【薬剤師監修】3ヶ月でフサフサの育毛剤って本当に効果ある?育毛剤の選び方を解説します
育毛剤の効果として「3ヶ月でフサフサに!」などのキャッチコピーを目にすることもありますよね。
なかには薄毛を根本的に治す方法と疑問を抱く方もいるでしょう。
育毛剤を使っても、3ヶ月でフサフサになることはありません。
そこで本記事では、専門家監修のもと以下の点を解説します。
- 育毛剤と発毛剤との違い
- 育毛剤の選び方
- 育毛剤の効果を高める方法
- 薄毛を根本的に治す方法
記事のなかでは、科学的根拠に基づいて育毛剤より効果があるAGAの治療方法を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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育毛剤とは
育毛剤はその名のとおり、髪の毛を育てるために用いられる商品です。
主に、次のような効果が期待されています。
- 頭皮を清潔に保つ
- 髪の毛の成長に必要な成分を補う
- 薄毛の原因物質の生成を防ぐ
育毛剤には頭皮を清潔に保ち、髪の毛が太く・強く成長する土壌(頭皮環境)を整える目的があります。
また、日常生活で不足しがちな栄養素を頭皮下に送り届ける働きや、薄毛の原因物質の生成を防ぐ働きも期待されています。
意外に思われるかもしれませんが、育毛剤の目的は髪の毛を生やすことではありません。
育毛剤の目的は、現在生えている髪の毛を強く成長させることです。
そのため、発毛効果を期待して育毛剤を利用しても、思ったような効果は得られません。
発毛剤との違い
育毛剤と発毛剤との最大の違いは、ミノキシジルが配合されているかどうかです。
ミノキシジルは厚生労働省によって発毛効果を認められた成分です。
医薬品に含まれるため、医薬部外品である育毛剤には配合されていません。
育毛剤 | 発毛剤 | |
ミノキシジル成分 | 含まれない | 含まれる |
分類 | 医薬部外品 | 第一類医薬品 |
目的 | 髪の育成 | 髪の発毛 |
ミノキシジルの作用は、血管を拡張し、血液の循環を促進することです。
また、ミノキシジルには発毛シグナルを促進し、毛母細胞の死滅を抑制する働きも期待されています。
育毛剤と発毛剤について簡単にまとめると、育毛剤は今ある髪の毛の成長を促すものであり、発毛剤は新たな髪の毛を生えさせるものといえます。
したがって、AGA治療する際に用いられるのは発毛効果があるミノキシジルです。
ミノキシジルは育毛剤に比べて高価でしたが、特許が切れて現在はジェネリック剤が多く発売されています。
1本あたり3,000円で買える国内最大濃度のミノキシジル発毛剤はこちらをご覧ください。
短期間でフサフサになる育毛剤は存在しない
インターネットの広告などで、「たった3ヶ月で髪がフサフサに!?」のような育毛剤の宣伝を見かけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際にはそういったことはありえません。
育毛剤で髪の毛がフサフサにならない理由として、以下の2点があげられます。
- そもそも育毛剤では髪の毛が生えない
- 髪を生やすには発毛剤やAGA治療が必要
育毛剤で髪の毛がフサフサにならない理由の1つが、そもそも育毛剤では髪の毛が生えないからです。
先述したように、育毛剤の目的は今生えている髪の毛を強く成長させるようサポートすることです。
したがって、育毛剤を利用したからといって髪の毛が生えてくるわけではありません。
また、髪の毛を生やすためには、発毛剤を利用したりAGA治療を受けたりすることが欠かせません。
とくに男性に見られる代表的な薄毛であるAGA(男性型脱毛症)は進行型なので、適切な治療を受けないと、薄毛がゆっくりとですが徐々に進行してしまいます。
AGA治療に関しては下の記事をご覧ください。
育毛剤の選び方
育毛剤にはたくさんの商品があるため、どれを選べばいいのか分からない方もいるでしょう。
育毛剤を選ぶ際のポイントは以下の2つです。
- 医学的に勧められているものを選ぶ
- 自分に合ったものを選ぶ
それぞれについて解説します。
医学的に勧められているものを選ぶ
育毛剤を選ぶ場合、医学的に勧められているものを選ぶのがおすすめです。
AGAの治療に関しては、日本皮膚科学会が「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」を策定しています。
発毛剤であるミノキシジルは、最高レベルの推奨度である「推奨度A(行うよう強く勧める)」とされています。
ほかに推奨度Aとされているのは内服薬である「フィナステリド」「デュタステリド」です。
推奨度Aの育毛剤はありません。
推奨度B(行うよう勧める)とされている「アデノシン」は、育毛剤にも含まれている成分です。
アデノシンはもともと体内に存在しており、エネルギー代謝に関わっているとされています。
アデノシン配合の育毛剤を頭皮に塗布すると、髪の毛の成長因子を増やすことが期待できるのです。
詳しくは下の記事をご覧ください。
自分に合ったものを選ぶ
育毛剤を選ぶ場合、自分に合ったものを選ぶのが大事です。
さまざまな種類があるので、他の人に合っているからといって、自分にも合うとは限りません。
抜け毛がなぜ起こっているのかを考え、自分に合った成分が配合されている育毛剤を選ぶとよいでしょう。
育毛剤の効果を高める方法
育毛剤の効果を少しでも高めるためには、髪の毛が成長する土壌である頭皮環境を良くする必要があります。
そのためには、以下の方法がおすすめです。
- 質の良い睡眠をとる
- 栄養バランスの良い食生活にする
- 適度に有酸素運動を行なう
- ストレスを溜め込まない
ただし、上記の方法はあくまでも育毛剤の効果を高める方法であり、AGA治療ではないので注意してください。
質の良い睡眠をとる
睡眠の質を向上させるのが大事です。
睡眠不足になると髪の健全な成長が妨げられるのです。
睡眠の質を高める方法としては、お風呂でゆっくりとリラックスすることや、寝る前に適度なストレッチをおこなうことなどがあげられます。
普段から規則正しい生活を心がけると、夜になったとき自然な眠気が訪れるでしょう。
睡眠については以下の記事でもまとめています。
栄養バランスの良い食生活にする
栄養バランスの良い食生活にすることも、育毛剤の効果を高める方法の1つです。
髪の毛は普段食べるものから作られているからです。
とくに髪の毛を構成する主要な成分であるタンパク質を普段から適度に摂取しましょう。
タンパク質が髪の主成分であるケラチンに変わるのをサポートする亜鉛も大事です。
また、頭皮環境の改善や皮脂の分泌量を調整するために、ビタミン類の摂取も心がけてください。
髪に大事な栄養素については下の記事で詳しく解説しています。
適度に有酸素運動を行なう
適度に有酸素運動をおこなうのもおすすめです。
有酸素運動によって血液の循環が促進されると、育毛剤の有効成分が頭皮全体に浸透しやすくなります。
ただし、運動のしすぎは良くありません。
発毛や育毛に必要なタンパク質、亜鉛が失われやすくなってしまいます。
あくまで無理のない適度な運動を心がけましょう。
運動後はプロテインなどでタンパク質を補給するのがおすすめです。
ストレスを溜め込まない
育毛剤の効果を高めるためには、ストレスを溜め込まないことも重要です。
ストレスが溜まると自律神経のバランスが乱され、血液循環に悪影響をおよぼす恐れがあります。
また、ストレス状態が続くと、睡眠の質低下にもつながります。
ストレスの自覚がある場合、適度に発散するよう心がけましょう。
根本的に治療したいならAGAクリニックへ
抜け毛や薄毛がある場合に育毛剤を利用しても、効果を感じられない場合があります。
その理由は、そもそも育毛剤には発毛効果が期待できないからです。
育毛剤は今生えている髪の毛を強く成長させるためのものであり、新たな髪の毛を生えさせるものではありません。
抜け毛や薄毛を根本的に改善するためには、AGA専門クリニックなどで治療を受けるのが確実です。
AGA専門クリニックでは、通販では購入できないフィナステリドやデュタステリドといった治療薬を用いて薄毛を治療します。
フィナステリドやデュタステリドはAGAの進行を食い止められる効果のある内服薬です。
AGA(男性型脱毛症)には、進行型という特徴があります。
できるだけ早めに治療を受けましょう。
まとめ
育毛剤の効果についてまとめます。
- 育毛剤には現在生えている髪の毛の成長をサポートする働きがある
- 発毛効果が期待できるのは育毛剤ではなく発毛剤
- 育毛剤の効果を高めるためには、生活習慣の見直しが重要
育毛剤には、現在生えている髪の毛を強く成長させる働きはありますが、発毛を促進する効果は期待できません。
育毛剤の効果を高めるためには、生活習慣を見直す必要があります。
また、薄毛が目立つ場合はAGAクリニックで治療を受けることが重要です。