頭皮が赤いのは薄毛のサイン?湿疹やかゆみなどを感じる原因と対処方法
「携帯のカメラで撮ったら、頭皮が赤くなっていた」
「何度も頭皮が赤くなるんだけど、これは病気?」
このように「頭皮の赤み」を気にする方は少なくありませんよね。
頭皮が赤くなるのは薄毛のサインではないものの、異常が発生している可能性が高いです。
本記事では専門家監修のもと、以下の点について詳しく解説します。
- 頭皮が赤くなる原因
- 頭皮の赤みが悪化した際に見られる症状
- 頭皮の赤み防止策と対処法
最後まで読むことで科学的根拠に基づいた情報が手に入り、具体的に「どうすればいいか」がわかります。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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頭皮が赤くなるのはSOSのサイン
頭皮が赤いのは、何らかのトラブルが起きているサインです。
なぜなら、健康的な頭皮は青白い色をしているからです。
たとえば、このような頭皮の色なら問題ありません。
一方、異常が見られると次のように赤くなります。
もっとも、赤みの程度によって危険度は異なります。
一部だけ赤くなっているだけなら、危険度は「そこまで高くない」といえるでしょう。
一方、全体的に赤みが広がっていたり、痛みやヒリヒリ感があったりする場合は早めに対処しなければなりません。
ひどくなると、一時的に抜け毛が増加してしまう恐れがあります。
ただ、冒頭でも解説したとおり、頭皮が赤くなるからといって薄毛が進行するわけではありません。
頭皮の赤みと薄毛は原因が異なります。
頭皮の赤み | 薄毛 | |
原因 | 頭皮環境の悪化 | 男性ホルモン |
症状 | 一時的に抜け毛が増える恐れがある | どんどん髪が薄くなっていく |
治療法 | 保湿剤、ステロイド剤など | フィナステリド・デュタステリドの内服 ミノキシジルの外用 |
頭皮の赤みは自分でも改善できますが、薄毛は治療しなければどんどん進行してしまいます。
自分の頭皮を見てもらいたい場合、薄毛管理アプリの「HIX(ヒックス)」を使ってみるのもおすすめです。
HIXを使えばプロの毛髪診断士とAIが頭皮を分析してくれます。
詳しい使用感は下を参考にしてください。
頭皮が赤くなる原因
頭皮の赤みを治療するには原因を突き止めるのが大事です。
主な原因は以下の2つです。
- 血行不良
- 乾燥や紫外線などによる炎症
それぞれ解説します。
1.血行不良
血行不良によって、頭皮が赤くなる恐れがあります。
どういうことかというと、血行不良になると頭皮に栄養素が届かなくなり、肌のターンオーバーが乱れてしまうのです。
そうするとバリア機能が低下して、頭皮に炎症ができやすくなってしまいます。
血行不良になる原因はさまざまです。
- 過度なストレス
- 睡眠不足
- 生活習慣の乱れ
- ホルモンバランスの乱れ
心当たりがある場合、これらをしっかり改善しましょう。
詳しくは記事の後半で説明しています。
2.乾燥や紫外線などによる炎症
乾燥や紫外線など、頭皮にダメージが蓄積することによって赤くなる可能性もあります。
乾燥肌の場合、しっかりと保湿しなければバリア機能の低下を招き、肌の水分が蒸発してしまいかねません。
そうすると、頭皮がよりダメージを受けやすくなってしまうのです。
自分の肌質に合ったシャンプーを使ったりこまめに保湿したりして、乾燥を防ぎましょう。
紫外線も同じです。
浴び続けると頭皮のバリアが壊れ、肌トラブルを引き起こしてしまいます。
とくに頭皮は紫外線をもっとも浴びやすいところです。
普段から外で仕事するなど紫外線を浴びやすい環境下にある場合、できるだけ対策しましょう。
以下の方法で紫外線対策をするのがおすすめです。
- 帽子を被る
- 日傘を使う
- 日焼け止めを塗る
紫外線を浴び続けてしまうと、抜け毛の増加につながる危険性もあります。
詳しくは下の記事でまとめています。
頭皮が赤くなってしまう病気とは
頭皮が赤くなってしまう原因として以下のような病気の可能性もあります。
それぞれどういった病気なのか紹介します。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、頭皮などのように皮脂の分泌が多い場所を中心に発生する皮膚炎です。
皮脂は本来、皮膚や髪の毛を保護して潤いを保つ働きがあるのですが、過剰に分泌されることでニキビができてしまったり、赤く炎症が起きたりしてしまうのです。
炎症の程度が激しかったり痒みやかさつきがなかなか治らない場合は早めにクリニックを受診しましょう。
接触皮膚炎
接触皮膚炎とは、皮膚に何かの物質が接触した事による刺激やアレルギー反応となって湿疹ができてしまう症状です。
一時的な症状で治まるケースが多いですが、原因となっている物質に触れるたびに発生してしまうため、自分のアレルギーを把握しておくと再発を防げます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、皮膚に強い痒みを伴った炎症が発生する症状です。
家族に喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などにかかったことがある人が多い場合に発生することが多いといわれています。
アトピー性皮膚炎を完治させることは難しく、ステロイド外用薬や保湿剤を塗ることで痒みを和らげる治療がメインになります。
痒みを伴った赤みが目立つ場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
毛嚢炎
毛嚢炎とは、毛穴の奥の毛根部分を包んでいる「毛嚢」に炎症が発生する症状です。
毛嚢部分に小さな傷ができてしまうことで、細菌が入り込んでしまい感染することによって発症します。
なかなか治らない場合はクリニックを受診し、抗菌薬を用いて治療しましょう。
頭皮の赤みが悪化した際に見られる症状
頭皮に赤みが発生したら、できるだけ早めに治療しましょう。
ここでは悪化してしまった際の症状を2つ紹介します。
- 湿疹
- 薄毛
これらは治療である程度改善できる可能性が高いので安心してください。
1.湿疹
赤みを放置してしまうと、湿疹を引き起こす恐れがあります。
フケが増えたり痛みやヒリヒリ感を覚えたりすることもあるので気をつけてください。
湿疹が起きると、なかなか自然には治りません。
シャンプーを変えたりステロイド剤を試したりする必要があります。
詳しくは下の記事をご覧ください。
2.薄毛
さらに症状が悪化すると、一時的な薄毛につながります。
ただし、後述する「頭皮の赤み防止策と対処法」を試せば改善できる可能性もあるので安心してください。
ここで大事なのが「頭皮環境が悪化したことによる薄毛」なのか「AGAによる薄毛」なのかを区別することです。
前者の場合、後述した点を読めば改善できる可能性がありますが、後者の場合、治療しなければなりません。
それどころか、「薄毛なのは頭皮環境が悪化しているからだ」と思い込んで放置してしまうと、どんどん髪が薄くなります。
以下の特徴に当てはまった場合、AGAの可能性が高いです。
- 抜け毛が細く弱々しい
- 生え際が徐々に後退している
- 一気に抜けるわけではなくゆっくりと髪が薄くなっている
AGAは進行性なので、治療しない限り改善しません。
逆に言うと、治療をはじめることで進行を食い止められる可能性があります。
詳しくは下の記事を参考にしてください。
頭皮の赤み防止策と対処法
頭皮の赤みを改善する方法はいくつかあります。
ここでは5つの方法を紹介します。
- 生活習慣の見直し
- ミコナゾール配合のシャンプー
- 市販のステロイド剤
- 頭皮マッサージ
- 肌に合うヘア用品の選定
ぜひ順に実践してみてください。
生活習慣の見直し
まずは生活習慣を見直しましょう。
見直すべきポイントは以下のとおりです。
- 定期的なストレス発散
- 睡眠時間の確保
- バランスの取れた食事など
当たり前のことですが、すべて重要です。
これらを実践したうえで、次で紹介する「対処法」を試してみましょう。
ミコナゾール配合のシャンプー
ミコナゾール配合のシャンプーは、頭皮の「かび」を抗菌する効果があります。
シャンプーを以下のものに変えてみましょう。
- コラージュフルフルスカルプシャンプー
- メディクイックH頭皮のメディカルシャンプー
- スカルプD 薬用スカルプシャンプーダンドラフオイリー
これらはすべて抗菌作用の「ミコナゾール」が含まれています。
詳しくは下の記事をご覧ください。
市販のステロイド剤
シャンプーを使っても改善しない場合、市販の保湿剤やステロイド剤を試してみましょう。
軽い症状のものであれば、市販のステロイド剤で改善できる可能性があります。
以下の薬ならドラッグストアや通販で購入可能です。
- ベトネベートN軟膏AS
- フルコートfなど
それでも改善しない場合、早めに医療機関を受診してください。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージすることによって血行促進効果が期待できます。
ただし、やり方を間違えると頭皮を傷つけてしまいかねません。
以下の記事で頭皮マッサージの方法などを紹介しています。
肌に合うヘア用品の選定
シャンプーやワックスなど、自分の肌質に合ったものを使いましょう。
肌質に合わないものを使ってしまうと、頭皮環境が悪化してしまいかねません。
下の動画などで、自分の肌質をチェックしてみてください。
頭皮の赤みに関するよくある質問
ここでは、頭皮の赤みに関するよくある下記4つの質問に答えます。
- 頭皮が赤くなる原因は何?
- 頭皮が赤くなった場合の症状は?
- 頭皮が赤くなってしまう病気はある?
- 頭皮が赤くなった場合の対処法は?
それぞれ解説します。
頭皮が赤くなる原因は何?
頭皮が赤くなってしまう原因としては、さまざまなケースが考えられますが代表的な原因は以下の2つです。
・血行不良
・乾燥や紫外線などによる炎症
また、この他にも後で紹介する病気によって赤みが発生する可能性もあります。
頭皮が赤くなった場合の症状は?
頭皮に赤みが発生してしまい、症状が悪化してしまった場合の症状は以下の2つです。
- 湿疹
- 薄毛
これらの症状を放置したままにしてしまうと、いつまで経っても治らないということもあるため、早めにクリニックを受診して治療を受けましょう。
頭皮が赤くなってしまう病気はある?
頭皮が赤くなってしまう病気としては、以下の4つが考えられます。
- 脂漏性皮膚炎
- 接触皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 毛嚢炎
これらの症状が発症した場合、放置しておくことで治ることは滅多にありませんので、早めにクリニックを受診し適切な治療を受けましょう。
頭皮が赤くなった場合の対処法は?
頭皮が赤くなってしまった場合に、すぐできる対処法としては以下の5つがあります。
- 生活習慣の見直し
- ミコナゾール配合のシャンプー
- 市販のステロイド剤
- 頭皮マッサージ
- 肌に合うヘア用品の選定
それでも改善しない場合は皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。
さいごに
頭皮が赤くなるのと薄毛の関係についてまとめます。
- 頭皮が赤くなるのとAGAは関係なし
- なぜなら頭皮が赤くなるのは頭皮環境の異常が原因で、AGAは男性ホルモンが原因だから
- 一方で頭皮が赤くなると、一時的な抜け毛増加につながる
- 生活習慣などを変えてみて、改善を試みる
- 改善しない場合はステロイド剤などを試す
今回紹介した方法を試しても改善しない場合、医療機関を受診しましょう。
赤みを放っておいたまま悪化してしまうと、湿疹や抜け毛などのトラブルまで引き起こす恐れがあります。