【薬剤師監修】シャンプーブラシを使うとハゲる?それとも薄毛に効果的?
シャンプーブラシには「薄毛に効果的」「ハゲる原因になる」など、賛否両論の口コミがあります。
大事なのは口コミに惑わされず、科学的根拠に基づいて冷静に判断することです。
そこでこの記事では、以下の点を分かりやすく解説します。
- シャンプーブラシはハゲるのか?に対する科学的根拠に基づいた答え
- シャンプーブラシの効果
- シャンプーブラシの間違った使い方と正しい使い方
最後まで読むことでシャンプーブラシのハゲに対する影響がわかり、「本当にハゲを改善するためにはどうすればいいのか」の答えが手に入ります。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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シャンプーブラシとは
シャンプーブラシとは、その名前のとおり「髪を洗う時に使う専用ブラシ」のことです。
材質はさまざまで、たとえば以下のような種類があります。
- シリコン
- 樹脂
- スチレン系エラストマー
- ナイロン
形状や硬さもそれぞれで異なります。
ヘアスタイルや毛量によってブラシの長さが選べるようになっており、中には電動で動くタイプのものもあります。
シャンプーブラシに関してよく言われるのが「使いすぎるとハゲる」「使うことでハゲを治療できる」という意見です。
矛盾するような意見ですが、本当のところはどうなのかを科学的に解説します。
使いすぎるとハゲる?
シャンプーブラシを使ってもハゲません。
理由を説明する前に「ハゲ」を定義しましょう。
ここで解説するハゲとはAGAによる抜け毛を意味します。
本記事だけでなく、ハゲと呼ばれる状態はAGAの症状であることが多いです。
AGAの原因は男性ホルモンです。
5αリダクターゼという酵素が、男性ホルモンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変えることで発症します。
DHTは悪玉ホルモンとも呼ばれ、脱毛因子や脱毛タンパクを放出し髪にダメージを与えます。
シャンプーブラシを使っても、DHTが増えるわけではありません。
したがって「シャンプーブラシを使ってもハゲない」といえるわけです。
使うことでハゲを治療できる?
治療できません。
理由は上記と同じで、AGAは男性ホルモンによるものだからです。
AGAを治療するには科学的根拠に基づいた治療をはじめるしかありません。
詳しくは下の記事をご覧ください。
シャンプーブラシの効果
シャンプーブラシには、主に3つの効果があるとされています。
- 血行を促進する
- 毛穴の汚れを落としやすい
- 洗い残しを防げる
それぞれ解説します。
血行を促進する
シャンプーブラシを使って頭皮を洗うことで、マッサージ効果が期待できます。
頭皮に適度な刺激を与えることができるからです。
コリの改善や血行の促進につながることから、頭皮環境の改善が期待できるでしょう。
臨床試験で血行促進効果があるとは証明されているわけではありません。
ただ、ヘアマッサージは、AGAなどの薄毛を治療するものではないにせよ「発毛促進効果が期待できる」という報告があります。
したがって、シャンプーブラシを使ってヘアマッサージすることは、けっして無駄ではないといえるでしょう。
ヘアマッサージに関しては、下の記事でまとめています。
毛穴の汚れを落としやすい
洗髪の際に、毛穴の汚れを指だけで完全に落とすことは不可能です。
シャンプーブラシを使えば先端の部分が頭皮に届くため、指よりも「落としやすい」といえるかもしれません。
毛穴やその周辺には皮脂や汚れ、古くなった角質などが存在します。
放置すると、健康な毛髪が生える頭皮環境に悪影響を及ぼしてしまいかねません。
臨床試験で「シャンプーブラシを使うと汚れが落ちやすくなる」と立証されているわけではありません。
ただ、シャンプーブラシを使うことで「しっかり落とそう」という気持ちが強まれば、よりていねいに頭を洗うようになり、汚れを落としやすくなる可能性もあるでしょう。
洗い残しを防げる
シャンプーブラシは洗い残しを防げる可能性もあります。
「指では届かない頭皮まで洗えるから」というよりは、上述したとおり「しっかり洗うことを心がけるようになるから」でしょう。
洗い残しを防ぐことができれば、頭皮を清潔な状態に保てます。
髪が生えてくる土台を綺麗にすることができるため、健康的な髪の成長と抜け毛の予防につながります。
シャンプーブラシの使い方を間違えると悪影響になることも
シャンプーブラシは、正しく使用すればメリットを感じることもあるでしょう。
しかし、間違った使い方をすると、以下のような悪影響をおよぼす恐れがあります。
- 一時的な切れ毛や抜け毛が増える
- 油脂を洗い流しすぎてしまう
- 頭皮にダメージを与えてしまう
- 濡れた状態で強すぎる刺激はキューティクルにも悪影響
一時的な切れ毛や抜け毛が増える
シャンプーブラシを力強く使ってしまうと、一時的な切れ毛や抜け毛の増加につながる恐れがあります。
ブラシが髪に引っかかりやすくなるからです。
シャンプーブラシを使う際は、髪を撫でるような感覚で力を入れないようにしましょう。
油脂を洗い流しすぎてしまう
シャンプーブラシを長時間にわたり使用すると、必要な油脂まで洗い流してしまう危険性があります。
皮脂は頭皮を外部のダメージから守るバリアのような役割をしているため、洗い流してしまうと逆効果になりかねません。
皮脂が取り除かれれば抜け毛が増える原因になってしまうので、頭皮の洗いすぎには注意しましょう。
頭皮にダメージを与えてしまう
「気持ち良いから」といって強くこすり過ぎてしまうと、頭皮にダメージを与えてしまいます。
頭皮に傷がついたり炎症を起こしたりすれば、ハゲるリスクが高まってしまいます。
たとえシリコン製のやわらかい素材であっても、力を入れすぎれば頭皮にダメージを与えてしまうのです。
シャンプーブラシを使って頭皮を力強くこするのは止めましょう。
濡れた状態で強すぎる刺激はキューティクルにも悪影響
髪は濡れているときにもっともダメージを受けやすく、髪の表面にあるキューティクルも傷つきやすいと言われています。
つまり、濡れた状態でシャンプーブラシを使って髪をこするとキューティクルが剥がれ落ちてしまう危険性があるのです。
シャンプーブラシの使用は頭皮をやさしくマッサージするのみに抑えて、短時間の使用に留めましょう。
正しいシャンプーブラシの使い方
正しいシャンプーブラシの使い方を紹介します。
- 濡らす前にブラッシングを行う
- 指で予洗いをする
- シャンプーを泡立てておく
- 優しく小刻みにシャンプーブラシを当てる
- よくすすぐ
このとおりに使うのがおすすめです。
あわせてこちらもご覧ください。
濡らす前にブラッシングを行う
シャンプーブラシはまず髪を濡らす前に使うのがポイントです。
髪の長い人はいきなり頭皮からブラッシングするのではなく、毛先から髪の根元に向かって絡まりをほどいていきます。
シャンプー前のブラッシングには、洗髪時に髪が絡まるのを防ぐとともに汚れや皮脂を浮かせる効果が期待できます。
指で予洗いをする
乾いた髪のブラッシングが終わったら、次は38〜40度のお湯で髪を濡らしていきます。
濡らすときは頭皮までしっかりお湯を当て、シャンプーブラシは使わずに1〜2分ほど指の腹でマッサージすることがポイントです。
シャンプーを泡立てておく
お湯と指で充分な予洗いができたら、シャンプーを泡立てます。
シャンプーを手に取り、軽く泡立てたら、耳上や後頭部などにつけましょう。
次に、指を使ってさらに泡立ててください。
泡立ちが悪い場合、皮脂やスタイリング剤でまだ髪が汚れている可能性があります。
一旦すすいだあとに、もう一度同じ工程を繰り返してください。
優しく小刻みにシャンプーブラシを当てる
シャンプーの泡が髪全体に充分に広がったら、シャンプーブラシを頭皮に当てて、マッサージするように動かします。
具体的には、シャンプーブラシを上下左右に動かしながら洗います。
洗い残しがないよういくつかのブロックに分けて細かく洗うのがおすすめです。
よくすすぐ
頭全体を充分に洗ったあとは、シャワーの水圧を利用してしっかり泡を洗い流します。
特に耳裏や襟足、おでこなどはすすぎ残しが多い部分です。
シャワーの水流が頭皮に当たるよう、時間をかけて洗い流しましょう。
まとめ
シャンプーブラシはハゲるのか、という点についてまとめます。
- シャンプーブラシを使ってもハゲるわけではないし、ハゲを治療するものでもない
- ただし、力を入れすぎたり使いすぎたりすると、一時的に抜け毛が多くなることもある
- さまざまなメリットがあるものの、科学的根拠はない
- リラクゼーション効果などは期待できるため、使用は無駄ではないといえる
- 正しい方法で使うのが大事
シャンプーブラシを使うとハゲるという噂もありますが、これは間違った使い方によるものです。
ただし、あなたがAGAならシャンプーブラシの使用に関係なく薄毛が進行します。
AGAを改善する方法として「AGAガイドライン」でもっとも推奨されているのがミノキシジルの発毛剤です。
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