酸性雨でハゲるのは本当?髪への悪影響と雨に濡れた時の対処法
「酸性雨にあたるとハゲる」
このような噂を聞いたことがある方は少なくないでしょう。
酸性雨がハゲるというのは単なる都市伝説に過ぎません。
本記事では、専門家監修のもと以下の点を解説します。
- 酸性雨でハゲない理由
- 酸性雨が髪に与えるダメージ
- 雨が降ってきたときの適切な対処法
どこよりもわかりやすく科学的根拠に基づいて「酸性雨がハゲない理由」を説明しているので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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酸性雨とは?
酸性雨とは、二酸化硫黄や窒素化合物などから成る「酸性物質が溶け込んだ雨」のことです。
酸性雨のもととなる二酸化硫黄や窒素化合物は、自動車・工場・発電所における化石燃料(石油・石炭など)の燃焼、火山活動、森林火災などによって発生します。
これらの物質が大気中で硫酸や硝酸などの酸性物質に変化し、前述の通り雨に溶け込むことが、酸性雨の発生原因と考えられているのです。
水溶液中に存在する水素イオンの濃度を示す「pH」の値が5.6以下であることが、酸性雨の一つの目安となっています。
日本の酸性雨のpH値は4.6近辺であり、この値が低くなるほど人体や自然環境に悪影響を及ぼすと言われています。
「酸性雨でハゲる」は都市伝説
「酸性雨でハゲる」という噂を耳にしたことがある方も多いでしょう。
結論から言うと、単なる都市伝説に過ぎません。
たしかに酸性雨によって森林が枯れたり建造物が溶けたりする被害も起きてはいますが、だからといってすぐに髪が溶けてしまうようなことはないのです。
先にも述べたように、日本の酸性雨のpH値は4.6程度です。
一方、人間の髪の毛や肌のpH値は5程度であり、あまり差異のない数値であることが分かります。
さらに、温泉の中にはpH1.2程度のものもあります。
pH1.2程度でも入浴は可能であるため、酸性雨が原因でハゲることを過剰に心配する必要はないと言えます。
ハゲにはならないが酸性雨は頭皮・髪の毛に悪影響!
ハゲにはならないものの、酸性雨は頭皮や髪の毛に次のような悪影響を及ぼします。
- 濡れたまま髪の毛を放置するとキューティクルが剥がれる
- 頭皮・髪の毛へのダメージ・悪臭の原因になる
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
濡れたまま髪の毛を放置するとキューティクルが剥がれる
髪には紫外線や汚れなど外部からの刺激を防ぐ役割を持つ「キューティクル」が存在します。
通常髪はウロコ状のキューティクルに覆われていますが、雨などに濡れたまま放置しているとキューティクルが剥がれやすくなってしまいます。
キューティクルが剥がれると外部の刺激を受けやすくなり、それがダメージに繋がるのです。
また、髪が濡れると水分が髪の内側に入り込みます。
その結果髪自体が膨張し、内部がむき出しの状態となって、内側にもダメージが及びやすくなります。
酸性雨を浴びたまま乾かさずにいると、このような悪影響が生じる可能性があるのです。
頭皮・髪の毛へのダメージ・悪臭の原因になる
酸性雨は頭皮や髪の毛へのダメージ、悪臭の原因にもなります。
雨には空気中の汚れなどが多く含まれているからです。
汚れを浴びることで頭皮や毛穴に雑菌が繁殖しやすくなり、ダメージや悪臭に繋がると考えられているのです。
また、雨に濡れると体が冷えて、頭皮の血流が滞りがちになります。
血流が滞ると髪の成長に必要な栄養が十分に運ばれなくなり、抜け毛が多くなる可能性もあります。
頭皮環境の悪化はハゲにつながるので要注意!
ここまで見てきたとおり、酸性雨が直接的に薄毛の原因になることはありません。
しかし、酸性雨に当たることで頭皮環境が悪化すると、健康な髪が育ちにくくなり、結果的に抜け毛や薄毛につながるリスクがあります。
髪が濡れた状態が続くことによるキューティクルへのダメージや頭皮での雑菌の繁殖、冷えによる血流の悪化などは、頭皮環境の悪化を招く要因となります。
「酸性雨でハゲることはないから」といって油断をしていると、健全な頭皮環境が失われ、ハゲにつながる恐れもあるため注意が必要です。
雨が降ってきたときの適切な対処法は?
雨が降ってきたときや雨に濡れた直後、そして帰宅後におすすめの対処法をご紹介します。
- 頭皮・髪の毛を雨に濡らさない
- 雨に濡れたらすぐにタオルドライ
- その日のうちにしっかり汚れを落とす
- シャンプー後はすぐにドライヤーで乾かす
これらの対処法を行うことで、髪や頭皮へのダメージを防ぐ効果が期待できます。
頭皮・髪の毛を雨に濡らさない
雨が降ってきたら傘をさす・屋内に入るなどして、頭皮や髪の毛を極力濡らさないことが大切です。
「この程度なら大丈夫かな」と思うような小雨であっても、少なからずダメージとなってしまいます。
あらかじめ天気予報を確認して、少しでも雨が降りそうなときは折りたたみ傘を持って出かけるようにするとよいでしょう。
雨に濡れたらすぐにタオルドライ
雨に濡れてしまったら、すぐにタオルドライをすることでダメージを少なく抑えることができます。
タオルがない場合はハンカチでも構いません。
大切なのは少しでも水分をふき取って、できるだけ早く髪や頭皮を乾かすことです。
傘を持ち歩くほどではないときも、急な雨に備えてタオルやハンカチを常備しておくことをおすすめします。
その日のうちにしっかり汚れを落とす
前述のとおり、雨には空気中の汚れが多く含まれています。
雨に濡れた頭皮や髪をそのままにしていると、雑菌が増殖するなどの悪影響が懸念されます。
そのため、雨に濡れたらその日のうちにシャンプーをして、しっかり汚れを落とすことが大切です。
ただし、シャンプーの選び方ややり方が良くなければ逆効果になりかねません。
下の記事で正しいシャンプーの選び方・やり方を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
シャンプー後はすぐにドライヤーで乾かす
雨に濡れた髪をシャンプーすればすべてOKというわけではなく、シャンプー後はすぐに乾かすことも重要な対策の一つです。
雨・水道水に関わらず、髪や頭皮を濡れた状態で放置するのはNG。
ハゲや薄毛を予防したいのであれば、シャンプーをした後はすぐにタオルドライを行い、ドライヤーの温風できちんと乾かすようにしましょう。
薄毛は酸性雨ではなくAGAが原因の可能性がある!
さまざまな対策を行っても薄毛や抜け毛が徐々に進行していく場合、酸性雨ではなくAGA(男性型脱毛症)が原因の可能性があります。
ここではAGAとはなにかを説明し、正しい治療の方向性を紹介します。
AGAとは?
AGA(男性型脱毛症)とは、男性ホルモン「テストステロン」が原因で引き起こされる脱毛症のことです。
テストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素と結合すると、悪玉男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)が生成されます。
毛根にある男性ホルモンレセプターが生成されたDHTをキャッチすることで脱毛因子「TGF-β」や脱毛タンパク「DKK-1」が増加し、毛母細胞にダメージを与えます。
その結果、髪の成長を司るヘアサイクルが乱れ、太く長い髪が育ちにくくなり、薄毛・抜け毛につながると考えられているのです。
AGAの発症には「5αリダクターゼの活性度」「男性ホルモンレセプターの感受性」という2つの遺伝的要素が関係しています。
親族、特に母方の祖父が薄毛の場合、遺伝的要素を引き継いでいる可能性があり、AGA発症のリスクが高まります。
詳しくは下の記事をご覧ください。
AGAは早期治療が重要!
AGAは進行性の症状であり、セルフケアで治すことは難しいのが現実です。
AGAを改善するためには、専門の医師による早期治療が必要となります。
「最近髪の毛に元気がない」「抜け毛が増えた」と感じている場合、酸性雨の影響よりもAGAの疑いがあるため、クリニックを受診してみることをおすすめします。
「クリニックに行く時間がない」という方におすすめなのがミノキシジルの発毛剤です。
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