【薬剤師監修】薄毛対策に増毛スプレーは効果ある?メリットやデメリットを解説
増毛スプレーは「今すぐ薄毛をカバーしたい」という方に人気のアイテムです。
ドラッグストアや通販などで気軽に手に入れられる反面、気になるのは「どのような効果があるのか」という点でしょう。
本記事では専門家監修のもと、以下の点を詳しく解説します。
- 増毛スプレーの種類
- 増毛スプレーのメリット・デメリット
- 増毛スプレーが向いている人・向いていない人
記事の後半では、増毛スプレーよりも効果がある「科学的根拠に基づいた髪の増やし方」も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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増毛スプレーとは
増毛スプレーと聞くと「髪の毛が増毛する=生えてくる」と思う方もいるかもしれませんが、実際に得られる効果は異なります。
増毛スプレーとは髪の毛を生やすものではなく、炭や特殊繊維などの微粒子を頭に振りかけることで、髪の毛が増えたように見せる整髪料のことを言います。
髪や頭皮に炭や特殊繊維が絡みつき、密度が増えたように見せかけられるのです。
- すぐに薄毛対策をしたい
- 薄毛を気軽にカバーしたい
- 薄毛を隠したいがウィッグや植毛には抵抗がある
上記のような人にとって、増毛スプレーは便利なアイテムといえるでしょう。
また、増毛スプレーには、スプレータイプだけでなくいくつかの種類があります。
見た目の増毛効果が得られる主なものは以下のとおりです。
- スプレータイプ
- ふりかけタイプ
- パフタイプ
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
スプレータイプ
繊維パウダーをヘアスプレーのように吹き付けるタイプです。
ヘアセットする際に吹き付けるだけなので誰でも簡単に使用できますが、商品の種類は少なめとなっています。
スプレータイプには以下のような商品があります。
- goodbody『CAX(カックス)』
- ANGFA(アンファー)『 スカルプD ブラックカバースプレー』
- 黒ばら本舗『黒染ボリュームアップヘアスプレー』など
ふりかけタイプ
繊維パウダーを頭皮や髪の毛に振りかけ、ミストスプレーで固めて定着させるタイプです。
商品の種類が多いのが特徴となっています。
ただし、パウダー量の調整が難しく、周囲に飛び散ってしまうケースもあるため注意が必要です。
ふりかけタイプには以下のような商品があります。
- ルアン『スーパーミリオンヘアー』
- クラウン『マジックパウダー ライトブラウン』
- アデランス『ヘアプラス スピードE プレミアム』
パフタイプ
繊維パウダーが含まれたパフを頭皮や髪の毛にポンポンと叩きつけ、ミストスプレーで固めて定着させるタイプです。薄毛をピンポイントでカバーしやすいという特徴があります。
一方、ボリューム感を出しにくい・パフが不衛生になりがちなどのデメリットも存在します。
パフタイプには以下のような商品があります。
- ヘアプラス『ビューファンデパウダー』
- アートネイチャー『アートミクロンプラビ パウダー』
増毛スプレーのメリット
増毛スプレーにはさまざまなメリットが期待できます。
主なメリットは以下の3つです。
- 即効性がある
- 気軽に入手できる
- 初心者でも使いやすい
即効性がある
増毛スプレーのメリットの一つが即効性です。
気になる場所に振りかけるだけで、すぐに薄毛をカバーできます。
育毛剤やAGA治療薬の場合、効果が現れるまでに約半年程度かかってしまいます。
さらに、効果が現れたとしても劇的に変化があるわけではありません。
その点、使った直後に効果が得られる増毛スプレーは、今すぐ薄毛をカバーしたい人にとっては魅力的なアイテムといえるでしょう。
気軽に入手できる
薬局や通販サイトで気軽に入手できるというのも増毛スプレーのメリットです。
安価なものでは1,000円前後、高価なものでも3,000円~4,000円前後で手に入れることができます。
また、毎日使ったとしても1〜2ヵ月程度持つものがほとんどなので経済的です。
初心者でも使いやすい
増毛スプレーの使い方はとても簡単です。
頭皮から15〜20cm程度離し、円を描くように振りかけるだけで、薄毛の部分をボリュームアップすることができます。
このように初心者でも使いやすいという点も、増毛スプレーのメリットです。
詳しい使い方は下をご覧ください。
増毛スプレーのデメリット
一方で、増毛スプレーには以下のようなデメリットもあります。
- 効果が一時的
- 根本的な薄毛対策にはならない
- 薄毛が悪化する恐れがある
効果が一時的
「効果に永続性がない」という点は増毛スプレーのデメリットといえるでしょう。
増毛スプレーの効果は一時的なので、外出のたびに使い続ける必要があります。
頭皮や髪の毛に吹きかけた炭や特殊繊維が汗や洗髪などによって取れると、効果も失われてしまいます。
場合によっては人にバレてしまうリスクもあるでしょう。
根本的な薄毛対策にはならない
増毛スプレーは薄毛を「隠す」ためのものであって、AGA治療にはなりません。
薄毛の進行そのものを改善したいのであれば、医療機関を受診してAGA治療を受ける必要があります。
詳しくは下の記事をご覧ください。
薄毛が悪化する恐れがある
増毛スプレーを使うことで、逆に薄毛が悪化する恐れもあります。
頭皮に付着したスプレーの成分が原因で毛穴が詰まり、頭皮環境が悪化すると、脂漏性皮膚炎などのトラブルを引き起こす可能性もあるでしょう。
そうすると、炎症が原因でさらに薄毛が進行してしまう危険性もあるのです。
増毛スプレーが効かない可能性がある人
増毛スプレーには向いている人・向いていない人がいます。
向いていない人の条件に当てはまる場合、増毛スプレーを使っても十分な効果を得ることはできません。
増毛スプレーが向いている人・向いていない人の特徴は以下のとおりです。
向いている人 | 向いていない人 |
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増毛スプレーはどんな方でも気軽に使用できるのがメリットですが、条件によっては使用が向かないケースもあるため注意が必要と言えます。
特に、汗をかきやすい人は気をつけてください。
汗によってふりかけた部分が溶けてしまうと、薄毛が周りにバレてしまいます。
そうすると、増毛スプレーを使ったことが逆効果になりかねません。
あくまで増毛スプレーはその場しのぎの薄毛隠しに過ぎないのです。
「薄毛だと気付かれたくない」と感じる場合や上記の「向いていない人」に当てはまる方は、髪の毛そのものを増やしましょう。
髪の毛を増やす方法は下の記事をご覧ください。
薄毛を治療するにはAGA治療しかない
薄毛を改善するにはAGA治療を受ける必要があります。
AGA(男性型脱毛症)とは、男性ホルモン「テストステロン」が原因で生じる薄毛のことです。
テストステロンが還元酵素「5αリダクターゼ」と結合すると、悪玉男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)が生じます。
そのDHTを毛根の男性ホルモンレセプターがキャッチすると、脱毛因子「TGF-β」や脱毛タンパクの「DKK-1」が増加し、成長期の髪の毛を退行期に移行させてしまいます。
その結果、薄毛が進行すると考えられています。
AGAの主な治療方法は、主に次の2つです。
- 内服薬
- 外用薬
内服薬
AGAの内服薬として推奨されているのが以下の2つです。
- デュタステリド
- フィナステリド
どちらも「5αリダクターゼ」の働きを阻害する効果があります。
AGAの進行を食い止められる可能性がある一方で、AGAクリニックを受診しなければ処方されません。
外用薬
AGAの内服薬として推奨されているのがミノキシジル外用薬です。
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