頭皮の匂いの原因と対策!正しい頭皮ケアやシャンプーのやり方を解説
「頭皮の匂いが気になる」
「どうやって改善すればいいかわからない」
ふとしたときに気になるのが頭皮の匂いですよね。
とくに、電車やエレベーターの中など人との距離が近い場所では、「相手に臭いと思われていないか」と心配になる方も少なくありません。
そこで本記事では、専門家監修のもと以下の点を詳しく解説します。
- 頭皮の匂いが発生する6つの原因
- 頭皮の匂いが発生しやすい生活習慣
- 頭皮の匂いをセルフチェックする方法
正しい頭皮ケアやシャンプーのやり方についても詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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頭皮の匂いが発生する6つの原因
頭皮の匂いが発生する主な原因としては、次の6つが挙げられます。
- 汗
- 皮脂
- 雑菌
- 加齢
- ストレス
- 病気
具体的に解説します。
汗
頭皮には、手のひら、足の裏についで3番目に多くの汗腺が存在すると言われています。
汗腺とは、その名の通り汗を分泌する腺のことです。
汗腺が豊富に存在する頭皮は、体の中でもとくに汗をかきやすい部位といえます。
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、頭皮にある腺は無色無臭の汗を分泌するエクリン腺です。
しかし、分泌された汗が皮脂やアカと混じり合い、それを細菌が分解することで匂いを発するようになると考えられています。
皮脂
頭皮は体の中で最も多く皮脂腺が存在する部位でもあります。
その数は、テカリやすい場所として知られる「Tゾーンの2倍」とも言われています。
皮脂の分泌量が増えるとそれをエサに雑菌が繁殖し、脂が酸化したような匂い(皮脂臭)が発生します。
特に、シャンプーの洗い残しには十分注意してください。
洗い残しがあると成分が酸化し、次第に皮脂が毛穴にたまっていき、汗と混じり合うことで一層匂いが強くなる傾向があります。
雑菌
頭皮には「マラセチア菌」という常在菌が存在しています。
通常、マラセチア菌は自浄作用によって皮膚の健康を保つ働きを担っています。
しかし、さまざまな理由で頭皮の皮脂が過剰になると、マラセチア菌が異常繁殖してしまいます。
そうすると、菌が皮脂を分解する際に生成される物質が、頭皮の匂いを発生させてしまうのです。
また、マラセチア菌の増殖は皮膚のバリア機能を低下させ、かゆみ・炎症といったトラブルを引き起こす恐れもあります。
詳しくは下の記事をご覧ください。
加齢
加齢も頭皮の匂いの原因になりかねません。
前述の通り、頭皮には多くの皮脂腺が存在します。
そして、年齢と共に皮脂の中の「パルミトレイン酸」という成分が増加していきます。
パルミトレイン酸が酸化すると、加齢臭の原因であるノネナールが発生するのです。
結果として、不快な匂いが発生すると言われています。
皮脂の分泌量は一般的に男性の方が多いですが、女性も加齢と共に女性ホルモンが減少することで酸化が起きやすくなります。
ストレス
精神的なストレスは、皮脂の酸化を促進させます。
皮脂が酸化すると匂いが気になるようになるだけでなく、過酸化脂質という物質に変化して炎症などのトラブルを引き起こす恐れがあるので気をつけてください。
また、ストレスは皮脂の酸化だけでなく、分泌量の増加にも悪影響を及ぼします。
ストレスによって自律神経のバランスが崩れると、皮脂が過剰に分泌されるようになり、匂いのリスクをさらに高めてしまうのです。
病気
次のような病気が原因で、頭皮の匂いが発生しているケースもあります。
- 脂漏性皮膚炎
- 湿疹
- 皮膚炎
- 粉瘤
- 皮膚腫瘍
「だんだん匂いが強くなる」
「頭皮を清潔にしていても匂いが改善しない」
「かゆみやフケなど匂い以外の症状も伴う」
このような場合は、念のため皮膚科を受診してください。
フケやかゆみなどの原因に関しては、下の記事で詳しく解説しています。
頭皮の匂いが発生しやすい生活習慣
頭皮の匂いが発生しやすい生活習慣は以下のとおりです。
- シャンプー時に洗い残し・すすぎ残しがある
- 洗浄力の強いシャンプーを高頻度で使用している
- 油物・肉を食べることが多い
- 規則正しく質が良い睡眠が取れていない
- シャンプーの後に濡れたまま放置する・就寝する
これらをしっかり改善するのが大事です。
シャンプー時に洗い残し・すすぎ残しがある
シャンプーは洗い残しやすすぎ残しがあると、逆に頭皮の匂いを発生させる原因になってしまいます。
シャンプーの成分と皮脂や汗が混ざり合うことで、不快な匂いが生まれてしまうのです。
また、すすぎ残しは頭皮環境の悪化にもつながります。
頭皮にシャンプーの成分が残ることで皮膚の乾燥・皮脂の過剰分泌が引き起こされ、それが匂いに繋がると考えられています。
洗浄力の強いシャンプーを高頻度で使用している
洗浄力の強いシャンプーを高頻度で使用することも、頭皮の匂いの原因になります。
皮膚の保護に必要な皮脂まで洗い落としてしまうからです。
洗浄力の強いシャンプーは、頭皮の乾燥を引き起こす恐れがあります。
その結果、皮脂が過剰に分泌され、匂いにつながる可能性があるのです。
油物・肉を食べることが多い
頭皮の匂いは食生活にも影響されます。
油物や肉の多い食生活を送っていると、皮脂の分泌量が多くなり、頭皮が匂いやすくなるとされているのです。
また、カロリーの摂り過ぎは中性脂肪の増加にもつながり、健康にも悪影響を及ぼす恐れがあるといえるでしょう。
偏った食生活を続けていると、一時的な抜け毛の増加にもつながりかねません。
規則正しく質が良い睡眠が取れていない
健康的な頭皮環境を整えるためには、規則正しく質の良い睡眠が必要不可欠です。
頭皮の健康を保つ働きを持つ「成長ホルモン」は睡眠中に分泌されるからです。
睡眠が不足すると十分な量の成長ホルモンが分泌されなくなり、頭皮の健康が保たれなくなってしまいます。
そうすると、頭皮環境が悪化して匂いが生じやすくなってしまうのです。
シャンプーの後に濡れたまま放置する・就寝する
「ドライヤーをかけるのが面倒くさいから」
こう考えて濡れたままの髪を放置・就寝すると、雑菌が繁殖して匂いの原因になります。
また、湿度や気温が高い季節は髪が濡れたまま眠ってしまうと、頭皮だけでなく枕などの寝具も菌の温床と化す恐れがあるため注意が必要です。
頭皮の匂いをセルフチェックする方法は?
頭皮の匂いをセルフチェックする方法はいくつかあります。
- 指で頭皮を擦る
- 寝起きに枕の匂いをチェック
- ドライヤー・扇風機の風を後頭部に当てる
匂いが気になる方は、ぜひ試してみてください。
指で頭皮を擦る
もっとも簡単なものは「指で頭皮を擦る」というセルフチェック方法です。
指の腹で頭皮を擦り、そこについた匂いを嗅いでみてください。
脂が酸化したような匂いを感じたら頭皮が臭くなっている可能性があります。
寝起きに枕の匂いをチェック
寝起きに枕の匂いをチェックしてみるのもオススメの方法です。
枕が臭くなっているようであれば、頭皮が匂いを発している証拠と言えます。
ドライヤー・扇風機の風を後頭部に当てる
髪が渇いている状態でドライヤーや扇風機の風を後頭部に当ててみましょう。
そこから流れてくる風を利用して頭皮の匂いをチェックすることもできます。
頭皮の匂い対策9選
頭皮の匂いを改善するのに効果的な対策は以下のとおりです。
- 自分に合うシャンプーに変える
- 正しく頭皮を洗う
- シャンプー後はドライヤーで根元まで乾かす
- 適度な運動で代謝を上げる
- 髪・頭皮を紫外線から守る
- スタイリング剤を直接頭皮につけない
- 油物を控えて髪・頭皮に良い栄養素を摂る
- 良質な睡眠を取る
- 枕カバーは常に清潔に保つ
頭皮の匂い対策は原因によって異なるため、自分の頭皮の状態に適した対策が重要です。
自分に合うシャンプーに変える
頭皮の匂いを予防・改善するためには、自分に合うシャンプーに変えることが大切です。
自分に合うシャンプーは年齢や皮脂量によって異なります。
詳しくは以下をご覧ください。
髪・頭皮の状態 | おすすめシャンプー | |
20代 | 皮脂量が多く、髪のボリュームがある | 高級アルコール系シャンプー |
30代 | 皮脂量がピークを迎えるのに対して、髪のボリュームが減少し始める | アミノ酸系シャンプー |
40代 | 皮脂量が徐々に減少し、頭皮の匂いがきつくなる | 石けん系シャンプー |
正しく頭皮を洗う
シャンプーをする際は以下のような手順で行うと、髪だけでなく頭皮まできちんと洗浄できます。
- お湯で予洗いをする
- 指の腹で頭皮をマッサージするように洗う
- コンディショナーやトリートメントは頭皮につけない
- しっかりとすすぐ
お湯で予洗いをすることで、シャンプー前に皮脂や汚れなどを洗い流し、シャンプーが全体に行き渡るようになります。
頭皮を洗う際は、後頭部、耳の上や後ろなど、洗い残しの多い場所も意識して洗うようにすると良いでしょう。
コンディショナーやトリートメントは髪につけ、頭皮にはつけないようにしてください。
そして、シャンプーやコンディショナーが残っていると頭皮の匂いの原因になるため、最後にしっかりとお湯ですすぐことが大切です。
詳しい方法は以下の記事を参考にしてください。
シャンプー後はドライヤーで根元まで乾かす
頭皮で菌が増殖するのを防ぐために、シャンプー後はドライヤーで根元まで乾かします。
毛先や髪の表面だけ乾かして根元は湿ったままでいると、頭皮が蒸れて匂いが発生するリスクがあるからです。
お風呂からあがったら、まずはタオルドライで髪の水気をふき取ります。
そして次に、ドライヤーで根元から乾かしましょう。
髪の間に指を入れて小刻みに動かしながら温風を当てると、重なりが多い場所でもしっかりと乾かすことができます。
根元全体が乾いたら、毛先に向かって温風を当て、髪全体の水気を飛ばしてください。
根元をよく乾かすことで頭皮がすっきりするだけでなく、ふんわりとして清潔感のあるヘアスタイルに仕上がります。
適度な運動で代謝を上げる
ウォーキングやジョギングなど適度な運動で代謝を上げることも、頭皮の匂いの予防・改善に有効な対策です。
運動によって代謝が良くなると皮膚の生まれ変わりが促進され、毛穴の皮脂詰まりや角栓など、匂いのもととなる要素を解消する効果が期待できます。
ただし、頭皮に汗をかいたままにするなど運動後のケアを怠ると逆効果になってしまう場合もあるため注意してください。
汗をかいたらシャワーなどで洗い流しましょう。
髪・頭皮を紫外線から守る
紫外線を浴びると頭皮の免疫力が低下し、菌の繁殖によって不快な匂いが発生しやすくなります。
頭皮の老化にも悪影響を及ぼすため、白髪や抜け毛、薄毛などを引き起こす恐れもあります。
髪が紫外線にさらされると、パサつきや髪色の退色の原因になります。
健康な頭皮や髪を保つには、帽子や日傘、日焼け止めなどで紫外線から防護することが必要です。
紫外線の影響などは下の記事をご覧ください。
スタイリング剤を直接頭皮につけない
髪をセットする際に欠かせないスタイリング剤ですが、直接頭皮につけてしまうと、頭皮の皮膚呼吸を妨げる恐れがあります。
髪を軽くつかむようにして、頭皮につかないようにしましょう。
また、スタイリング剤を使った日は、頭皮に成分を残さないようにしっかりシャンプーとすすぎを行うことが大切です。
油物を控えて髪・頭皮に良い栄養素を摂る
揚物やファストフードなどの油物には油脂が多く含まれています。
油脂の摂取量が多いと、余分な皮脂が分泌されやすくなります。
皮脂は頭皮の匂いのもとになるため、油物はなるべく控えましょう。
また、頭皮に良い栄養素を摂ることも大切です。
特に、ビタミンB2やビタミンB6には頭皮の皮脂量をコントロールする働きがあり、皮脂の過剰分泌を抑える効果が期待できます。
ビタミンB2、B6を多く含む食材としては、納豆、アーモンド、にんにく、ピスタチオなどが挙げられます。
良質な睡眠を取る
頭皮の環境を健康な状態に保つためには、良質な睡眠を取ることが大事です。
皮膚の新陳代謝に重要な役割を持つ成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されるからです。
早寝・早起きはもちろんのこと、布団や枕を変えるだけでも睡眠の質は向上します。
「寝てもすっきりしない」
「途中で目が覚めてしまう」
このような症状が見られるときは、布団や枕を調整してみるのも良い方法です。
枕カバーは常に清潔に保つ
毎日使う枕カバーには、眠っている間に大量の皮脂や汗が付着します。
汚れをそのままにしていると菌が繁殖し、頭皮の匂いやトラブルの原因になります。
1週間に1〜2回は枕カバ―を洗う習慣を身につけ、常に清潔な状態を保つようにしましょう。
ただし、寝汗をかいたときや、よだれなどが枕カバーについてしまったときは、通常よりもこまめに洗濯することをオススメします。
頻繁な洗濯が難しい場合は、枕の上にタオルを敷いて毎日交換するだけでも菌やダニの発生を防ぐ効果が期待できます。
頭皮環境の悪化は抜け毛につながることもあるため要注意!
頭皮の匂いは頭皮環境が悪化しているというサインです。
頭皮環境が悪化すると健康な髪が育ちにくくなり、抜け毛や薄毛につながる可能性もあります。
裏を返すと、頭皮環境を整えれば健康な髪が生えやすくなるとも言えます。
ただし、AGA(男性型脱毛症)で抜け毛が増えている場合、セルフケアだけで状況を改善することはできません。
AGAが疑われるケースではできるだけ早めに専門のクリニックを受診し、適切な治療を受けるようにしてください。
AGAに関しては、下の記事で詳しく解説しています。