デュタステリドが効かない時の対処法は?原因や副作用、取り扱いについても解説
「デュタステリドを使っているけどなかなか効かない」
「効かない場合の対処法が知りたい」
デュタステリドでAGA治療をはじめても、なかなか効果が現れずにこう感じる男性は少なくありません。
しかし、デュタステリドはAGAの治療薬としてもっとも高く推奨されているのも事実です。
本記事では、デュタステリドが効かない場合の対処法を求めている方に向けて以下の点を解説します。
- デュタステリドが効かない4つの原因
- デュタステリドが効かない場合の対処法3選
- デュタステリドの服用・取扱における5つの注意点
「デュタステリドが効かない時はどうすればいいのか」という悩みを科学的に解決できるので、ぜひ最後までご覧ください。
デュタステリドとは
まずはデュタステリドの基本的な効果と副作用を解説します。
デュタステリドによる治療を検討している方やフィナステリドとの違いを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
-
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
最新の投稿
デュタステリドの効果
デュタステリドはフィナステリドと同じく「5αリダクターゼ」のはたらきを阻害し、AGAの進行を食い止める効果があります。
臨床試験においても有用性が認められています。
国内で実施されたデュタステリド 0.5 mg/日を用いた,120 名の男性被験者を対象とした観察期間 52 週間の非ランダム化試験において,直径 30 μm 以上の非軟毛数,硬毛数,非軟毛直径が 52 週に各々 13.5/cm,15.2/cm,6.5 nm 増加した.
こういった点からフィナステリドと並んで、「AGAガイドライン」では推奨度:A(行うよう強く勧める)と評価されているのです。
デュタステリドの効果が実感できる期間
短くて12週間、平均で6ヶ月以上必要です。
添付文書には次のような記載があります。
投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。
出典:ザガーロ添付文書
詳しくは下で解説します。
デュタステリドの副作用
主な副作用は以下のとおりです。
- リビドー減少
- インポテンツ
- 射精障害など
ただ、発現率は極めて低いので安心してください。
詳しくは以下の記事でまとめています。
デュタステリドが効かない4つの原因
デュタステリドはAGA治療としてもっとも高く評価されている内服薬です。
「効かない」と感じる場合は、まず原因を突き止めましょう。
主な原因は以下の4つです。
- 服用から6ヵ月経過していない
- 用法用量を守っていない
- 正規品以外の薬を服用している
- 薄毛の原因が他にある
それぞれ解説します。
服用から6ヵ月経過していない
デュタステリドは平均して6ヵ月が経過した頃に効果が現れます。
乱れたヘアサイクルを正常化するのに、一定の時間が必要なのです。
まずは6ヶ月使い続けましょう。
用法用量を守っていない
デュタステリドの用法用量は以下のとおりです。
男性成人には、通常、デュタステリドとして0.1mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与する。
出典:ザガーロ添付文書
毎日服用しなければなりません。
不定期になったり忘れたりすると、効果が出にくくなってしまうので気をつけてください。
正規品以外の薬を服用している
個人輸入など医師の処方以外で手に入れた場合、偽物の可能性があります。
かならず国内で正規品のデュタステリドを処方してもらいましょう。
なお、効かないどころか、万が一健康に悪影響が出たとしても、国内の救済制度が使えません。
個人輸入のリスクは下の記事で解説しています。
薄毛の原因が他にある
デュタステリドが推奨されているのはAGAだけです。
円形脱毛症や脂漏性脱毛症など、他の原因には効果がありません。
デュタステリドが効かない場合の対処法
デュタステリドが効かない場合、あなたが取るべき選択肢は3つです。
- 用法用量を守って6ヵ月間飲み続ける
- ミノキシジルを併用する
- フィナステリドに変更する
それぞれ解説します。
用法用量を守って6ヵ月間飲み続ける
まずは用法用量を守って6ヵ月間飲み続けましょう。
6ヶ月経って効果が出ない場合、以下の2つを試してみてください。
ザガーロの添付文書にも次のような記載があります。
本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の改善がみられない場合には投薬を中止すること。また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。
出典:ザガーロ添付文書
ミノキシジルを併用する
デュタステリドが効く・効かないに限らず、ミノキシジルと併用するのは大事です。
なぜかというと、デュタステリドとミノキシジルは併用することでもっとも効果を発揮するからです。
デュタステリドはAGAの進行を食い止められる可能性がありますが、発毛効果はありません。
一方で、ミノキシジルはAGAの進行を遅らせることはできなくても、発毛効果は認められているのです。
ミノキシジルは通販で簡単に手に入ります。
デュタステリドと併用するべきミノキシジル発毛剤はこちらで紹介しています。
フィナステリドに変更する
デュタステリドとフィナステリドは同じ効果がありますが、有効成分が異なります。
そもそも、AGA治療の内服薬としてもっともポピュラーなのはフィナステリドです。
デュタステリドが効かない場合、医師に相談してフィナステリドの服用を検討しましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
デュタステリドの服用・取扱における注意点
デュタステリドの服用・取り扱いにはいくつか注意点があります。
とくに、以下の7つに注意してください。
- 肝臓に持病がある方は医師に相談する
- 女性・未成年はカプセルに触らないようにする
- 用法用量を守って2回分一度に服用しないようにする
- カプセルは噛まずに飲み込むようにする
- 服用中及び服用後半年間は献血をやめる
- アボルブと一緒に服用しない
- がん検査の際は服用を申告する
肝臓に持病がある方は医師に相談する
肝臓に持病がある方は、使用する前に医師に相談しましょう。
デュタステリドは主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する恐れがあるのです。
ザガーロの添付文書にも、次のような記載があります。
次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 女性
2.3 小児等
2.4 重度の肝機能障害のある患者出典:ザガーロ添付文書
女性・未成年はカプセルに触らないようにする
女性・未成年はカプセルに触らないようにしてください。
デュタステリドは経皮吸収、つまり触っただけで体内に吸収される恐れがあります。
触れてしまった場合、すぐに石鹸と水で洗い流しましょう。
用法用量を守って2回分一度に服用しないようにする
用法用量はかならず守ってください。
「1日飲み忘れたから」といって2回分一度に服用するのは良くありません。
カプセルは噛まずに飲み込むようにする
カプセルは一気に飲み込みましょう。
内容物が口腔咽頭粘膜を刺激する恐れがあります。
服用中及び服用後半年間は献血をやめる
デュタステリドを服用した状態で献血することはできません。
女性・未成年にデュタステリドが混じった血が輸血されてしまいかねないからです。
デュタステリドは男子胎児の発達を阻害する恐れがあるため、女性には使用が認められていないのです。
アボルブと一緒に服用しない
デュタステリドはアボルブと一緒に服用してはいけません。
アボルブはデュタステリドが主成分となった前立腺肥大症の薬ですが、AGAの治療薬としては認められていないので注意してください。
詳しくは下の記事でまとめています。
がん検査の際は服用を申告する
がん検査を受ける際は、服用していることを医師に申告しましょう。
デュタステリドを服用すると、前立腺がんの指標であるPSAが半分に表示されます。
そのため、がんを見逃してしまう危険性があるのです。
まとめ
デュタステリドが効かない場合の対処法についてまとめます。
- デュタステリドはAGAの進行を食い止められる内服薬として高く推奨されている
- 最低でも6ヶ月は様子見する
- 用法用量を守り、毎日服用する
- 効かない場合の対処法としては、ミノキシジルの併用やフィナステリドの服用がある
- 肝臓に障害や持病がある場合、事前に医師に相談する
大事なのは「自分に合った治療方法を見つけること」です。
半年経っても効果が現れない場合、早めに医師に相談しましょう。