【薬剤師監修】ハミルトンノーウッド分類でAGAの進行度をチェックしよう!
ハミルトンノーウッド分類はAGAの進行度を示すものです。
ただ、大事なのは進行度をきちんと理解して自分に合った正しい治療法を選択することです。
そこで本記事では、 専門家監修のもと以下の点を詳しく解説します。
- ハミルトンノーウッド分類による薄毛の進行度
- 代表的なAGAの3つの進行パターン
- AGAのセルフチェック法
- AGAの進行度合いに応じた治療法
記事を最後まで読むことで、科学的根拠に基づいた「どのようにしてAGAを治療するのが正解なのか」という答えが手に入ります。
この記事の監修者
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北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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ハミルトンノーウッド分類とは
男性に見られる薄毛の多くが、AGA(男性型脱毛症)の発症にともなうものとされています。
AGAはゆっくりと徐々に進行する脱毛症なので、薄毛の程度や範囲は人によってさまざまです。
ハミルトンノーウッド分類は、AGAの進行パターンを分類したものです。
ただ、ハミルトンノーウッド分類は欧米人を対象としたものであり、日本人のAGAの進行度には当てはまらないケースがあります。
そこで、日本人皮膚科の高島巌先生によって、ハミルトンノーウッド分類の修正版とも言える、高島分類が作られました。
それによると、AGAの進行パターンは次のように分類されます。
I型
I型 | 生え際がやや後退し始めるが、他人からは気づかれない状態 |
II型 | 生え際の後退が1型よりも進んだ状態 |
II vertex型 | II型に加え頭頂部にも狭い範囲で薄毛が見られる状態 |
III vertex型 | II vertex型に加え頭頂部がOの形に薄くなり始めた状態 |
IIa型 | 額の生え際の後退が目立ち始めた状態 |
III型 | 額の後退に加え、髪の毛全体のボリュームが減少し始めた状態 |
III a型 | 額の両サイドが後退しMの形に見え始めた状態 |
IV型 | 額の両サイドのM字が進行し、頭頂部のO型もハッキリし始めた状態 |
IVa型 | 額の両サイドのM字が進行するが、頭頂部にはまだ髪の毛が残っている状態 |
V型 | 生え際と頭頂部の薄毛がもう少しでつながりそうな状態 |
Va型 | 生え際と頭頂部の薄毛がつながるが、髪の毛はまばらに残っている状態 |
VI型 | 生え際と頭頂部の薄毛が完全につながり、側頭部と後頭部にだけ髪の毛が残っている状態 |
VII型 | 薄毛の範囲が広がり、襟足ともみあげ部分だけ髪の毛が残っている状態 |
代表的なAGAの3つの進行パターン
AGAの進行度合いは細かく分けていくと上記の13パターンに分類されるのですが、大まかに分類した場合、以下の3パターンにまとめることが可能です。
- M字型
- O字型
- U字型
それぞれの進行パターンについて詳しく解説します。
M字型
M字型の薄毛は額の両サイドから後退が進行し、前から見たときにアルファベットの「M」のような形に見える状態です。
M字ハゲと呼ばれることもあります。
正確な定義はありません。
ハミルトンノーウッド分類でいうと、3型もしくは3a型がM字型の薄毛にあたるとされることが多いです。
詳しくは下の記事をご覧ください。
O字型
O字型の薄毛はつむじのまわりが薄くなり、上から見たときにアルファベットの「O」の形に見える状態です。
つむじはげやO字ハゲと呼ばれることもあります。
ハミルトンノーウッド分類でいうと、2V型→3V型→4型→5型という順番で、O字の範囲が広がっていきます。
つむじはげに関しては下の記事で詳しく解説しています。
U字型
U字型の薄毛はM字型とO字型の薄毛が進行し、つながった状態を意味します。
上から見たときにアルファベットの「U」の形に見えるのが特徴です。
ハミルトンノーウッド分類でいうと、6型ないし7型がU字型の薄毛にあたります。
治し方などは下の記事で解説しているので参考にしてください。
U字ハゲの原因とは?基礎知識と治療法をご紹介!
AGAかどうかセルフチェックする方法
男性に起こる薄毛にはさまざまなタイプがあるのですが、AGAの場合はゆっくりと確実に進行します。
発症が疑われる場合、できるだけ早めに対処する必要があります。
AGAかどうかをセルフチェックするには、次のような点を確認してみましょう。
- 身内にAGAの人がいる
- 抜け毛の数が増えた
- 額が広くなってきている
- 髪の毛全体のボリュームが減少してきた
- 頭頂部の地肌が目立つようになってきた
それぞれについて詳しく解説します。
あわせて下の記事もご覧ください。
身内にAGAの人がいる
AGAかどうかをセルフチェックするには、身内にAGAの人がいるかどうかを確認してみましょう。
AGAには遺伝的な要因が深く関わっています。
父親もしくは祖父がAGAの場合、本人もAGAを発症する可能性が高いと判断できるでしょう。
詳しくは下の記事をご覧ください。
抜け毛の数が増えた
AGAかどうかをセルフチェックする方法の1つが、抜け毛の量を確認することです。
健康な人でも1日あたり50本から100本の抜け毛は見られます。
しかし、AGAを発症している場合、100本以上の抜け毛が続く傾向にあります。
季節によって抜け毛の量が増える時期もありますが、長い期間にわたって毎日100本以上の抜け毛が見られる場合は要注意といえるでしょう。
抜け毛の本数に関しては、下の記事でまとめています。
額が広くなってきている
AGAかどうかをチェックするには、額が広くなってきていないか確認してみましょう。
とくに髪の毛を下ろしている方の場合、知らない内にAGAが進行しているケースもあるため注意が必要です。
ただ、なかには「生まれつき広い」という方もいます。
見分け方などは下の記事をご覧ください。
髪の毛全体のボリュームが減少してきた
髪の毛全体のボリュームを確認することも、AGAのセルフチェックになります。
AGAを発症した場合、抜け毛の量が増えるだけでなく、髪の毛のコシやハリがなくなってきます。
以前と比べて髪の毛全体のボリュームが減少している方やヘアスタイルが決まらなくなっている方は、AGAを発症している可能性があるでしょう。
頭頂部の地肌が目立つようになってきた
AGAかどうかをセルフチェックするには、頭頂部の地肌を確認してみましょう。
頭頂部は自分でなかなか見ることができない場所なので、知らない内にAGAが進行している可能性もあるため要注意と言えます。
自分で確認できない場合、HIX(ヒックス)を使えばプロの毛髪診断士やAIが分析してくれます。
写真を撮って送るだけなので、ほとんど手間がかかりません。
さらに、無料で使えるうえに、チャットで専門家に相談することもできます。
HIXについて詳しくはこちら
AGAの進行度合いに応じた治療方法
AGAは進行型の脱毛症なので、発症が疑われる場合、できるだけ早く治療を始めることが重要です。
進行度合いによって、次のような方法で改善を図ります。
- まずはミノキシジルの外用薬
- ある程度進行している場合はプロペシア・ザガーロを服用
- 効果を高めたい場合は併用する
- 投薬治療で改善が期待できない場合は自毛植毛も検討
それぞれについて詳しく解説します。
まずはミノキシジルの外用薬
AGAの発症が疑われる場合、まずはミノキシジルの外用薬で改善を図ります。
ミノキシジルは血管を拡張し、血液の循環を促進する作用のある薬です。
国内において唯一発毛効果が認められている成分であり、「AGAガイドライン」においても「行うよう強く勧める」と水晶されています。
頭皮に適量を塗布することで、局所の血流を促進し、発毛を促すことが期待されています。
1本あたり3,000円で国内最大濃度のミノキシジル発毛剤はこちらをご覧ください。
ある程度進行している場合はプロペシア・ザガーロを服用
AGAによる薄毛がある程度進行している場合は、プロペシアやザガーロの服用も推奨されています。
プロペシアとザガーロの有効成分には、AGAによる抜け毛の原因となる5α-リダクターゼの働きを阻害する作用があります。
効果を高めたい場合は併用する
ミノキシジルとプロペシア、もしくはミノキシジルとザガーロの併用を勧められることもあります。
プロペシアとザガーロには似たような作用機序があるのですが、ミノキシジルは違った角度から発毛を促進します。
そのため、両者を併用することで、発毛効果を高めることが期待できるのです。
また、ミノキシジルの血管拡張作用によって頭皮への血流が促進されれば、プロペシアやザガーロの有効成分をより効率的に送り届けられる可能性もあるでしょう。
投薬治療で改善が期待できない場合は自毛植毛も検討
薄毛の範囲が広くなり過ぎた場合(ハミルトンノーウッド分類の6型や7型)、投薬治療では望む効果が期待できないこともあります。
その場合、後頭部の毛根を皮膚ごと移植する自毛植毛が検討されることもあります。
植毛については下の記事をご覧ください。
AGAかどうか不安な場合はクリニックを受診しよう
AGAかどうか不安な場合は、専門のクリニックを受診するのが一番です。その理由としては、次のような点があげられます。
- AGAかどうかを自己判断するのは難しい
- 早めに対処しないと薄毛が進行する
- 早期治療で早期改善が期待できる
AGAの発症をチェックするには、ハミルトンノーウッド分類を参考にする方法があります。
ただ、AGAの初期の段階では、自己判断が難しいケースも少なくありません。
また、薄毛の原因は実にさまざまなので、本当にAGAが原因で薄毛になっているのかどうかは専門家に見てもらわないと判断できません。
進行型のAGAは早めに対処しないと確実に進行します。
治療をするかどうか迷っている間にも、AGAによる薄毛はゆっくりとですが進行してしまうのです。
仮に毛母細胞が死滅した場合、治療しても髪の毛は二度と生えてきません。
最近では、オンライン診療に対応しているAGAクリニックも増えています。
詳しくは下の記事をご覧ください。
【薬剤師監修】オンライン診療が受けられるおすすめのAGAクリニックをご紹介!
まとめ
ハミルトンノーウッド分類とAGAの進行度についてまとめます。
- AGAの進行度はハミルトンノーウッド分類でチェックできる
- 薄毛の原因がすべてAGAとは限らない
- AGAが不安な場合、専門のクリニックで見てもらうのが一番である
AGAの進行度をチェックする方法の1つが、ハミルトンノーウッド分類です。
チェックしたうえでAGAの進行が疑われるのであれば、できるだけ早く治療を開始することが重要です。