【薬剤師監修】AGAの原因を解説!生活習慣やストレスは関係ないの?
「AGAの原因って何?」
「どうすれば治るの?」
男性なら「AGA」という言葉を誰でも一度は耳にしたことがあるでしょう。
AGAの原因がわかれば、自分が「どのように対策をすればいいか」がわかりますよね。
そこで、本記事ではAGAの原因や治療法について徹底的に解説します。
- AGAのメカニズムや原因
- AGAの科学的に正しい治療法
- 女性のAGAの原因
最後まで読めば、科学的根拠に基づいた「AGAの原因」がわかり、自分がこれからどうすべきなのか具体的な対策を知ることができますよ。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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AGAとは
AGA(Androgenetic Alopecia)とは「男性脱毛症」を意味する言葉です。
一般的な薄毛が加齢と共に増加するのに対して、AGAは年齢に関係なく発症するリスクがあります。
AGAの特徴として、以下のような点が挙げられます。
- 頭頂部や前頭部に脱毛がみられる
- 全体的に「軟毛」と呼ばれる細い毛が増えてくる
- 抜け毛が増える
- 全体のボリュームが減ってくる
このような症状が見られる場合、AGAの可能性があるので気をつけてください。
AGAのメカニズム
AGAは以下のようなメカニズムで発症します。
- 還元酵素「5αリダクターゼ」が男性ホルモンのテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変える
- 毛乳頭細胞のアンドロゲンレセプターにDHTが取り込まれる
- 脱毛因子「TGF-β」が発生する
- TGF-βの出すシグナルによって毛包がダメージを受ける
上記の理由によってヘアサイクルが乱れた結果、薄毛が進行すると考えられています。
AGAの原因
AGAの原因は、上述したとおり「男性ホルモン」です。
しかし、間接的には次のような原因も示唆されています。
- 遺伝的要因
- 生活習慣
- ストレス
- 運動
- 偏った食生活
遺伝的要因はAGAの原因と非常に関わり合いが深いですが、他の4つはあまり関係がありません。
ただ、髪の成長を妨げたり抜け毛の原因になったりする恐れもあるので気をつけてください。
遺伝的要因
AGAを引き起こす原因の一つに、遺伝的要因が挙げられます。
前述のとおり、AGAの発症には5αリダクターゼやアンドロゲンレセプターが関係しています。
5αリダクターゼの活性度やアンドロゲンレセプターの感受性は遺伝に左右されるのです。
5αリダクターゼは優性遺伝であるため、両親のどちらかが原因遺伝子を持っていれば、子供にも引き継がれる可能性があります。
さらに、母方の祖父が強い感受性のアンドロゲンレセプターを持っている場合、隔世遺伝で体質が似ることも知られています。
このような理由から、家族に薄毛の人がいるケースでは、そうでないケースに比べてAGAの発症リスクが高くなるわけです。
生活習慣
生活習慣はAGAと関係ないものの、薄毛の原因にはなります。
髪の毛の成長や頭皮の修復を促す成長ホルモンは睡眠中に分泌されます。
しかし、睡眠不足になると成長ホルモンの分泌量が減少し、健康な髪の毛が育ちにくくなってしまうのです。
また、睡眠不足は体の不調も引き起こします。
体調不良によって頭皮環境が悪化することで、薄毛が進行する可能性もあります。
ストレス
ストレスもAGAの直接的な原因ではありませんが、髪の毛の成長に悪影響を及ぼす恐れがあります。
ストレスを感じると、代謝や体温を調整している自律神経のバランスが崩れてしまいます。
そうすると皮脂の分泌量が増加し、頭皮の環境が悪くなるため、髪が抜けるリスクも高くなるわけです。
また、ストレスは血管の収縮も引き起こします。
頭皮の欠陥が収縮して血流が滞ると、髪の毛に十分な栄養が行き届かなくなり、健康な髪の毛が育ちにくくなると考えられているのです。
もっとも上述したとおりAGAとは関係がないので安心してください。
詳しくは下の記事でまとめています。
運動
適度な運動はストレス発散など体に良い影響を及ぼします。
一方で、運動とともに過度な食事制限は薄毛の原因になりかねません。
その理由はタンパク質不足になる恐れがあるからです。
筋トレをすると、筋肉を構成する筋繊維がダメージを受けます。
傷ついた筋繊維は休息や栄養補給によって回復し、以前よりも太い筋繊維になります。
これが筋肉が成長するメカニズムです。
筋繊維が回復する際には、筋肉のもととなるタンパク質を消費します。
髪の毛もタンパク質で作られているため、筋トレをしたときには適した食事をして必要な分を補いましょう。
もっとも「筋トレをしたから」といってAGAが進行するわけではないので安心してください。
偏った食生活
食生活の偏りも頭皮環境や髪の成長には悪影響を及ぼします。
ジャンクフードなど脂質の多い食事を続けていると、皮脂が過剰に分泌され頭皮環境が悪化するのです。
さらに、タンパク質・ビタミン・亜鉛などの栄養素が不足することで、丈夫な髪の毛が育たなくなってしまいます。
AGAの治療方法
AGAの治療方法としては、次の4つが挙げられます。
- 内服薬
- 外用薬
- 注入薬
- 植毛
内服薬
内服薬として「AGAガイドライン」でもっとも推奨されているのが以下の2つです。
- フィナステリド(プロペシア)
- デュタステリド(ザガーロ)
どちらも5αリダクターゼのはたらきを阻害し、AGAの進行を食い止める効果があります。
外用薬
内服薬ととも「AGAガイドライン」でもっとも推奨されている外用薬が「ミノキシジル」です。
AGAの進行を食い止めるのではなく、髪の成長と発毛を促進します。
内服薬は医師の診断が必要ですが、ミノキシジルは通販で購入可能です。
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注入薬
AGAが進んでいる場合におこなわれるのが注入薬による治療です。
注射器などを使って有効成分を直接頭皮に注入することで、高い効果が期待できます。
主な治療法は以下の2つです。
- メソセラピー
- HARG療法
メソセラピーには、ミノキシジル・成長因子などの発毛促進効果が期待できる因子をブレンドした薬液が使われます。
一方、HARG療法では成人女性の幹細胞などを培養・ろ過・粉末化した「HARGカクテル」を使用して治療します。
どちらも上述したフィナステリドやミノキシジルほど推奨されているわけではありません。
フィナステリドやミノキシジルで効果がなかった場合、注入薬での治療を検討しましょう。
植毛
薬による改善が難しいケースでは、植毛がおこなわれることもあります。
なお、ここで言う植毛とは、自分の髪の毛を移植する「自毛植毛」を指します。
植毛は有害事象などが報告されることもあり、「AGAガイドライン」ではあまり推奨されていません。
上述した方法で改善が見られなかった場合に検討しましょう。
女性のAGAの原因は?
女性のAGAはFAGA(Female Androgenetic Alopecia/女性男性型脱毛症)と呼ばれており、次のような特徴が見られます。
- 40~50歳の中年女性に好発する
- 頭頂部の髪の毛が減少する
- 全体のボリュームが減ってくる
- すべての髪の毛が抜けてしまうわけではない
AGAの原因がある程度解明されているのに対して、FAGAのメカニズムは分かっていないことも多いのが実情です。
主な原因は以下のとおりです。
- ホルモンバランスの乱れ
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
- 食生活の乱れ
- 遺伝
FAGAによる薄毛は自己努力だけでは改善が難しいため、疑いがあるときは早めに医療機関を受診することをおすすめします。
「女性版のAGAだから」といって、男性と同じ薬で治療するのは良くありません。
上述したフィナステリドや男性用のミノキシジル発毛剤は、すべて女性の使用を禁止しています。
かならず医師に相談のもと、女性用の治療薬を使いましょう。
詳しくは下の記事をご覧ください。
AGAは治る?
AGAは風邪などの症状と違って、完治するものではありません。
なぜなら、男性ホルモンが原因だからです。
体の中から男性ホルモンを完全に排除できないのと同じように、AGAを完全に治すことはできません。
万が一、男性ホルモンをゼロにできたとしても、さまざまな健康被害が生じてしまいます。
一方で、AGAは早期発見・早期治療することで食い止められる可能性があります。
実際に、「親も祖父もハゲているけれど、早めに対策をしたおかげで自分は薄毛にならなかった」という方も少なくありません。
気になる場合、まずは医療機関を受診しましょう。
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