AGAの治療効果はどれぐらい?効果を実感できるまでの期間や早く効果が出る人の特徴を紹介
AGA治療の効果を実感できるまでには、ある程度の時間がかかります。
ただ、中には次のように感じる方もいるでしょう。
「AGAの治療をはじめたけれど、なかなか効果が実感できない」
「だいたいいつ頃からAGAの治療効果が出てくるの?」
本記事では、このような方のために以下の点を詳しく解説します。
- AGA治療で効果を実感できない4つの原因
- AGA治療で効果が出るまでの流れ
- AGA治療に用いられる治療法&治療薬
記事を最後まで読むことで、AGAの治療効果に関する科学的根拠に基づいた知識を手に入れられます。
この記事の監修者
-
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
最新の投稿
AGA治療は本当に効果が出るの?
AGA治療は、正しい治療を続けていれば効果を実感できる可能性が高いです。
具体的には、以下の効果を得られます。
- 毛が増える
- 抜け毛が減る
- 髪が太くなる
- ハリやコシが出る
AGAによる薄毛は、治療以外での改善はできません。
つまり、放置しているとどんどん進行し、髪の大半が失われてしまうのです。
進行した状態でAGA治療をはじめても、効果は期待できません。
「AGAかもしれない」と感じたら、なるべく早く治療をはじめましょう。
AGA治療で効果を実感できない原因
AGA治療を受けても効果を実感できない場合、以下の理由が考えられます。
- 薬の種類・量が自分に合っていないから
- 治療期間が短いから
- 個人輸入や通販で購入した薬を使用している
- 薄毛の原因がAGAではないから
薬の種類・量が自分に合っていないから
治療の効果を実感できない理由の一つに、薬の種類・量が合っていないという点が挙げられます。
AGA治療の薬にはいくつかの種類があり、症状と薬の種類・量が合っていないと、十分な効果を得られにくくなってしまうのです。
また、治療を始めたころは良好な効果が得られていても、症状が進行するに従って薬が合わなくなるケースもあります。
効果が薄れてきたと感じた場合は、早めに担当医に相談しましょう。
治療期間が短いから
AGA治療の効果を実感できるまでには、少なくとも3〜6か月かかります。
治療期間が短いと目に見える効果を感じにくいため、「効果がない」と思ってしまうケースもあるのです。
髪の毛は成長期→退行期→休止期という3つのサイクルを繰り返しており、これを「ヘアサイクル」と呼びます。
通常、ヘアサイクルは2~6年の周期で繰り返していますが、AGAの場合、このサイクルが半年~1年と極端に短くなります。
その結果、髪が太く育つ前に抜け落ちてしまい、薄毛になってしまうわけです。
AGA治療ではヘアサイクルの正常化を第一の目的としているため、効果が出るまでにはある程度の時間が必要です。
個人輸入や通販で購入した薬を使用している
AGA治療薬は個人輸入や通販で購入することもできます。
しかし、個人輸入や通販で購入したものの中には、有効成分が含まれていない・または不足している偽物も多いのが現状です。
当然のことながら、偽物の薬ではAGAの治療ができません。
それだけでなく、副作用が生じた場合も、国の救済措置を受けられないのです。
出所の不明な薬に頼るのではなく、しかるべき医療機関を受診することをおすすめします。
個人輸入のリスクは下の記事で解説しています。
薄毛の原因がAGAではないから
薄毛の原因はAGAだけではありません。
数は少ないですが、円形脱毛症・脂漏性脱毛症・牽引性脱毛症などが理由のケースも考えられます。
AGA以外の理由で脱毛が起きている場合は、いくらAGA治療をしたところで効果はあまり実感できません。
抜け毛や薄毛になる原因は、自分では正しく判断できないため、気になる点があるときは専門のクリニックを受診しましょう。
「クリニックに行く時間がない」
このような場合、無料の薄毛管理アプリ「HIX(ヒックス)」がおすすめです。
HIXを使えば、毛髪診断士などの専門家にチャットで相談できます。
AGA治療で効果が出るまでの流れ
先にも述べたように、AGA治療の効果を実感するまでには3~6か月程度かかります。
AGA治療で効果が出るまでの具体的な流れは以下のとおりです。
治療開始から1ヵ月 | 効果は出ない |
治療開始から1~3ヵ月 | 初期脱毛が起きる |
治療開始から4~6か月 | 効果を実感し始める |
あくまで一般的な流れであり、個人差がある点に気をつけてください。
初期脱毛とは、AGA治療をはじめたあと、一時的に抜け毛が増える症状のことです。
薬が効いている証拠なので慌てる必要はありません。
詳しくは下の記事をご覧ください。
AGA治療は途中でやめてしまうと、それまでの効果がなくなってしまいます。
かならず継続して治療を続けましょう。
AGA治療に用いられる治療法&治療薬
AGA治療に用いられる治療法&治療薬には、次のようなものがあります。
- 内服薬
- 外用薬
- 注入療法
- 自毛植毛
それぞれ解説します。
内服薬
内服薬としてAGA治療に使われることが多いのは以下の3つです。
- プロペシア
- フィナステリド錠
- ザガーロ
プロペシア
プロペシアはFDA(米国食品医薬品局)と厚生労働省の認可を受けたAGA治療薬です。
AGAの進行を食い止められる可能性がある「フィナステリド」という有効成分が含まれています。
プロペシアはフィナステリドの効果により、前頭部~頭頂部の毛乳頭に多く存在する「5αリダクターゼⅡ型」のはたらきを阻害します。
5αリダクターゼⅡ型のはたらきが阻害されると、AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)が生まれにくくなるのです。
結果としてAGAの進行を防ぎ、ヘアサイクルを正常化できるわけです。
副作用
プロペシアの主な副作用は以下のとおりです。
- 男性機能の低下(ED、性欲減退など)
- 抑うつ
- 肝機能障害
そもそもほとんど発症しません。
また、服用を止めると改善するケースがほとんどです。
心配な場合は担当医に相談をするとよいでしょう。
プロペシアの服用に際しては、以下のような点に気をつける必要があります。
- 服用中の献血は禁止
- 妊婦の服用、取り扱いは避ける
- 未成年の服用は禁止
これらの禁止事項を無視すると重大な健康被害を生じる恐れがあるためご注意ください。
詳しくは下の記事でまとめています。
費用目安
プロペシアの服用にかかる費用の相場は、一か月あたり約5,000円~8,000円です。
フィナステリド錠
フィナステリド錠はプロペシアのジェネリック医薬品です。
プロペシアと同様に5αリダクターゼⅡ型の働きを阻害することでDHTの増加を防ぎ、AGAの症状を改善する効果があります。
ジェネリック医薬品と聞くと「効果が薄いのでは?」と思われるかもしれませんが、有効成分が同じなので治療効果も同じです。
副作用
フィナステリド錠はプロペシアと同じ有効成分なので、副作用も変わりません。
- 男性機能の低下(ED、性欲減退など)
- 抑うつ
- 肝機能障害
禁則事項も同じです。
- 服用中の献血は禁止
- 妊婦の服用、取り扱いは避ける
- 未成年の服用は禁止
上記のような点に注意を払いましょう。
費用目安
フィナステリド錠の服用にかかる費用の相場は、一か月あたり約3,000円~8,000円です。
なお、同じような薬として「フィンペシア」がありますが、こちらはAGAの治療薬として認められていません。
詳しくは下の記事をご覧ください。
ザガーロ
ザガーロはもともとは前立腺肥大症の治療薬としてFDA・厚生労働省の認可を受けた薬です。
日本では2015年にAGA治療薬としても承認されました。
ザガーロに含まれる有効成分「デュタステリド」もまた、プロぺシアやフィナステリド錠と同様にDHTの増加を防ぐことができます。
ただし、プロぺシアやフィナステリド錠が5αリダクターゼⅡ型にのみ作用するのに対して、ザガーロは「5αリダクターゼⅠ型」も効果があります。
もっとも、AGAの治療薬として一般的なのはプロペシアやフィナステリド錠です。
詳しくは下の記事をご覧ください。
副作用
ザガーロの主な副作用は以下のとおりです。
- 男性機能の低下(ED、性欲減退など)
- 乳房の肥大
- 肝機能障害
プロペシアやフィナステリド錠とあまり変わりませんし、発現率も高くありません。
また、以下の点に注意を払う必要があります。
- 服用中の献血は禁止
- 妊婦の服用、取り扱いは避ける
- 未成年の服用は禁止
詳しくは下の記事をご覧ください。
費用目安
ザガーロの服用にかかる費用の相場は8,000円~10,000円前後(一か月分)です。
外用薬
外用薬は、有効成分を含む薬剤を頭皮に直接塗布するタイプの治療薬です。
「AGAガイドライン」で推奨されているAGA治療の外用薬は以下の2つです。
- ミノキシジル
- アデノシン
ミノキシジル
ミノキシジルは国内で唯一発毛効果を認められた成分です。
頭皮の血流促進や毛母細胞の増加促進などの効果があり、ヘアサイクルを正常化することで薄毛を予防・改善します。
ミノキシジルは、特に頭頂部の薄毛に優れた効果を現わすことが知られています。
一方、生え際や後頭部の薄毛に対しては、十分な効果を得られないケースもあるため注意してください。
ただ、上述した内服薬と違って医師から処方されなくても購入できます。
こういった点から「まずはミノキシジルの外用からAGA治療をはじめる」のが一般的です。
薄毛が気になりだした方におすすめの発毛剤はこちらをご覧ください。
副作用
ミノキシジルの副作用は以下のとおりです。
- 頭皮の発疹・発赤
- かゆみ・かぶれ
- ふけ
- 使用部位の熱感等
内服薬に比べると副作用の程度は軽微です。
ただ、気になる症状がある場合は担当医に相談をして、濃度などを調整してもらうことをおすすめします。
詳しくは下の記事でまとめています。
費用目安
ミノキシジルの塗布にかかる費用の相場は、一か月あたり約10,000円です。
ただし、これはAGAクリニックで処方された場合です。
通販では同じ濃度のミノキシジル発毛剤をより安価で購入することができます。
国内最大濃度かつ1本あたり3,000円の発毛剤はこちらをご覧ください。
アデノシン
アデノシンは毛乳頭細胞に作用して、髪の毛の成長を促進する「FGA-7」という因子を増やす働きを持つ成分です。
頭皮の血流促進・毛母細胞の活性化などを促し、髪の毛の成長期を長くする効果があります。
ミノキシジルほどではないものの、薄毛改善の効果が認められています。
副作用
アデノシンの主な副作用は「かゆみ」です。
アデノシンはもともと体内に存在する成分のため、副作用のリスクは非常に低いと考えられています。
ただし、アデノシンが配合された育毛剤には植物エキスや添加物などが含まれていることも多く、そうしたものが原因でかぶれなどの症状が現れる可能性があります。
詳しくは下の記事をご覧ください。
費用目安
アデノシンの塗布にかかる費用の相場は、一か月あたり約7,000円です。
注入療法
注入療法とは、注射器などを使って治療薬を頭皮に直接注入する治療法です。
AGA治療の注入療法には、次のようなものがあります。
- メソセラピー
- HARG療法
メソセラピー
メソセラピーは、クリニックが独自にブレンドをした薬液を使って治療を行う方法です。
下記のような成分をブレンドした薬液を、注射・針付きのローラー・炭酸ガス・レーザー照射などの方法で頭皮に注入します。
- ミノキシジル
- 成長因子
- 銅ペプチド
頭皮に直接薬液を注入するため、高い発毛効果が期待できます。
副作用
メソセラピーの主な副作用は患部のかゆみ、腫れ、熱感などが挙げられます。
治療を受けた直後は赤みや腫れが生じることがありますが、一般的には数時間~数日程度で治まるとされています。
費用
メソセラピーにかかる費用の相場は1回あたり約2万円です。
HARG療法
HARG療法は、HARGカクテルと呼ばれる薬液を使う治療方法です。
HARGカクテルとは成人女性の幹細胞を培養・ろ過・粉末化したもので、頭皮や毛根の再生効果があるとされています。
副作用
HARG療法の主な副作用は以下のとおりです。
- 患部のかゆみ、腫れ、熱感
- 内出血
メソセラピー同様、治療直後に赤みや腫れを生じても、大半は軽微な症状のみで回復します。
費用
HARG療法にかかる費用の相場は、1回あたり約8万円〜12万円です。
自毛植毛
自毛植毛は、自分の毛を薄毛が気になる部位に植毛する治療法です。
有害事象の報告も多く、「AGAガイドライン」においてはあまり高く推奨されていません。
上述した治療方法で効果が出なかった場合に検討するのがおすすめです。
副作用
自毛植毛の主な副作用としては以下のとおりです。
- 植毛用の髪の毛を採取する際に傷が残る
- 髪の毛を採取した部分の赤み、感覚の鈍化
- ショックロス
ショックロスとは、処置を受けた1~2ヵ月後に、植毛部分の周囲に生えていた髪の毛が抜けてしまうことを言います。
抜けた髪の毛は時間の経過と共に再び生えてきます。
費用
自毛植毛にかかる費用の相場は、約30万円〜70万円です。
ただし、術式や株の数によって金額は大きく変わります。
AGA治療の効果を早く実感できる人の特徴
AGA治療の効果を早く実感できる人には、以下のような特徴があります。
- AGA発症後すぐに治療を開始する
- 内服薬・外用薬を併用する
- 複数の治療法を行う
AGA発症後すぐに治療を開始する
AGA治療は、発症後すぐに治療を開始した方が早く効果を実感できます。
特に、身内に薄毛の人がいる場合はAGAを発症するリスクが高まるため、兆候を感じた時点で治療をスタートするのが効果的です。
詳しくは下の記事をご覧ください。
内服薬・外用薬を併用する
内服薬と外用薬の併用もAGA治療には効果的です。
併用することで、薄毛予防と発毛促進の効果を同時に得られます。
ただし、副作用を避けるためにも、薬の併用は医師の指導の下でおこなうようにしてください。
複数の治療法を行う
より高い効果を得たい場合には、複数の治療法を行う方法もあります。
たとえば、内服薬を服用しつつ、メソセラピーやHARG療法といった注入療法も同時に行うというような方法です。
複数の治療法を組み合わせることで、症状の改善を早められる可能性があります。
もっとも、後述しますがAGAは完治するものではありません。
高いお金をかけても途中でやめてしまうと効果がなくなってしまいます。
大事なのは「治療を続けること」なので、「長く続けられる治療方法かどうか」を検討するのが大事です。
AGA治療はいつまで続ければいいの?
AGAは治療をやめると症状が再燃してしまいます。
したがって、正常なヘアサイクルを維持してある程度の毛量を保つためには、できるだけ長くAGA治療を続ける必要があります。
費用や副作用が気になる場合は、担当医と相談をして薬の量や種類を変えてもらうことも可能です。
自分一人の判断で治療を中断したり薬を変えたりするのはおすすめできません。
繰り返しますが、長期に渡って治療が必要となるからこそ、無理のない方法で続けることが大切です。
まとめ
AGAの治療効果についてまとめます。
- AGAは科学的根拠に則った方法で治療すると高い効果が期待できる
- 中には治療効果を思うように得られない人もいる
- その場合でも、「なぜ治療効果が得られないのか」を突き止めるのが大事
- さまざまな治療方法を組み合わせるのは大切だが「治療を続ける」のがもっとも重要
- 自分の判断で、途中で止めたり薬を変えたりしない
AGAの治療効果を実感するまでには、ある程度の時間がかかります。
しかし、きちんとした治療を続ければ、薄毛を改善できる可能性も高いので安心してください。