具体的には、次のような特徴が見られた場合、AGAの可能性が高いといえます。
- 抜け毛が細く弱々しい
- 徐々に生え際が後退している
- ゆっくりと髪が薄くなってきている
AGAだとわかったら、科学的根拠に基づいた治療をはじめるのが大事です。
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