うなじハゲや抜け毛の原因とは?セルフケア・病院での対策なども紹介
「うなじ部分の髪の毛が薄くなってきた」
「このままうなじの髪の毛がなくなるのではないか不安」
ふとした瞬間にうなじの薄毛を見つけ、このような気持ちになる方もいるでしょう。
うなじはげは、放っておくとどんどんひどくなる恐れがあります。
ただし、誤った治療法を続けてしまうと治らないどころか逆効果になりかねません。
そこで、本記事では以下の点を解説します。
- うなじはげや抜け毛の原因
- うなじはげ・薄毛の対策
- クリニックを受診するメリット
記事を最後まで読むことでうなじはげの原因がわかり、「どうすればいいのか」と具体的な行動に移せます。
この記事の監修者
-
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
最新の投稿
うなじハゲや抜け毛の原因とは
うなじハゲや抜け毛を引き起こす原因としては、主に以下のような例が挙げられます。
- 円形脱毛症
- 牽引性脱毛症
- 脂漏性脱毛症
- 瘢痕性脱毛症
- 抜毛症
それぞれについて解説します。
円形脱毛症
うなじハゲや抜け毛を引き起こす原因の一つが円形脱毛症です。
薄毛やハゲは男性の問題だと思われる傾向にありますが、円形脱毛症は年齢や性別を問わず発症します。
画像出典:日本皮膚科学会「ストレスが円形脱毛症の原因ではないのですか?」
10円ハゲと呼ばれることもあることから、コイン大の脱毛斑(抜け毛の場所)をイメージされるかもしれません。
実際には、コイン大の脱毛斑が複数できるケースもあれば、頭部全体にわたって抜け毛が見られることもあります。
また、髪の毛だけでなく、全身の体毛が抜け落ちるケースも報告されています。
円形脱毛症が起こる原因は、現在でもはっきり分かっていません。
かつてはストレスが円形脱毛症を引き起こすと考えられていましたが、現在では「有意な因果関係はない」とされています。
脱毛斑の数が増えたり、薄毛の範囲が広がったりすればするほど、完治は難しくなるとされています。
そのため、脱毛斑が見つかったらすぐに対処することが重要です。
詳しくは下の記事をご覧ください。
牽引性脱毛症
牽引性脱毛症も年齢や性別を問わず起こりうる脱毛症の一種です。
いつも同じ場所で髪の毛を結んでいたり分け目を付けたりしていると、牽引性脱毛症の発症リスクが高くなります。
「牽引」という文字から、髪の毛が引っ張られて抜けるようなイメージを持たれるかもしれません。
実際には牽引力によって局所の血行不良が起こり、髪の毛の成長に悪影響をおよぼすことで「牽引性脱毛症の発症リスクが高くなる」とされています。
脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は、脂漏性皮膚炎にともなう抜け毛や薄毛を意味します。
頭皮に潜むマラセチアという常在菌は、皮脂をエサとして繁殖するのが特徴です。
そのため、皮脂の分泌量が過剰になると、脂漏性皮膚炎を発症するリスクが高くなります。
皮脂の分泌量が多い場所であれば、どこでも発症する可能性があります。
頭皮は身体の中でも皮脂の分泌量が多い場所の一つなので、脂漏性皮膚炎を発症しやすいのです。
脂漏性皮膚炎を発症したからといって、すぐに抜け毛や薄毛につながるわけではありません。
ただ、脂漏性皮膚炎は炎症性の皮膚疾患なので、悪化すると頭皮環境が悪化します。
やがて毛穴に皮脂やフケ、ホコリなどが詰まり、髪の毛の成長が阻害され、脂漏性脱毛症を発症するリスクが高くなるのです。
瘢痕性脱毛症
瘢痕性脱毛症は頭皮に瘢痕(頭皮に付いた傷が線維化すること)ができることで起こる脱毛症です。
瘢痕が生じる代表的な原因が、やけどやケガ、手術などです。
瘢痕ができると髪の毛が生み出される毛包にもダメージが加わり、その毛穴から髪の毛が生えて来なくなるのです。
抜毛症
抜毛症は、抜毛癖やトリコチロマニアとも呼ばれる精神障害の一種です。
これまで見てきた脱毛症とは異なり、髪の毛が自然に抜け落ちたり生えて来なくなったりするわけではありません。
無意識に抜毛行為に及ぶこともあれば、意識的に毛を引き抜くこともあります。
髪の毛だけでなく、眉毛やまつげ、足の毛などを引き抜くケースも見られます。
抜毛症もはっきりとした原因が分かっていません。
ただ、抜毛症を発症する方の多くに、精神的なストレスの存在が確認されているそうです。
学童期や思春期前後に発症するケースが多く、圧倒的に女性の発症例が多いのも特徴です。
詳しくは下の記事をご覧ください。
【薬剤師監修】抜毛症とは?症状や原因、治療法、接し方のポイントを解説
【セルフケア】うなじはげ・薄毛の対策
うなじはげや薄毛が気になる場合、次のような対策を講じることで症状を改善できる可能性があります。
- 頭皮のマッサージをする
- 生活習慣を改善する
- 育毛剤を使用する
- 適度に運動する
- ストレス解消法を見つける
それぞれ解説します。
頭皮のマッサージをする
自分でできる対策の一つが頭皮のマッサージです。
頭皮をマッサージすると血液の循環が促進されます。
血液の循環が促進されることで、頭皮環境の改善につながります。
頭皮マッサージをおこなうときは、指の腹で優しく頭皮を動かすようにしましょう。
爪や指先で擦ると、かえって頭皮にダメージを与えるので注意が必要です。
詳しくは下の記事をご覧ください。
生活習慣を改善する
生活習慣を改善することも、うなじはげの改善にとって大事です。
特に見直したいのが睡眠習慣です。
髪の毛は寝ている間にも成長します。
そのため、慢性的な睡眠不足状態に陥ると、髪の毛の成長に悪影響を及ぼしかねません。
睡眠の質も大事です。
できるだけ深い睡眠をとるよう心がけましょう。
睡眠に関しては下の記事で詳しくまとめています。
育毛剤を使用する
うなじはげや薄毛への対策として、育毛剤を使用する方法があります。
育毛剤には髪の毛や頭皮にとって好ましいとされる成分が多く含まれており、髪の毛を強く維持してくれます。
天然由来の成分から作られているものが多く、副作用のリスクが少ない点もメリットです。
ただし、育毛剤はあくまでも髪の毛を強く成長させるためのものであり、新たに髪の毛を生えさせるためのものではありません。
基本的に育毛剤は、将来のうなじはげや薄毛を予防する目的で使用するものです。
薄毛を改善したい場合、育毛剤ではなく発毛剤を使用する必要があります。
おすすめの発毛剤はこちらで紹介しています。
適度に運動する
適度に運動することも、うなじはげや薄毛の対策につながります。
運動不足が続くと筋力が低下し、全身の血液循環が悪くなるからです。
適度に運動すると全身の血液循環を促進できるだけでなく、睡眠の質向上にもつながります。
ストレス解消法を見つける
ストレス解消法を見つけるのも大事です。
ストレスが溜まると自律神経のバランスが崩れ、全身の血行が悪くなります。
特に抜毛症を発症している方の場合、ストレス状態が継続している傾向にあります。
そのため、自分なりのストレス解消法を見つけることが重要です。
セルフケアで治らない場合はクリニックを受診しよう
うなじはげがセルフケアで治らない場合、クリニックを受診しましょう。
クリニックを受診するメリットは以下のとおりです。
- 薄毛の種類が分かる
- 適切な治療が受けられる
クリニックを受診すると薄毛の種類が分かります。
薄毛の種類が分かれば、それに応じた対処ができるようになります。
また、自分に合った適切な治療が受けられるのもクリニックのメリットです。
薄毛の原因は上述したとおりさまざまです。
多くの場合はいくつかの原因が複雑に絡み合って、抜け毛や薄毛を引き起こしています。
したがって、薄毛の治療法は人によって少しずつ異なります。
うなじはげが気になる場合、自己判断で対処するのは避けるべきでしょう。
誤った治療方法を続けていても改善が期待できないどころか、逆効果になる恐れもあります。
セルフケアでできることには限界があるため、まずは専門のクリニックを受診するのがおすすめです。
円形脱毛症や脂漏性脱毛症、牽引性脱毛症の場合は皮膚科や薄毛治療専門のクリニックを受診するとよいでしょう。
瘢痕性脱毛症の場合は形成外科や美容外科、抜毛症の場合は心療内科や精神科を受診するのが一般的です。
まとめ
うなじはげの原因や対策についてまとめます。
- うなじはげの多くは何らかの脱毛症によって起こる
- セルフケアでは限界があるので、クリニックで見てもらうのがおすすめ
- 脱毛症の種類によって受診するクリニックを選ぶことが重要
うなじはげの原因は何らかの脱毛症であるケースが多いため、専門のクリニックを受診して脱毛症の種類を特定することが重要です。
症状が軽度であればセルフケアで対処できる可能性もありますが、薄毛の部位が目立つ場合は、なるべく早めに受診するのがおすすめです。