【発毛剤の豆知識】フォリックスの有効成分?効果は?
「フォリックスを買ったものの、どのような効果があるのかわからない」
「どのような成分が入っているのか確認したい」
フォリックスを海外から個人輸入すると、添付文書や説明がすべて外国語で書かれています。しっかりと成分を確認することで具体的な効果がわかり、より安心して使用できるようになるでしょう。
本記事では専門家監修のもと、以下の点を解説します。
- フォリックスの有効成分
- フォリックスの発毛成分
- フォリックスは使うべきなのか
記事を最後まで読むことで、フォリックスの具体的な効果がわかります。
この記事の監修者
-
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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フォリックスの有効成分
フォリックスには次の有効成分が含まれています。
- ミノキシジル
- メントール
- アスコルビン酸
- アデノシン
- プロシアニジンB2
- プロキャピルブレンド
- フォリクサンブレンド
- フィナステリド
- αトラジオール
- 銅ペプチド溶液
ミノキシジル
ミノキシジルは国内で唯一、発毛効果が認められている成分です。
毛包を活性化させて、発毛と成長を促します。
フォリックスは商品によってミノキシジルの濃度が異なります。
ミノキシジル濃度 | |
FOLLICS FR02〈男女兼用〉 | 2% |
FOLLICS FR05〈男性専用〉 | 5% |
FOLLICS FR07〈男性専用〉 | 7% |
FOLLICS FR10〈男性専用〉 | 10% |
FOLLICS FR012〈男性専用〉 | 12% |
FOLLICS FR015〈男性専用〉 | 15% |
FOLLICS FR016〈男性専用〉 | 16% |
ただ、10%以上は「5%のものと効果がさほど変わらない」というデータも存在するため注意が必要です。
また、国内で認められているのは5%までです。
ミノキシジル濃度が5%のものなら、国内でも多くの商品が販売されています。
メントール
メントールは混ぜることで、清涼感やかゆみを軽減する効果を得られます。株式会社マンダムと自然科学研究機構・岡崎統合バイオサイエンスセンター富永真琴教授との共同研究では、次の研究結果が明らかになっています。
今回、清涼成分として代表的なメントールが濃度依存的に刺激センサー(TRPV1)の活性化を抑制すること、さらに、ヒトの頸部を用いた感覚刺激評価においても、TRPV1 の活性化による感覚刺激がメントールによって緩和されることを見出しました。
アスコルビン酸
アスコルビン酸はビタミンCを意味し、ラクトン構造を持つ有機化合物の1種です。活性酸素を抑え、抗酸化作用による肌荒れの防止や頭皮環境の改善といった効果が期待されています。
ビタミンCには、酸化防止作用があり、体内でフリーラジカルによるダメージから細胞を守るのを助けます。フリーラジカルとは、摂取した食物が体内でエネルギーに変わる時に形成される化合物です。
出典:eJIM|ビタミンC
アデノシン
アデノシンには「AGAガイドライン」において育毛成分が認められています。
男性型脱毛症に関して,0.75%アデノシン配合 ローションを用いた,101 名の男性被験者を対象とし た観察期間 6 カ月間のランダム化比較試験において, 毛髪径・軟毛率・太毛率の中等度改善以上の改善率は, アデノシン配合ローション群は51名中41名(80.4%), 対照群は 50 名中 16 名(32.0%)であった。
「AGAガイドライン」では、「推奨度:B(行うよう勧める)」として評価されています。
ただし、発毛効果が認められているわけではありません。
また、アデノシンはフォリックスだけでなく、アデノゲンEXという育毛剤にも使用されています。
プロシアニジンB2
プロシアニジンB2は抗酸化作用による肌荒れを防ぐ役割を担います。過去には「グリーンアップル・ポリフェノールシャンプー」というプロシアニジンB2配合のシャンプーが発売されたほどです。
画像出典:PR TIMES|青リンゴの成分が髪を成長させるシャンプーを開発
髪の成長に働きかけるだけではなく、頭皮の老化防止・血行促進など頭皮環境を整えるとされています。
プロキャピル
プロキャピルは、以下3つの成分を中心に作られています。
- オレアノール酸
- ビオチノイルトリペプチド
- アピゲニン
オレアノール酸には「育毛効果がある」という研究結果があります。
センブリ抽出液OA22.5%配合育毛剤は治療前後に硬毛数が有意に増加し、重篤な副作用はなく長期に安全に使用できる薬剤であると判断した。
ここでいう「センブリ抽出液」はオレアノール酸のことです。このように育毛効果は明らかにされていますが、発毛効果があるわけではない点に注意してください。
フォリクサン
フォリクサンはドイツの製薬会社CLRが開発した成分です。
Follicusan™ DP stimulates the functionality of the dermal papilla cells at the base of the hair follicles, thus counteracting premature hair loss.
出典:CLR|Products
翻訳すると、以下のとおりです。
Follicusan™ DP は、毛包の基部にある毛乳頭細胞の機能を刺激し、早期脱毛を防ぎます。成長期の毛包の数を増やし(成長段階)、休止期の毛包の数を減らします(休止期)。
ただし、具体的な臨床結果は記載されていませんでした。
フィナステリド
フィナステリドとは、AGAを進行させるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑えられる成分です。5αリダクターゼという酵素の働きを阻害し、テストステロンがDHTに変化することを防ぎます。国内では「プロペシア」「フィナステリド錠」などとして販売されています。
ミノキシジルの外用と並んで「AGAガイドライン」では使用を最も強く推奨されています。
αトラジオール
αトラジオールはドイツで開発された成分で、DHTを減らすといわれています。ただ、研究段階であり、国内でも臨床試験で効果が認められているわけではありません。
銅ペプチド溶液
銅ペプチド溶液は皮膚修復を促し、老化防止に役立つとされている成分です。
銅結合GHK(グリシル-ヒスチジル-リジン)はヒトの血液および唾液中に存在し,組織を修復し,若返らせる作用がある物質である。
出典:J-GLOBAL
フォリックスの発毛成分
有効成分のうち 「AGAガイドライン」で認められているものは以下の3つです。
- ミノキシジル:発毛効果
- アデノシン:育毛効果
- フィナステリド:AGAの進行を抑えられる効果
このうち発毛効果があるのはミノキシジル、AGAの進行を抑えられるのがフィナステリドです。
ミノキシジルとフィナステリドは併用することができます。
AGA治療の効果を高めたい方は併用がおすすめです。
フォリックスは使うべきなのか
ミノキシジルとアデノシン、フィナステリドの3つが一つにまとまっているのはフォリックスだけなので、忙しい方には最適かもしれません。
また、フォリックスのミノキシジル濃度は7種類もありバリエーションも豊富なので、使用感やAGAの進行具合により選択の幅があることもメリットといえるでしょう。
ただし、フォリックスは国内未承認であるため使用は自己責任となります。
加えて、フィナステリドの効果が認められているのは「内服」だけです。
したがって、配合されてはいるものの、AGAの進行を食い止められる効果が期待できるとはいえない可能性があるでしょう。
「これからAGA治療をはじめよう」と考えている場合、未承認であるフォリックスよりも国内で承認されているミノキシジル外用薬を使うほうがリスクが少ないうえに値段も安いです。