薄毛予防になる育毛シャンプーの選び方|効果や有効なヘアケアの流れ、注意点
薄毛予防を考える際に、はじめに「使ってみよう」と感じるのが育毛シャンプーですよね。
ただ、次のような疑問を感じる方もいるでしょう。
「薄毛の育毛シャンプーって本当に効果があるの?」
「薄毛の育毛シャンプーはどうやって選べばいい?」
この記事では、以下の点を詳しく解説します。
- 育毛シャンプーの3つの効果
- 育毛シャンプーを選ぶ3つのポイント
- 効果的な育毛シャンプーの使い方
科学的根拠に基づいてシャンプーの効果と選び方を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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薄毛に効く?育毛シャンプーの効果
はじめに、育毛シャンプーの効果を3つ紹介します。
- 頭皮・髪を健やかに保てる
- 髪にハリやコシを与える
- 頭皮の乾燥を防げる
強調したいのは「育毛シャンプーを使っても薄毛は改善しない」という点です。
ただ、頭皮や髪を清潔かつ健康的に保つことができます。
頭皮環境の悪化による抜け毛予防には効果的なので、薄毛に悩む場合は、育毛シャンプーを使ってみてください。
頭皮・髪を健やかに保てる
育毛シャンプーは頭皮・髪を健やかに保つ成分が含まれています。
よく含まれている成分とそれぞれの効果は以下のとおりです。
グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症・抗菌作用 |
イソプロピルメチルフェノール | 殺菌・消臭効果 |
センブリエキス | 抗炎症作用や抗酸化作用 |
イチョウ葉エキス | 血行促進・抗酸化作用 |
アデノシン | 成長因子の産生促進 |
t-フラバノン | 毛母細胞の成長を促進 |
ビタミンE | 血行促進・抗酸化作用 |
アデノシン、t-フラバノンは「AGAガイドライン」においても使用が推奨されています。
ただし、AGAを改善させるものではない点に注意してください。
アデノシンに関しては下の記事で詳しく解説しています。
髪にハリやコシを与える
頭皮環境を健康に保つだけじゃなく、ハリやコシを与えます。
たとえば、アデノシンの場合、「軟毛率が減って太毛率が増加した」とわかっているのです。
また,0.75%アデノシン配合ローションを用いた,38 名の男性被験者を対象とした観察期間 6 カ月間のランダム化比較試験において,アデノシン配合ローション群では対照群と比較して,毛髪径 40 μm 未満の軟毛率が有意に減少(P=0.0154),毛髪径 60 μm 以上の太毛率が有意に増加(P<0.0001),さらには頭髪の密度も有意に増加していた(P=0.0470).
したがって、「今ある髪」を強くするシャンプーとしておすすめです。
頭皮の乾燥を防げる
育毛シャンプーは頭皮の乾燥を防げます。
頭皮が乾燥すると皮脂が油分を過剰分泌しやすくなり、脂漏性湿疹などを引き起こしてしまいます。
乾燥肌の方は育毛シャンプーを使ってみましょう。
育毛シャンプーを選ぶ3つのポイント
次に、「どれを選べばいいかわからない」という方に向けて育毛シャンプーを選ぶポイントを3つ紹介します。
- アミノ酸系界面活性剤が含まれている
- 頭皮の状態に合った成分を選ぶ
- 無理のない価格帯のものを選ぶ
シャンプー選びの参考にしてくださいね。
アミノ酸系界面活性剤が含まれている
おすすめは「アミノ酸系界面活性剤」が含まれているシャンプーです。
なぜなら、頭皮を保湿してくれるからです。
以下の成分が代表的な「アミノ酸系界面活性剤」とされています。
N-アシルタウリン塩
アシル化グルタミン酸塩
それぞれの特徴は以下のとおりです。
N-アシルタウリン塩 | アシル化グルタミン酸塩 | |
刺激 | 少ない | 少ない |
洗浄力 | 弱い | 強い |
洗い上がり | しっとり | しっかり |
なめらかな髪にしたい場合、N-アシルタウリン塩が含まれているかどうかを確認してください。
しっかり洗いたい場合は、洗浄力のあるアシル化グルタミン酸塩があるかどうかに注目しましょう。
頭皮の状態に合った成分を選ぶ
シャンプーは頭皮の状態に合った成分を選ぶのがおすすめです。
頭皮の状態に合っていないと、乾燥が起きたりフケが出たりしやすくなります。
自分の肌質がわからない場合、以下を参考にしてください。
それぞれの肌質に合ったシャンプーの成分は以下のとおりです。
普通肌 | ココイルメチルタウリンNa
ラウロイルメチルタウリンNa ミリストイルメチルタウリンNa ステアロイルメチルタウリンNa |
脂性肌 | N-アシルタウリン塩
アシル化グルタミン酸塩 |
乾燥肌 | ココイルグルタミン酸Na
ココイルグルタミン酸TEA ココイルグルタミン酸k ラウロイルグルタミン酸Na ラウロイルグルタミン酸k ミリストイルグルタミン酸Na ラウロイルグルタミン酸TEA ステアロイルグルタミン酸Na |
混合肌 | ココイルメチルアラニンNa
ラウロイルメチルアラニンNa ラウロイルメチルアラニンTEA ココイルアラニンTEA ミリストイルメチルアラニンNa |
これらを参考にして、自分に合ったシャンプーを見つけてください。
無理のない価格帯のものを選ぶ
無理のない価格帯のシャンプーを選びましょう。
シャンプーは毎日使用するものだからです。
「高いから」「面倒だから」といって湯シャンで済ませる方もいますが、おすすめできません。
湯シャンだけでは髪や頭皮の汚れを落とせないからです。
詳しくは下の記事をご覧ください。
効果的な育毛シャンプーの使い方
シャンプーは正しい使い方を知っておくのが大事です。
正しいシャンプーの手順は以下のとおりです。
- シャンプー前にブラッシングする
- ぬるま湯で予備洗いする
- 優しくシャンプーする
- 丁寧にすすぐ
これらを意識してシャンプーしましょう。
シャンプー前にブラッシングする
シャンプー前に軽くブラッシングしてください。
ブラッシングには次の効果があります。
- 髪のもつれなどを解くことができ、効果が浸透しやすい
- 事前にホコリやちょっとした汚れを取り除くことができ、保湿効果などを得やすい
もっとも、かならずしもやる必要はありません。
面倒な場合はいわゆる「手ぐし」でも大丈夫です。
ぬるま湯で予備洗いする
次に、38〜40℃のぬるま湯で髪を洗い流しましょう。
38〜40℃のぬるま湯で洗うことで、熱による頭皮のダメージを最小限に抑えられます。
予備洗いは1分程度時間をかけるのがおすすめです。
髪や頭皮の汚れは、この段階である程度落ちます。
優しくシャンプーする
続いて、シャンプーを手に取りましょう。
いきなり原液を頭皮につけるのは良くありません。
原液は洗浄力が強いため、髪の保湿に必要な油分まで奪い取ってしまいます。
軽く手のひらで泡立てて、髪をマッサージするようにシャンプーしてください。
力を入れたり爪で擦ったりすると、傷ができてしまうので気をつけましょう。
頭皮はデリケートなので、力を入れずに指の腹でやさしく洗うのが大事です。
丁寧にすすぐ
最後に、丁寧にすすぎましょう。
すすぎは1分以上時間をかけるのが大事です。
なぜなら、すすぎ残しがあると汚れが酸化し、頭皮環境に悪影響を及ぼす恐れがあるからです。
また、毛穴に詰まって抜け毛の原因になる恐れもあります。
シャワーなどでしっかりと洗い流してください。
洗い流したあとは、すぐに髪を乾かすのが大事です。
放っておくと、頭皮に雑菌が繁殖しやすくなります。
タオルドライし、ドライヤーで完全に髪を乾かしてください。
育毛シャンプーを使う時の疑問点
最後に、育毛シャンプーを使う時の疑問点に回答します。
- 1日のシャンプーの回数は?
- シャンプーは朝か夜かどっちがいい?
- 髪をすすぐ時の方向は?
これらに疑問を感じる方は、ぜひ最後までご覧ください。
1日のシャンプーの回数は?
通常のシャンプーと同じように1日1回がおすすめです。
育毛シャンプーは「育毛」と付いているだけで、通常のシャンプーと変わりません。
冒頭で説明したとおり薄毛を改善するものではないため、何回使っても効果は変わらないので気をつけてください。
それどころか、シャンプーを使いすぎると頭皮に必要な皮脂まで洗い落としてしまいます。
使いすぎないよう心がけましょう。
シャンプーは朝か夜かどっちがいい?
夜のバスタイムに使用するのがおすすめです。
なぜなら、一日分の汚れを落とすことができるからです。
いわゆる「朝シャン」もけっして悪いことではありません。
しかし、生活しているとさまざまな汚れが頭皮に付着します。
「朝にシャンプーするから」といって洗わずに寝てしまうと、頭皮や枕に雑菌が繁殖しやすくなります。
髪をすすぐ時の方向は?
どちらでも構いません。
大事なのは「すすぎ残しがないようにすること」です。
自分のやりやすい方向で、シャンプーをしっかり洗い流しましょう。
まとめ
薄毛の育毛シャンプーについてまとめます。
- 育毛シャンプーは薄毛を改善できるものではない
- ただ、頭皮環境を整えたり髪にハリやコシを与えたりする効果はある
- アミノ酸系界面活性剤が含まれているシャンプーを選ぶのがおすすめ
- 正しい「洗い方」も把握しておくべき
- 1日1回にとどめ、できれば夜にシャンプーする
薄毛が気になる方は、シャンプーも大事ですが科学的根拠に基づいた「対策」や「治療」も重要です。
残念ながら育毛シャンプーには、発毛効果が期待できる成分は含まれていません。
国に発毛効果が認められた薄毛の治療薬はこちらをご覧ください。