フィンペシアの効果は?副作用や服用リスク、購入方法まで徹底解説
AGA治療薬の一つに「フィンペシア」があります。
安価で手に入る一方で、さまざまなリスクがあるため服用には注意してください。
この記事では、フィンペシアの購入を検討している方に向けて以下の点を解説します。
- フィンペシアの特徴とプロペシアとの違い
- フィンペシアの効果と副作用
- 購入方法とリスク
- 服用時の注意点
記事を最後まで読むことで、「なぜフィンペシアを選ぶべきではないのか」がわかります。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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フィンペシアとは
フィンペシアは「フィナステリド」を主成分としたAGA治療薬です。
インドのムンバイに本社を置く「シプラ社」が製造販売している内服薬(飲み薬)です。
フィンペシアと同じ有効成分を持つAGA治療薬には「プロペシア」があります。
以下で両者の違いを分かりやすく解説していきます。
フィンペシアとプロペシアの違い
フィンペシアとプロペシアの有効成分はどちらもフィナステリドです。
フィナステリドはAGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の発生を抑制する働きがあります。
効果は同じですが、決定的な違いは「国内においてプロペシアは治療薬として認められているが、フィンペシアは認められていない」という点です。
プロペシアはアメリカのメルク社によって開発され、日本国内でも2005年10月に厚生労働省から認可を受けました。
一方、フィンペシアは承認されていません。
つまり、万が一副作用が起こってしまうと、救済制度が使えず自己責任・自己負担になってしまうのです。
基本的にフィンペシアのほうが安価ですが、だからといって安易に服用するのはおすすめしません。
AGA治療はプロペシアかジェネリック剤である「フィナステリド錠」を服用しましょう。
フィンペシアの効果
フィンペシアの主成分であるフィナステリドは、毛根の毛乳頭細胞中にある「5αリダクターゼⅡ型」の働きを阻害します。
そうすることで、男性ホルモン(テストステロン)がAGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)に変化するのを抑制するのです。
DHTの生成が減少することで、毛髪が十分に成長する前に抜け落ちるのを防ぎます。
このことからフィンペシアには髪の発毛サイクルを正常に戻し、薄毛や抜け毛を改善する効果が期待できるわけです。
ただし、フィンペシアの効果は抜け毛の改善であり、発毛を促進するものではありません。育毛と発毛のどちらも望む場合には、フィンペシアの他に「ミノキシジル」も併用することをおすすめします。
国内最大濃度かつ1本あたり3,000円のミノキシジル発毛剤はこちらで紹介しています。
効果を実感するまでの期間
フィンペシアの「効果を実感するまでの期間」については詳しいデータが存在しません。
ただし、同じ成分を持つプロペシアは、効果を実感するまで最低でも「6か月以上の継続的な服用が必要」とされています。
このことから、プロペシアと同様の成分のフィナステリドを含むフィンペシアにおいても、「効果が実感できるまでには6か月以上の継続的な服用が必要」といえるでしょう。
フィンペシアの副作用
フィンペシアの副作用についても、同じ主成分であるプロペシアとほぼ同様です。
報告されている副作用の症状には以下の3つがあります。
- 男性機能障害
- 肝機能障害
- 過敏症
副作用の頻度は他の治療薬と比較して少ないですが、一定数報告されています。
フィンペシアの詳しい副作用について正しく理解しましょう。
男性機能障害
副作用の一つが男性機能障害です。
ただし、発生頻度は1〜5%未満とほとんどありません。
さらに、以下の症例も報告されていますが、発現は極めてまれです。
- 勃起機能不全
- 射精障害
- 精液量減少
- 睾丸痛
- 血精液症
- 精液の質低下など
「服用を中止すると改善した」という報告もあります。
肝機能障害
頻度不明であり極めて少ない症例と言えますが、フィンペシアの重大な副作用として肝機能障害があります。
肝臓は薬を代謝する臓器であるため、長期間にわたる薬の服用によって肝臓がダメージを受ける可能性もあるのです。
また、メーカーも以下のような副作用の症状を報告しています。
- AST上昇
- ALT上昇
- γ-GTP上昇
このような数値に異常が起きると体のだるさを感じるようになるため、服用後は体調管理に注意してください。
過敏症
過敏症についても割合は不明ながら、フィンペシアの副作用として報告されています。
具体的な症状は以下のとおりです。
- そう痒症
- じんましん
- 発疹
- 血管浮腫など
出現の頻度は少ないですが、体質などの要因でこのような症状が出る場合もあります。
その他
その他の副作用は以下のとおりです。
- 乳房圧痛
- 乳房肥大
- 抑うつ症状
- めまい など
頻度は極わずかですが、異常を感じたら医師に相談してください。
フィンペシアの飲み方は?
フィンペシアは1日1錠(1mg)を服用します。
服用の仕方は一般的な錠剤と同じで、口に含んで水などで飲み干します。
大事なのは継続的に飲むことです。
フィンペシアの主成分であるフィナステリドは、服用を止めると効果が消えるとわかっています。
なお,内服を中止すると効果は消失する.
かならず毎日継続的に飲み、半年程度は様子を見ましょう。
「効果を強めたいから」といって2錠以上飲むのは絶対にやめてください。
過剰摂取すると副作用のリスクが高まってしまいます。
重篤な副作用はあまりありませんが、国内未承認であるため、治療費等がすべて自己負担となってしまう点に注意してください。
服用のタイミングなどは特に決まっていません。
朝昼晩のうち、お好みのタイミングで服用しましょう。
併用禁忌の薬はないとされていますが、グレープフルーツジュースはフィナステリドを分解するとも言われているため注意が必要です。
フィンペシアを購入するには?
フィンペシアを購入する方法は、基本的に「個人輸入」だけです。
なぜなら、フィンペシアは国内未承認の医薬品なのでドラッグストアやクリニックでは処方されないからです。
個人輸入の代行サイトを利用すれば、Amazonや楽天市場などで通販を利用するのと同様に手に入ります。
さらに、価格が安いため多くの人が利用していることも事実です。
ただし、医薬品の個人輸入には以下のリスクが伴うため、おすすめしません。
- 副作用が起きたときのリスク
- 偽造品を服用するリスク
- 説明文書が理解できないことによるリスク
まず、上述したとおり国内未承認であるため、副作用が起きても救済制度の対象になりません。
個人輸入は偽造品も多く、まったく効果がないどころか健康に悪影響を及ぼす恐れもあります。
説明文書はすべて外国語で書かれているため、誤った方法で服用する危険性もあるでしょう。
詳しくは後述しますが、以下の記事でも解説しています。
フィンペシアを購入する際の3つのリスク
フィンペシアの購入ルートは、ほとんどの場合で個人輸入となるため、海外から取り寄せる必要があります。
さらに、フィンペシアは国内未承認であるため、その分リスクも大きくなります。
フィンペシアを海外から個人輸入する場合には、3つのリスクに注意してください。
- 偽造薬を掴まされる恐れがある
- 処方箋がないので正しい用法用量がわからないこともある
- 副作用が起きた時に対処が遅れる
偽造薬を掴まされる恐れがある
海外から薬を直接輸入する場合、正規メーカー品を偽った偽物が届くこともあります。
ときには不衛生で劣悪な環境下で製造され、金属などの不純物が含まれていることもあるのです。
そのため、本来の効果が得られないだけでなく健康被害に見舞われかねません。
日本国内で承認されている医薬品であれば、正しい服用方法で重大な健康被害が生じた場合に「医薬品副作用被害救済制度」という救済制度が適用されます。
しかし、個人輸入された医薬品による健康被害については救済の対象外です。
したがって、できる限り国内承認済みの薬を服用することをおすすめします。
処方箋がないので正しい用法用量がわからないこともある
フィンペシアは個人輸入に頼るしか入手方法がないため、クリニックで医師が発行してくれる処方箋は存在しません。
また、商品に成分・分量などがきちんと記載されていないことも少なくなく、正しい用法用量が分からない場合もあります。
さらに、副作用についてきちんと記載されていないこともあります。
薬の飲み方の判断はすべて自己責任となり、間違った分量や回数で服用してしまった場合には健康を害する大きなリスクとなるのです。
副作用が起きた時に対処が遅れる
厚生労働省では、一般の人が海外から個人輸入した薬を自己判断で使用して副作用や不具合などが起きても、適切な対処が困難なおそれがあることを告知しています。
国内で医師から処方された以外の薬で副作用が起きた場合、適切な用法・用量で服用していても対処が遅れることを理解したうえで、服用しなければなりません。
フィンペシアを服用する時に注意したいこと
フィンペシアを服用する際には、主に2つの注意点があります。
- プロペシアやフィナステリドと併用しない
- 女性・未成年は服用しない
フィナステリドには一定の副作用がありますが、このようなことを守らないで服用した場合、さらに別の副作用が起こる可能性もあるのです。
詳しくは以下で解説します。
プロペシアやフィナステリドと併用しない
国内で承認されているプロペシアはフィンペシアと同じフィナステリドを主成分としたAGA治療薬ですが、併用することはできません。
どちらも「1日1回1錠」が用法だからです。
同じ成分の薬を1日当たりの限度を超えて飲んでも、より効果を得られるわけではありません。
反対に、副作用が出る可能性が高くなります。
健康被害のリスクが高まるため、薬の併用は絶対に避けて下さい。
女性・未成年は服用しない
フィナステリドは男性のAGA治療における専用薬なので、他の脱毛症や女性に対する適用はありません。
安全性や効果が不明である未成年についても、適用の対象外です。
また、フィナステリドは皮膚から成分を吸収してしまいます。
薬剤が破損している場合には、触れないように注意して下さい。
フィンペシアに関するよくある質問
最後に、フィンペシアに関する3つのよくある質問に回答します。
- 飲み始めてどれぐらいで効果が出るの?
- 効果が出やすい飲み方はある?
- 初期脱毛はいつから起きる?
問題を起こさないためにも、しっかり目を通しておきましょう。
飲み始めてどれぐらいで効果が出るの?
人によります。
ただ、フィンペシアと同じ主成分である「プロペシア錠」では6ヵ月としています。
3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である。また、効果を持続させるためには継続的に服用すること。なお、増量による効果の増強は、確認されていない。
まずは6ヵ月継続しましょう。
6ヵ月経って効果が認められなければ、ほかの治療法に切り替えるのがおすすめです。
AGAにはフィンペシアの内服以外にさまざまな治療方法があります。
以下の記事で治療方法をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
効果が出やすい飲み方はある?
継続することが大事です。
「効果を高めたいから」といって、用法用量以上の服用をするのは絶対にやめてください。
また、「昨日飲み忘れたから」といって気づいたときに2日分飲むのもおすすめしません。
1日1錠にとどめておきましょう。
飲み忘れを防ぐには、「朝食後」など「いつ飲むか」を決めておくのが大事です。
初期脱毛はいつから起きる?
初期脱毛は1〜2ヵ月で起きるといわれています。
ただし、人によって起きないケースもあります。
そもそもフィンペシアの主成分であるフィナステリドは、学者のなかでも「初期脱毛は起こる」「起こらない」で意見が割れているのです。
詳しくは下の記事をご覧ください。
まとめ
AGA治療薬「フィンペシア」についてまとめます。
- フィンペシアの主成分はプロペシアと同じ
- 安価で手に入る反面、偽物のフィンペシアを掴まされるなど、多くのリスクがある
- 頻度は少ないが、フィンペシアには肝機能障害などの副作用が起こる場合もある
- フィンペシアは男性専用の治療薬で、女性や未成年の適用はない
フィンペシアは厚生労働省から認可を受けていない未承認薬です。
たしかに価格は安いですが、多少高くても安心して飲める「プロペシア」「フィナステリド錠」の服用を推奨します。