【薬剤師監修】睡眠不足だとハゲるの?睡眠と髪の毛の関係を解説!
「睡眠不足で抜け毛が増えた気がする」
「睡眠と髪の毛の関係について知りたい」
忙しい日々が続くと、このように感じることも少なくありません。
大事なのは「睡眠不足だとハゲるのか」を科学的根拠に基づいて見極めることです。
本記事では薬剤師監修のもと、以下の点を分かりやすく解説します。
- 睡眠不足と薄毛との関係
- 睡眠不足が髪の毛に与える影響
- 質のよい睡眠を取るための方法
最後まで読むことで、科学的根拠に基づいた「睡眠の大切さ」を理解でき、質の高い睡眠を取る方法がわかります。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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睡眠不足は薄毛の原因になりうる
薄毛にはさまざまな原因があります。
- AGA
- 円形脱毛症
- 脂漏性脱毛症
- 老化
- 生活習慣の乱れなどによる一時的な抜け毛の増加、など
一番大きな原因はAGAですが、生活習慣の乱れも一時的にハゲるリスクを高めます。
生活習慣の乱れで特に重要視すべきなのが睡眠です。
睡眠には身体や心の疲れを回復させる役割や成長ホルモンを分泌する働きがあるからです。
睡眠時間が短いと良くないのはもちろんのこと、睡眠の質が低下すると髪の成長を妨げると考えられています。
睡眠時間の確保と質の改善は、薄毛を気にするならしっかりと意識するべきでしょう。
現代はストレス社会とも言われており、睡眠時間自体は確保できているものの、睡眠の質が低下している方は少なくありません。
さらに、睡眠がどのように髪に影響を与えるのか、どういう睡眠を取ればいいのか知らない方も多いです。
髪の成長だけじゃなく、健康的に生きるためにも睡眠の知識を深めるのは大事です。
睡眠不足が髪に与える影響
睡眠不足が髪の毛や頭皮に与える影響は以下のとおりです。
- 成長ホルモンが分泌されにくくなる
- 血行不良になってしまう
- 毛母細胞の分裂速度が低下してしまう
それぞれ解説します。
成長ホルモンが分泌されにくくなる
睡眠不足に陥ると、成長ホルモンが分泌されにくくなります。
その理由は、成長ホルモンの分泌は24時間の中で「睡眠時」がもっとも大きいからです。
睡眠開始後にGH(成長ホルモン)のパルス状分泌がもっとも大きくなることは、2014年に発行された『日本医事新報』でも解説※されています。
成長ホルモンはその名のとおり、髪のみならず体の成長にとって欠かせないものです。
しっかり睡眠時間を確保しないと、一時的にハゲる可能性があるのです。
血行不良になってしまう
睡眠不足は血行不良を招くこともあります。
夜になっても交感神経優位の状態が続いてしまうからです。
自律神経には2つの種類があります。
- 交感神経
- 副交感神経
交感神経が優位に傾くと、血管が収縮し、血圧が高くなります。
夜間には副交感神経が優位になり、血管が拡張し、血圧が低下するのです。
睡眠不足状態に陥ると、交感神経が優位に傾きます。
結果として血管が収縮し、血液の循環を阻害すると考えられているわけです。
毛母細胞の分裂速度が低下してしまう
睡眠不足になると毛母細胞の分裂速度が低下し、一時的にハゲるリスクが高くなると言われています。
毛母細胞の分裂には、血液によって運ばれてくる栄養が不可欠だからです。
毛母細胞の分裂に関わらず、髪の成長にとって栄養は非常に大事です。
十分な栄養が頭皮に行き渡らなければ、抜け毛の増加につながりかねません。
育毛に効果的な食べ物に関しては、下の記事をご覧ください。
髪の毛への影響を考えると6時間以上は寝るようにしよう
髪の毛への影響を考えた場合、6時間以上は寝るようにすることが重要です。
ポイントとしては次のような点が挙げられます。
- 6時間寝ることで十分な成長ホルモンの分泌が得られる
- 就寝時間はそれほど気にしなくてよい
詳しく解説します。
6時間寝ることで十分な成長ホルモンの分泌が得られる
髪の毛の影響を考えた場合、6時間以上は寝るのがおすすめです。
6時間以上寝ると、十分な成長ホルモンの分泌が得られるからです。
そもそも睡眠には2つの種類があります。
- レム睡眠
- ノンレム睡眠
眠りに落ちた場合、まずノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠状態が訪れます。
次に、比較的浅い睡眠であるレム睡眠が訪れるのです。
成長ホルモンの分泌は、就寝後30分程度でピークを迎えると言われています。
その後、量こそ減りますが、成長ホルモンの分泌は続きます。
6時間以上の睡眠を取ることで、成長ホルモンを長く分泌させられるわけです。
就寝時間はそれほど気にしなくてよい
成長ホルモンの分泌は、夜の10時から深夜の2時に活発化すると考えられていました。
ただ、現在は、就寝時間と成長ホルモンの分泌量との間には、特に因果関係がないという意見もあります。
大事なのは睡眠の質です。
夜の10時から深夜の2時に寝たとしても、寝苦しかったり眠りが浅かったりすると良くありません。
以下で「質のよい睡眠を取るための方法」を紹介するのでぜひ参考にしてください。
質のよい睡眠を取るための方法
丈夫な髪の毛を育てるためには、睡眠時間だけでなく質のよい睡眠を取ることも重要です。
質のよい睡眠を取る方法は以下のとおりです。
- 就寝前の3時間以内の飲食や飲酒を避ける
- 就寝の2、3時間前に入浴する
- 適度に運動をおこなう
- 寝る直前にスマホやPCを見ないようにする
- 就寝直前のカフェインを避ける
- 昼寝は短時間に留める
就寝前の3時間以内の飲食や飲酒を避ける
質のよい睡眠を取るためには、就寝前3時間以内の飲食や飲酒を避けるよう心がけましょう。
満腹の状態で寝ると胃腸が活発に働き、睡眠の質を下げてしまいかねません。
また、アルコールには覚醒作用があるため、多量に摂取すると睡眠の質を下げてしまいます。
そもそもアルコールは髪の成長に必要な亜鉛を取り入れてしまうため、過度な飲酒はおすすめできません。
詳しくは下の記事をご覧ください。
就寝の2、3時間前に入浴する
就寝の2〜3時間前に入浴するのがおすすめです。
温かいお湯につかってリラックスすると、副交感神経が優位に傾くからです。
深い睡眠であるノンレム睡眠は、副交感神経が優位な状態のときに訪れるとされています。
適度に運動をおこなう
日中に適度な運動をおこなうことも、睡眠の質向上につながります。
適度な運動によって身体が疲れると、夜になって自然な眠気が訪れるからです。
また、運動によって血液の循環が促進されれば、頭皮への血流量が増え、毛母細胞の分裂をサポートする結果となります。
寝る直前にスマホやPCを見ないようにする
睡眠の質を高めるためには、寝る直前までスマホやPCを見ないようにしましょう。
スマホやPCなどの画面を見ていると脳が興奮状態に陥るため、睡眠の質を損ねてしまいます。
山形大学の研究において、以下の点が指摘されています。
…VDT 作業を行うことで、就寝中の心拍数と体温の低下が抑制され、十分な休息をとることができなくなるのではないかと考えられる。
VDT作業とは、スマホやPCなどを操作することです。
論文では、VDT作業をすることで心拍数と体温が低下しづらくなり、寝付きが悪くなると指摘しているわけです。
起床時間の14~15時間後には部屋の照明を落とし、リラックスした状態で眠りにつくよう心がけましょう。
就寝直前のカフェインを避ける
質のよい睡眠をとるためには、就寝直前のカフェインを避けるようにしましょう。
カフェインには覚醒作用があるため、就寝直前に摂取した場合、深い睡眠を取りにくくなります。
これは熊本県立宇土中学校・宇土高等学校の研究で明らかになっています。
本研究の結果から,就寝直前のカフェイン摂取は覚醒回数への影響は少ないものの,深睡眠である徐波睡眠の長さに影響を与え,2時間前,4時間前のカフェイン摂取は覚醒回数及び徐波睡眠の長さに影響を与えると考えられる。
昼寝は短時間に留める
質のよい睡眠をとるためには、昼寝を短時間に留めましょう。
15分程度の睡眠はパワーナップと呼ばれ、脳をリフレッシュさせてくれます。
ただし、長時間のパワーナップは夜間の深い睡眠が妨げられてしまう恐れがあるので気をつけてください。
まとめ
睡眠不足とハゲとの関係についてまとめます。
- 睡眠不足になると、髪の毛の成長が妨げられる
- なぜなら、睡眠時は成長ホルモンが分泌されるから
- 質のよい睡眠を取ることが、髪の毛の成長につながる
- 就寝前のアルコールやカフェインの摂取は避ける
- スマホやPCも控え、軽く運動するのがおすすめ
髪の毛を丈夫に成長させるためには、睡眠時間を6時間以上は確保し、質の高い睡眠を取ることが重要です。
今回紹介した方法を参考に、質の良い睡眠を意識しましょう。