【薬剤師監修】AGAの治療費用はどれぐらい?保険は適用される?

【薬剤師監修】AGAの治療費用はどれぐらい?保険は適用される?

薄毛に悩む人がAGA治療を始めるときには「どれくらいの治療費がかかるのか」「保険は適用されるのか」という費用面の心配もあることでしょう。

そこで今回は、クリニックでAGA治療をおこなう場合の費用相場について解説します。
また、気になる薄毛治療の保険適用についても説明します。

この記事でわかること
  • 1ヶ月あたりにかかるAGA治療費相場と内訳
  • 薄毛の治療方法
  • AGA治療と保険適用について
  • 治療期間

AGA治療の費用相場がわかり「月にどのくらいかければいいのか」という目安を知ることができるため、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師・医学修士
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。

AGA治療の1ヶ月あたりの費用相場

AGA治療費相場は、1ヶ月あたり5,000円〜30,000円程度です。
薄毛治療は目的や必要性により治療方法が変わってくるため、その費用も大きく異なります。

あくまで参考程度ですが、以下をご覧ください。

治療方法 相場
内服薬治療(フィナステリドなど) 5,000〜30,000円
外用薬治療(ミノキシジル) 3,000〜7,000円(1本あたり)
注入治療 16,500〜80,000円(1回あたり)
植毛治療(自毛植毛) 200,000円(基本治療費)

AGA治療は最低でも6ヶ月以上の治療が求められるうえに、その後もずっと続けていかなければなりません。
したがって、「続けられる範囲」の費用で治療方法を選ぶのが大事です。
途中で治療をやめてしまうと、効果がなくなってしまいかねません。

注入治療や植毛治療は高い効果を得られる一方、安全性や有用性の面でわかっていない部分も少なくありません。
まずはフィナステリドの内服、ミノキシジルの外用からはじめましょう。

AGA治療にかかる費用の内訳

AGAの治療費用には、主に3つの要素があります。

  • 初診・再診療
  • 検査料
  • 薬代

どのくらいの費用が必要になるのかは以下で詳しく説明します。

初診・再診療

AGA治療の診察代における費用相場は以下のとおりです。

初診 無料~5,000円
再診療 無料~3,000円

このように高くても初診料として5,000円、再診療として1,000円~3,000円程度がかかることが多いです。
もっとも、クリニックによってはどちらの費用も「無料」としているところもあります。

初診料は初回の来院のみ必要な費用です。
一方、再診料は受診の度に毎回請求されることになるため、治療費がかさむ原因になります。
通院が長期にわたる可能性もあるため、初診料を無料としているクリニックを選んだほうがよいでしょう。

検査料

医師がAGA治療を開始するにあたり、体の状態を把握する必要があります。
そのため初回や年に一度、血液検査やマイクロスコープによる診断がおこなわれるのですが、費用相場は次の通りです。

・血液検査 無料~10,000円
・マイクロスコープ

血液検査は薄毛の原因がAGAによるものか、投薬治療が可能かなどを判断するためおこなわれます。
また、マイクロスコープで毛根の状態を見ることで、AGAの状態であるかを早期に判断できるのです。

これらの検査は1回5,000円〜10,000円で別途必要になる費用ですが、クリニックによっては無料の場合もあります。

薬代

AGA治療の費用でもっとも高額となるのが薬代です。
治療薬の相場を知ることで、いくらかかるのかを前もって予想することができます。

クリニックで医師から処方される薬は本人の症状により異なります。
ただし、次の薬であれば大多数のクリニックで処方されているため、治療費の目安として参考にしてください。

薬の種類 薬代相場
内服薬プロペシア(フィナステリド) 5,000円~8,000円
内服薬ザガーロ(デュタステリド) 8,000円~10,000円
内服薬ミノキシジル 8,000円~10,000円
外用薬ミノキシジル 10,000円~15,000円

薄毛の症状により医師が必要と判断した場合には、2種類以上の薬を組み合わせて処方されることもあります。
その場合には、1ヶ月あたりの治療費が増えることにもなるのです。

AGAの治療方法

AGAには4つの治療方法があります。

  • 内服薬
  • 外用薬
  • 注入治療
  • 植毛

自分の体質や希望に合った治療内容を選びましょう。

内服薬

内服薬での治療は、もっともスタンダードな治療方法の一つです。
多くのクリニックで処方されている治療薬は以下のとおりです。

治療の目的 薬の種類
抜け毛予防 プロペシア(フィナステリド)
フィナステリド錠(プロペシアのジェネリック)
ザガーロ(デュタステリド)
デュタステリド錠・カプセル(ザガーロのジェネリック)
発毛促進 ミノキシジル

治療の目的「AGAの進行を食い止める」という場合、プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)などの内服薬が処方されます。
どちらもAGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の発生を抑制する働きがあるため、抜け毛の防止が期待できるのです。

発毛効果を得るために、ミノキシジルの内服薬が処方されることもあります。
ただし、ミノキシジルの内服薬は重篤な副作用を引き起こす恐れがあるため、世界中で治療薬として認められていません。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

外用薬

外用薬も有効性を認められています。
「AGAガイドライン」においてもっとも推奨されているのが「ミノキシジルの外用薬」です。
ミノキシジルの外用薬は頭皮に直接塗ることで毛乳頭細胞や毛母細胞の増殖を促し、乱れたヘアサイクルを正常に戻して発毛を促進します。

ただ、ミノキシジルの外用薬は商品によって値段が大きく異なります。
発毛成分が認められているのは「ミノキシジルだけ」なので、濃度と価格で選ぶのがおすすめです。
国内最大濃度で1本あたり3,000円のミノキシジル発毛剤はこちらをご覧ください。

注入治療

AGA治療には発毛効果のある薬剤を頭皮に直接注入する方法もあります。
一般的な注入治療には「メソセラピー」「HARG療法」の2つがあり、それぞれ以下のような特徴があるのです。

メソセラピー HARG療法
特徴 皮膚由来の幹細胞から抽出した成長因子、ミノキシジルなどをクリニックが独自にブレンドした薬液を注入 脂肪由来の幹細胞を培養・ろ過し、粉末化したHARGカクテルを注入
注入方法 注射・針付ローラー・レーザー・炭酸ガスなど 注射・炭酸ガスなど
費用 1回あたり20,000円~60,000円 1回あたり10万円~15万円

高い効果を得られる可能性がある一方、非常に高額なので気をつけてください。

植毛

自毛植毛とは、男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部の髪を毛根ごと移植する方法です。自分の髪であるため自然な仕上がりとなり、その後は「成長を続ける」と言われています。

ただし、植毛には移植に必要なだけの充分な毛量があること、高額なAGA治療費用が捻出できることが条件となります。
特に費用面では300,000円〜2,000,000円にものぼり、薄毛治療としてはもっとも高額です。

AGA治療に保険は適用される?

AGA治療に保険は適用されません。
そのためAGA治療は「自由診療」となり、各クリニックで料金を自由に設定できるのです。
高額な治療費がかかっても医療費として所得から控除してもらうことはできません。

保険適用外であることは、AGA治療の専門クリニックではなく街の皮膚科で薄毛治療を受ける場合も同じです。
自由診療となるため、医師から処方される内服や外用薬の育毛・発毛剤、医師がおこなう発毛や増毛のための治療も全額が実費負担となります。

一部保険が適用されるケースもある

脱毛症は、AGAだけではありません。

  • 円形脱毛症
  • 脂漏性脱毛症
  • 牽引性脱毛症など

このようにさまざまな脱毛症があります。
AGAの次に気をつけるべきなのが「円形脱毛症」ですが、一部の治療は保険が適用されるのです。

まず、AGAと円形脱毛症の違いを簡単に紹介しましょう。

AGA 円形脱毛症
症状 ・生え際から後退する

・年単位でゆっくり進行する

・いわゆる「10円ハゲ」がポツポツとできる

・一気に進行する

原因 ・男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)

・遺伝

不明

(自己免疫疾患の可能性が示唆されている)

主な治療法 ・フィナステリドの内服

・デュタステリドの内服

・ミノキシジルの外用

・ステロイド外用療法

・ステロイド局所注射療法

・局所免疫療法

円形脱毛症に対する治療方法のうち、「ステロイド外用療法」「ステロイド局所注射療法」は保険が使えます。
なぜかというと、円形脱毛症は関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどと同じ自己免疫疾患の可能性が示唆されているからです。
一方で、AGAで保険が使えるものはありません。

このように原因と治療法が大きく異なるので注意してください。
たとえば、AGAの治療薬を使っても円形脱毛症は治りませんし、その逆も同じです。

AGAと円形脱毛症は併発することもあります。
日本ではいわゆる「混合診療」が認められていないため、AGAの保険外診療と円形脱毛症の保険診療を混合させることはできません。
両方治療する場合、どちらも保険外診療となります。

円形脱毛症の治療について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

医療費控除も対象外

AGAの治療は医療費控除の対象外ですが、円形脱毛症は対象です。

なお、女性の「FAGA」も医療費控除の対象となることはありません。
FAGAに関しては下の記事をご覧ください。

AGAの治療はいつまで続ける必要がある?

AGA治療を行った結果、早い人では3ヶ月ほどで効果を感じ始めます。
ただし、その段階では満足できるレベルに達しているとは言えず、さらに長い治療期間が必要となるでしょう。

一般的には、最低でも6ヶ月の継続治療が必要と言われています。
もっとも、その後も治療を続けることで効果が長く持続することが分かっています。

ただし、AGAの原因は男性ホルモンや遺伝などが大きく関係しているため、治療を止めれば次第に治療前の状態に戻ってしまう可能性が高いです。
そのため、現在治療中の人は、自己判断で薬の使用を中止してはいけません。

薄毛治療に一定の効果が出て来た場合には、医師の判断により薬の量を減らすことも可能になります。
2種類の薬を組み合わせて服用している場合には、1種類のみに減らしてもらえることもあるでしょう。

中には「薬を一生飲まないといけないのか?」という疑問を持っている人も多いでしょう。
多くの場合、加齢により薄毛が気にならなくなった時点で治療を止めます。

まとめ

AGAの治療費用についてまとめます。

  • AGA治療にかかる1ヶ月あたりの治療相場は5,000円~30,000円程度
  • 治療費には「初診・再診療」「検査料」「薬代」の3つが含まれる
  • AGAの治療方法には、薬の服用や植毛などの4つの方法がある
  • 健康保険は適応外、AGA治療は全額が自己負担となる

AGA治療には健康保険が適用されません。
自分が続けられる治療方法でAGAの改善に向き合いましょう。

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